🇬🇧 Kula Shaker (クーラ・シェイカー)
レビュー作品数: 1
スタジオ盤
1996年 1stアルバム
1990年にロンドンで結成。結成当初から何度も改名をしてきたそうですが、フロントマンのクリスピアン・ミルズのインド趣味によってクーラ・シェイカーに改名、1995年にデビューしました。ちなみにクーラ・シェイカーとは9世紀のインド王クラシェハラに由来するそうです。メンバーは仏教徒のクリスピアン・ミルズ(Vo/Gt)と、アロンザ・ベヴァン(B/Pf)、ポール・ウィンターハート(Dr)、ジェイ・ダーリントン(Key)。
ジャケットアートはインド風ですが、周囲にはジョン・F・ケネディやフルシチョフ、キング牧師等が描かれているそうです。
オープニングを飾る「Hey Dude」はビートルズの「Hey Jude」をもじったのでしょうか?しかし音楽性は「Hey Jude」とは異なりマッドチェスター直系のダンサブルなサウンドで、ストーン・ローゼズの影響を強く感じます。カッコいい。「Knight On The Town」もグルーヴ感があって気持ち良いです。そしてここからはインド音楽の要素が強まっていきます。「Temple Of Everlasting Light」はアコギが美しい音色を奏でる裏でパーカッションがエキゾチックな雰囲気を作り出します。中盤から音が分厚くなり、サイケデリックなサウンドに。「Govinda」ではよりエキゾチックな雰囲気が強まります。インド音楽に傾倒していた頃のビートルズを、現代風にスマートにしたような感じでしょうか。疾走感のある「Smart Dogs」に続いて、サイケデリックなサウンドで哀愁のある「Magic Theatre」でしんみりとさせます。そして「Into The Deep」はストーン・ローゼズの「Bye Bye Badman」にそっくりで、でも良い曲でニヤリとしてしまいます。インド風の雰囲気を感じさせるインストゥルメンタル「Sleeping Jiva」を挟んで続く「Tattva」は哀愁のあるメロディアスな曲。サイケ全開で浮遊感があります。疾走曲「Grateful When You’re Dead/Jerry Was There」はグルーヴ感が強烈で、カッコいい。中盤からは雰囲気を変えて、ミドルテンポのエスニックで怪しい楽曲に変貌します。終盤の分厚く幻想的な音が快感です。グルーヴィで、オルガンの唸る「303」、少し切ない雰囲気を感じさせる「Start All Over」と続き、「Hollow Man (Part 1 & 2)」でしっとりとアルバムを締めます。ラストの盛り上がり方は感動的です。
インド風の味付けはあるものの、グルーヴ感に満ちたサウンドはカッコよいです。ブリットポップのブームに乗って大ヒットしましたが、どちらかと言えばマッドチェスター的なサウンドを感じます。
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