🇺🇸 Greta Van Fleet (グレタ・ヴァン・フリート)
レビュー作品数: 1
スタジオ盤
2018年 1stアルバム
「現代のレッド・ツェッペリン」と称される期待の新星、グレタ・ヴァン・フリート。米国ミシガン州出身のハードロックバンドです。双子のジョシュ・キスカ(Vo)とジェイク・キスカ(Gt)、弟のサム・キスカ(B/Key)のキスカ3兄弟に、カイル・ホーク(Dr)の4人で2012年に結成。まもなくカイルが脱退し、彼らの友人のダニー・ワグナー(Dr)が加わっています。2017年にシングルデビューするや、全米ロックラジオチャート5週連続1位とカナダのロックラジオチャートで9週連続1位を獲得。2018年のセカンドシングルもヒットを飛ばし、フルアルバムとなる本作をリリースしました。マーロン・ヤング、アル・サットン、ハーシャル・ブーンがプロデューサーに名を連ねます。ロバート・プラントも「彼らは『レッド・ツェッペリン I』だ」と称えたといいます。
オープニング曲は6分に渡る本作一番の大曲「Age Of Man」。オーケストラをバックにジョシュのハイトーンが響きます。その後はミドルテンポのブルージーな楽曲へと変わります。サムのグルーヴ感のあるベースと、ジョシュのハイトーンが特に強烈です。続く「The Cold Wind」からはZEPの遺伝子を強く感じ、嬉しく思います。ブルージーなハードロック曲で、20歳前後とは思えない渋さがあります。そしてリズム隊の作るグルーヴ感がとても気持ち良い。「When The Curtain Falls」はジェイクの弾く旧き良きハードロック的なブルージーなギターと、ダニーのノリの良いドラムを軸に、縦ノリのロックンロールを奏でます。ジョシュの歌はがなり声に近い感じですが、時折ラフに歌ったりして楽しんでいますね。「Watching Over」はゆったりとしたテンポで哀愁を感じさせる、とても渋い1曲。そしてオリエンタルな香りも漂います。「Lover, Leaver」は強烈なグルーヴ感のあるイントロから高揚感を煽ってきます。ジョン・ボーナムを思わせる、ダニーのパワフルなドラムがとてもカッコ良い。続いて「You’re The One」はアコギが中心の渋い1曲。サビでの合唱やオルガンによる味付けなんか、某名曲を思い出してニヤリとしますね。「The New Day」もアコギ主体ですが、こちらはカラッとして爽やかです。「Mountain Of The Sun」は結構壮大ですが、でも演奏には余裕すら感じられます。聴きやすい楽曲だと思います。「Brave New World」は渋くて泥臭い1曲。ジョシュの歌はとても力強いですね。間奏はリズムを少し変えるので緩急ついてスリリングです。「Anthem」はアコースティックサウンドでこじんまりとしていますが、存在感のある歌声でメロディアスな歌を披露します。まったりとしていて癒されます。最終盤はゴスペルっぽいですね。そして最後に「Lover, Leaver (Taker, Believer)」。「Lover, Leaver」に幻覚的な間奏が含まれていますが、ただでさえ似ているのに余計に「Whole Lotta Love」のようで、この楽曲にはワクワクされっぱなしです。ドラムとか、完璧じゃないですか。笑
2018年作とは思えない、ブルージーなハードロック作品です。ZEPや1970年代ハードロックファンには嬉しい1枚でしょう。そして今のロックファンにとっても、本作は旧きハードロックに触れるきっかけにもなるかもしれませんね。
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