🇺🇸 Boston (ボストン)

レビュー作品数: 2
  

スタジオ盤

Boston (幻想飛行)

1976年 1stアルバム

 マサチューセッツ工科大学卒という、ロックバンドでもトップクラスの学歴を持つトム・ショルツ率いるバンド、ボストン。ブラッド・デルプのボーカル以外はトム・ショルツがほぼすべて制作し、ショルツの作成したデモテープを元にスタジオミュージシャンが集められて録音されたそうです。
 ギターの形をした宇宙船のジャケットは次作以降も継承されますが、スペイシーで浮遊感を持ったハードな楽曲が多い本作の世界観とジャケットアートのイメージがうまくフィットしています。なおこの音作りはショルツの強いこだわりの賜物で、1人で音を何重にも重ねて作り上げられました。そんなこだわりの成果か、この時代にしてはめちゃくちゃ音がいいんですよね。

 「More Than Feeling」が素晴らしい出来で、ブラッド・デルプのハイトーンボイスは天にまで届くかのような綺麗で伸びやかな声です。綺麗なギターの音色や爽やかなコーラスワークも心地よさを演出します。ハモンドオルガンが鳴り響く「Foreplay/Long Time」は本作中最もプログレっぽい1曲ですが、英国のそれとは異なり、そこまで難解さはなくキャッチーな1曲です。ボストン流のロックンロール曲「Smokin’」も軽快なノリで心地よいです。あまり泥臭くなくて、スマートなロックンロールという感じですね。間奏のオルガンが良い味を出しています。

 トム・ショルツの強いこだわりによって作られた本作は、膨大な労力に充分見合う商業的成功を得ました。アメリカだけで1700万枚以上、全世界で2000万枚以上を売り上げるという驚異的なセールスを叩き出しました。耳馴染みの良い楽曲が多く、晴れた日のドライブにはもってこいの爽やかなアルバムです。

Boston
Boston
 

Don't Look Back (ドント・ルック・バック)

1978年 2ndアルバム

 新人でありながら、2枚目のアルバムを出すまでに2年のインターバルを挟むという。作詞作曲演奏プロデュースと、制作のほぼ全てをトム・ショルツ1人でやってしまうものだから、時間がかかるのもしょうがないんですよね。加えてショルツは完璧主義者なのだそうです。本作はまだいい方で、「ボストンは8年に1回しかアルバムを出さない」と言われるくらい非常に寡作なバンドとして有名です。3rdアルバムは1986年、4thアルバムは1994年…といった具合。ただ一旦アルバムが出ると爆発的に売れ、本作においても全米1位を記録し800万枚以上を売り上げるという大成功を収めました。

 基本的には前作を継承したハードさとポップさを両立した音楽性で、ギター宇宙船のジャケットも変わらずですね。
 「No Synthesizers Used, No Computers Used とジャケットに刻印されている…」という話が有名なのですが、手持ちのCDジャケットには「No Synthesizers Used, No Compute…er..well, No Synthesizers Used!」と書かれていました。CD化、またはリマスター作業においてコンピュータを使ってしまったということでしょうか?笑 ただ、レコード時代はきっとこれら機材を使わずに膨大な時間をかけて編集したということでしょう。
 オープニングを飾る表題曲「Don’t Look Back」は軽快なハードロック曲。ギターの奏でる主旋律が耳に残るキャッチーな楽曲です。ブラッド・デルプの高音ボーカルも聴きやすい。「A Man I’ll Never Be」は美しいバラード曲で、人気の高い楽曲です。サビ前のギターが染み入ります。

 前作同様に爽やかで耳馴染みの良い楽曲が多く、聴きやすい作品です。私は『幻想飛行』の方が好きなのでこちらはあまり聴きませんが、単に好みの問題で、出来は『幻想飛行』にも劣りません。

Don’t Look Back
Boston
 
 
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