🇺🇸 Mariah Carey (マライア・キャリー)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

Merry Christmas (メリー・クリスマス)

1994年 4thアルバム

 マライア・キャリーは米国ニューヨーク州出身のシンガーソングライター兼女優で、1970年3月27日生まれ。現在までにトータルで2億4千万枚以上を売り上げています。
 マライアは「7オクターブの音域を持つ歌姫」として1990年にデビューします。そして4thアルバムとなる本作はクリスマスアルバムで、マライアとウォルター・アファナシェフ、ロリス・ホーランドによる共同プロデュース作。全世界で1500万枚以上、日本だけでも2001年時点で270万枚以上を売り上げており、中古CDショップでもやたらに見かける大ヒット作ですね。笑 本作は2019年に25周年を記念してデラックスエディションをリリース。それも後押ししたか、代表曲であるシングル「All I Want For Christmas Is You (恋人たちのクリスマス)」がリリース25年を経て初めて全米1位を獲得するという快挙を成し遂げました。これにより全米No.1シングルを19曲となり、これはビートルズに次ぐ2位でソロアーティストとしては最多記録となります。なお人気の裏返しか、2019年の英国での調査では「最もウザいクリスマス曲」で「All I Want For Christmas Is You」が1位に選ばれるという不名誉も。

 1曲目「Silent Night」は「きよしこの夜」ですね。吐息が色っぽいマライアのソウルフルな歌声に加えて、ゴスペル隊が神々しい雰囲気を演出します。ハモンドオルガンの音色もいいですね。続いて大ヒット曲「All I Want For Christmas Is You」。前述のとおりクリスマスの定番とも言える楽曲で、チャイムの音色をバックにソウルフルなアカペラを披露。そこからノリノリでダンサブルな本編に突入。クリスマスの街中でもよく耳にするキャッチーな歌メロとゴスペル風のコーラス、リズミカルな演奏に鈴やチャイムの音など、陽気で楽しげな雰囲気が伝わってきます。続く「O Holy Night」は邦題「さやかに星はきらめき」。前曲から一転して、メロウで落ち着いた雰囲気です。低音ボイスでゆったりと聴かせますが、サビではとてもソウルフルな高音へと様変わり。ラストは超ハイトーンで、歌唱力の高さを見せつけます。「Christmas (Baby Please Come Home)」はダーレン・ラヴのカバー。横ノリのリズミカルな楽曲で、サックスの味付けが良い感じ。「Miss You Most (At Christmas Time)」はピアノをバックにマライアがしっとりと歌います。音数少なく、純粋に歌唱力で勝負していますね。とてもソウルフルです。「Joy To The World」は「もろびとこぞりて」という賛美歌ですが、打ち込みダンスチューンです。ゴスペルはとても神々しいんですが、チープな打ち込みアレンジとは大きなギャップがありますね。「Jesus Born On This Day」は囁くように始まりますが、途中から分厚いコーラスによって壮大で神々しい雰囲気に。「Santa Claus Is Comin’ To Town」は「サンタが街にやってくる」ですね。軽快なピアノとドラムによるノリノリのアレンジは「All I Want For Christmas Is You」と兄弟のような感じです。そして歌はとってもソウルフルで賑やかです。「Hark! The Herald Angels Sing / Gloria (In Excelsis Deo)」はどちらも賛美歌。前半はシンプルな演奏ですが、マライアの歌と分厚いゴスペル隊により十分なボリュームがあります。後半はオルガンなど楽器が増えますが、コーラスもより壮大になるので、終始ゴスペルで聴かせます。最後の「Jesus Oh What A Wonderful Child」は横ノリのリズミカルな楽曲。リズムビートが心地良いです。終盤で倍速に加速し、ノリノリなラストを迎えます。

 ソウルフルなクリスマス楽曲が揃っています。企画ものとして出来は悪くないですが、シーズン限定だし、正直1回聴けばお腹いっぱいな作品ですね。

Merry Christmas
(25th Anniversary Deluxe Edition)
Mariah Carey
Merry Christmas
Mariah Carey
 
 
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