🇬🇧 Aztec Camera (アズテック・カメラ)
レビュー作品数: 1
スタジオ盤
1983年 1stアルバム
アズテック・カメラはスコットランド出身のバンドで、日本ではネオアコの中心的存在として扱われ、ギターポップというジャンルで大きな役割を果たしたバンドとして知られます。ロディ・フレイム(Vo/Gt)を中心に1980年に結成しました。
本作のラインナップはロディ・フレイムに加えてキャンベル・オウエンズ(B)、バーニー・クラーク(Key)、デイヴ・ルフィ(Dr)。プロデューサーにはジョン・ブランドを迎え、バーニー・クラークと共同プロデュース。
オープニング曲は「Oblivious」。軽快なアコギによって爽やかな印象を抱きます。グルーヴ感のあるベースとビート感の強いドラムが、アコギの軽さにメリハリをつけ、そこにキャッチーな歌メロと爽快なコーラスワーク。とても取っつきやすいんですが、ひと昔前のJ-POPのようで古臭さを感じたりします。テンポの速い「The Boy Wonders」はドライブ感抜群。前曲同様、小気味良いアコギが爽やかさを生み、グルーヴィなリズム隊がしっかりと支えつつも速いテンポで勢いをつけます。ロディのヘタウマなボーカルはご愛嬌。「Walk Out To Winter」はキャンベルのベースが強烈に唸ります。ギターのカッティングと合わさってノリの良い1曲に仕上がっています。続く「The Bugle Sounds Again」は少し影のあるメロディ。ヘタウマ(ヘタクソ?)なボーカルはこの楽曲では少し浮いてるかも。「We Could Send Letters」では楽曲構成にメリハリがあって、ドラマチックな展開です。コーラスによってほどよく哀愁を感じさせるメロディも良いですね。一転して「Pillar To Post」では弾けるような、ポップで清涼感が溢れる1曲です。軽快なイントロから終始楽しい気分にさせてくれます。囁くように静かに始まり徐々にテンポアップしていく「Release」は、南国のバカンスのようなまったりした雰囲気。「Lost Outside The Tunnel」は歌が残念ですが、スパニッシュな雰囲気のアコギを中心とした分厚いサウンドは聴きごたえがあります。「Back On Board」はまるで歌っているかのようにベースが主張します。ベース好きにはたまらない楽曲だと思います。終盤に分厚いコーラスが加わって壮大に盛り上がると、そのまま流れるようにラスト曲「Down The Dip」へ。アコギの弾き語りで、シンプルな1曲で締めます。
ネオアコの名盤として知られる本作。邦楽にも通じる取っつきやすさがあるため、そのせいでサウンドがひと昔前のような古臭さを感じますが、全体的には爽快感に溢れる清涼飲料水のような作品です。
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