🇺🇸 Horsegirl (ホースガール)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

Versions Of Modern Performance (ヴァージョンズ・オブ・モダン・パフォーマンス)

2022年 1stアルバム

 米国イリノイ州シカゴ出身の期待の新星、ホースガール。メンバーはペネロペ・ローウェンスタイン(Vo/Gt)、ノラ・チェン(Gt/Vo)、ジジ・リース(Dr)の女性3人組で、2019年に結成して同年に自主制作EPをリリースしています。本作リリース現在、ノラとジジが大学1年生、ペネロペが高校3年生だそうです。
 結成当初はソニック・ユースのカバーバンドとして活動し、ノーウェイヴ、パンク、シューゲイザーに影響を受けているそうです。そしてソニック・ユースらを手掛けたジョン・アグネロを共同プロデューサーに迎え、名匠スティーヴ・アルビニの保有するスタジオでレコーディングされた本作はノイズロックやシューゲイザー等のオルタナ的なアプローチが魅力の傑作に仕上がっています。

 リードシングル「Anti-Glory」で開幕。スリリングな楽曲にノックアウトされてホースガールに興味を持ちました。ダイナミックなドラムに武骨なベース、不穏なギターがダークでひりついた演奏を繰り広げます。ローファイな音質に、ノイズロックやポストパンク直系のサウンドがあまりにカッコ良いです。続く「Beautiful Song」は轟音ギターが空間を埋め尽くします。その中でファルセットを活用した浮遊感のあるペネロペの歌唱で牧歌的なメロディが紡がれ、気持ち良いです。「Live And Ski」はタムタムを活用したドラムと、不協和音のようなベースとギターが焦燥感を煽りますが、ヘタウマな歌はドリーミーで、これが優しくて心地良さを与えてくれます。「Bog Bog 1」は2分程のインストゥルメンタル。強いエフェクトで歪んだギターが、ドリーミーで幻覚的な世界へ誘います。ゆったりと浸れる1曲です。そして「Dirtbag Transformation (Still Dirty)」は激しいイントロにハッとさせられます。メロディアスなので歌ものとしても魅力的な楽曲ですが、ミドルテンポの力強い演奏も聴きごたえがあります。「The Fall Of Horsegirl」はノイズの強いギターに加えてプリミティブなドラムが、ゴシックロック的なおどろおどろしい雰囲気を醸し出します。歪みきった空間はスリリングですが、低いトーンの歌唱は不思議と安心感を覚えたりします。続く「Electrolocation 2」は2分程のインストゥルメンタル。強いエフェクトをかけたギターが、ノイジーなのにキラキラとしたまばゆい光景を見せてくれます。続いて、ドラムのカウントに導かれて「Option 8」へ。緊張の張り詰めた、焦燥感のあるサウンド。不安を煽りつつも、程良い疾走感や時折見せるノリの良さが気持ち良さをも提供してくれます。「World Of Pots And Pans」はテンション低めながらもキャッチーなメロディを歌い、躍動感と焦燥感を併せ持つ演奏が楽曲を引き立てています。「The Guitar Is Dead 3」は1分満たないインストゥルメンタル。エフェクトを強くかけた幻想的なピアノで構成され、ギターは死んでいるというタイトルどおりギター不在です。そして「Homage To Birdnoculars」は軽快だけど哀愁を帯びたギターを中心に躍動感ある楽曲を展開(でも歌のテンションは低め)。よく動くベースも中々心地良いです。最後は「Billy」。オルタナ的なギターをかき鳴らしながら、力強いリズム隊が支えます。テンション低いながらもコーラスワークが気持ち良かったりします。

 演奏はスリリングですが歌はメロディアス。全体的に陰のある作風で、魅力的な作品です。

Versions Of Modern Performance
Horsegirl
 
 
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