🇬🇧 Liam Gallagher (リアム・ギャラガー)
レビュー作品数: 1
ギャラガー兄弟の紹介動画
動画にまとめていますので、ぜひご視聴ください!
スタジオ盤
2017年 1stアルバム
イングランドのマンチェスター出身のアーティスト、リアム・ギャラガー。本名ウィリアム・ジョン・ポール・ギャラガー、1972年9月21日生まれ。ブリットポップの雄オアシスのボーカリストとして活躍。実兄ノエル・ギャラガーの脱退後はオアシスを解散し、残ったメンバーとともにビーディ・アイを結成。しかしオアシスのような功績は残せず、2014年にビーディ・アイを解散。一度は音楽会を引退してTwitterご意見番になってしまいましたが笑、音楽会へ復帰しソロデビューします。
3兄弟の末弟として生まれたリアムは、兄ノエル・ギャラガーとともに小さい頃より素行の悪い悪童だったそう。18歳頃まで音楽に興味がなかったもののストーン・ローゼズのライブで音楽に目覚め、ビートルズ等を愛聴するようになります。特にジョン・レノンを敬愛しており、自分の息子にレノンと名付けるほど。粗暴な行動な目立ち、また3回も離婚を経験しているリアムですが、父親としては子煩悩で、また子どもが大好きで兄ノエルの子どもともよく遊んでいるようです。
さて本作はグレッグ・カースティン、ダン・グレック・マーグエラット、アンドリュー・ワットと共にアルバム制作を行い、全英1位を獲得しました。ちなみに翌月には兄ノエルの『フー・ビルト・ザ・ムーン?』がリリースとなり、兄弟対決を煽られていましたが、両者ともに全英1位を獲得したので引き分けでしょうか?ビーディ・アイでは全英1位を獲得できなかったことを考えると、ソロで復活した感じですね。
オープニング曲「Wall Of Glass」。イントロのハーモニカに古臭さを感じさせ、ビーディ・アイのオールドロック路線の延長と思いきや、歌が始まるとモダンな作風です。リアムの歌は好調だし、R&Bやダンスミュージックも取り入れたグルーヴ感のあるサウンドもクールでカッコ良い。続く「Bold」は憂いのあるメロディアスな1曲。コーラスが大人びてメロウな雰囲気を醸し出しています。「Greedy Soul」はリズムを強調したグルーヴィな楽曲で、パンチの効いたサウンドはクールな印象を抱きます。「Paper Crown」はアコギ主体でしっとりとしています。そしてメロディがよく、郷愁というか懐かしい感じのする歌が染み入ります。続く「For What It’s Worth」もメロディアスです。気だるさを伴った哀愁のある歌声で、耳に残る美しいメロディラインをなぞり、それをストリングスが引き立てます。これは名曲ですね。ゆったりとした「When I’m In Need」では癒やされますが、後半は壮大で迫力があります。「You Better Run」はリズミカルでノリノリのロック。こういうアップテンポ曲にリアムの気だるい歌声がよく似合います。続いてイントロからパワフルな「I Get By」。力強くてグルーヴ感のあるサウンドが魅力的です。「Chinatown」はリアムの歌声をフィーチャーした1曲。序盤はこじんまりした編成ですが、徐々に分厚いベースや神秘的なシンセが加わり、エコーの効いた奥行きのあるサウンドへと変わっていきます。終盤は雄大な印象を抱きます。「Come Back To Me」はヘヴィなロック曲。キャッチーだけど哀愁のあるメロディ、そしてヘヴィなギターが良い味を出しています。「Universal Gleam」でゆったりと揺られたあとは、最終曲「I’ve All I Need」。リズミカルなサウンドに乗せて、メロディアスで優しい歌声を届けます。
作曲の多くは外部ライターを起用していますが、ビーディ・アイの弱点だったメロディを補強でき、結果正解だったと思います。名ボーカリスト・リアムの歌声の魅力を上手く引き出せていて、オアシスを追い求めているフォンにも受け入れられる好盤だと思います。
Twitterで兄を批判しながらオアシス再結成を望んでいるようなリアム。対して兄はオアシス再結成の意思は無さそうですが…。
関連アーティスト
古巣にして英国の国民的ロックバンド。
オアシスの後継バンド。
実兄ノエル・ギャラガーのソロ活動。
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