🇯🇵 中島愛 (なかじま めぐみ)

レビュー作品数: 3
  

スタジオ盤

I love you

2010年 1stアルバム

 中島愛は声優兼歌手で、茨城県出身の1989年6月5日生まれ。愛称は「まめぐ」で、由来は「なかじまめぐみ」から。愛称で覚えておけば「なかじまあい」と読み間違えることもないですね。笑 アニメ『マクロスF』でランカ・リー役として声優デビューを果たし、同作品の挿入歌「星間飛行」(ランカ・リー=中島愛名義)で歌手デビューも果たします。2009年には本人名義のソロ活動を開始、翌年に1stアルバムをリリースするに至ります。12ヶ月12曲を収録した歌のラブレターがコンセプトで、バラエティ豊富な楽曲はコンセプトに従い緩やかな纏まりを見せます。

 オープニングはアップテンポ曲「Shining on」。軽快なテンポで弾けるようなポップ感覚、それでいて少し切なさを纏ったメロディラインも中々魅力的です。ストリングスの音色も心地良いですね。これが4月をイメージした楽曲で、ここから12曲で季節が一巡するような構成になっています。「Raspberry Kiss」は序盤だけ手拍子や歓声などライブのような演出がされています。ダンサブルなアイドルソングといった趣で、少し古びた印象も受けます。1980年代アイドルを好んで聴くという中島の趣味も反映されているのでしょうか。「ゆびさきの雨」はまったりとした雰囲気で、憂いを帯びたメランコリックなメロディが特徴的。中島の優しく囁くような歌は耳触りがいいですね。「Sunshine Girl」は本作のハイライト。シンセサイザーをバリバリに活用した、キレ味のある華やかなダンスチューンです。耳に残るキャッチーなメロディはベタですがとても魅力的で、中島の歌も可愛らしい。夏らしさ全開のアイドルソングです。「空色ラブレター」は自己主張の強いファンキーなベースがとてもカッコ良い、爽やかなアップテンポ曲。高音域の浮遊感溢れる歌と、リズミカルでグルーヴィな演奏の対比が爽快感を生み出しています。「CALL ME」はメロウでしっとりとしたAORっぽい楽曲。ゆったりとした演奏に乗せて儚げな歌をじっくり聴かせます。「ジェリーフィッシュの告白」はメロディラインがミスチルの「HANABI」っぽい。鼻にかかったようなあどけない歌を聴かせます。「Be MYSELF」はキラキラとした演奏で冬っぽさを感じさせるアップテンポ曲。メロディもキャッチーですね。続いて鈴の音がクリスマスっぽい「white heart rhythm」。跳ねるような洒落たドラムビートに中島の可愛らしい歌声が乗ります。ポップな感じですが、終盤に向けて切なく憂いを帯びる展開が魅力的。続いて1stシングル「天使になりたい」。メタリックでノイジーなダンスチューンで、ハードな演奏はスリリング。そしてメロディアスな歌メロがとても『機動戦士ガンダムSEED』っぽい。笑 方向性が決まってなかったのか、カッコ良いんですがアルバムの中では浮いてます。「わたしにできること」は前曲とは打って変わって穏やかで美しい1曲。ピアノやハープ、ストリングス等の美しい音色に乗せて、儚げな歌を届けます。最後の「ノスタルジア」はメロディアスな1曲。溢れそうな感情を抑えるような歌唱が胸にぐっとくるんですよね。

 アイドルソングの詰まった好盤です。鼻にかかったような独特のあどけない歌声が庇護欲を掻き立てるのか、魅力的で応援したくなるんです。

I love you (初回限定盤)
中島愛
I love you (通常盤)
中島愛
 
Be With You

2012年 2ndアルバム
 

 アニメ『輪廻のラグランジェ』のタイアップ曲「TRY UNITE!」、私はこれが中島愛を聴くキッカケでした(『マクロスF』も知ってはいたものの、アニメはかなり後追いでした)。アニメ自体は残念ながらコケた感じでしたが、中島が担当したオープニング・エンディング曲はどれも魅力的で、そのうち本作には1期OP「TRY UNITE!」と1期ED「Hello!」が収録されています。アルバムとしては前作よりも表現力が向上しバラエティ豊富になった一方で、統一感は少し減った印象です。

 「Wake Up!」はライブを意識したような楽曲で、中島と観客がコール&レスポンスを行うような演出がされています。前作では見られなかった、ハイテンションではっちゃけた感じのラフな歌唱は自信の表れでしょうか。賑やかなホーンが鳴りファンキーなベースが響くノリノリな演奏も含め、元気をくれる良曲です。そして前述した「TRY UNITE! -extended version-」は、個人的に中島の楽曲では5本の指に入るくらいの名曲。スウェーデン出身のラスマス・フェイバーが作曲、スペイシーで空間の広がりを見せるダンサブルな演奏がカッコ良く、イントロから高揚感を煽ってきます。そして耳に残るキャッチーな歌メロは、地声とファルセットを行き来しながら心地良い浮遊感を生み出しています。ちなみに「Lag-Rin, Lag-Rin」のコーラスや「ジャージの女の子」、「まるっ!」などの歌詞はアニメとリンクしています。「メロディ」は穏やかな楽曲。ピアノやストリングスが緩やかな雰囲気を作りますが、結構ゴリゴリしたベースが印象的。ギターソロも中々聴かせてくれます。中島の歌は終始フワフワとしています。「恋」は和風のメロディが特徴的。でも演奏はエレクトロニカ風で和風の色合いを薄めています。アイドルソングではなくJ-POPっぽい。「FLY」はテクノポップ色の強い楽曲で、浮遊感のあるポップな歌唱に茶化すようなシンセが楽しげな雰囲気を作り上げます。「夏鳥」はゆったりとしたバラード。ピアノ伴奏で始まりストリングスで盛り上げるベタな展開。そして歌メロはどこかノスタルジックですが、切なさよりも懐かしさや心地良さを感じます。「宇宙的DON-DOKO-DON」はスカ風の勢いのある楽曲で、ホーンが過剰なほど賑やかに盛り上げます。でも楽曲の勢いの割には序盤は符割りのせいでゆったりとした印象。サビ以降は結構まくし立てる感じでスリリングですけどね。続く「Hello!」は「TRY UNITE!」のカップリング曲ですが、前者に匹敵するくらいの名曲です。北川勝利の作詞作曲。リズミカルなビートが高揚感を煽りつつ、歌メロはポップかつ少し切なさを感じさせます。そして中島の歌はあざといわけではないですがキュートな側面がよく伝わってきます。聴いていると元気になれる1曲です。「つながるまで」は憂いを帯びた楽曲。1番はピアノとストリングスだけで、シンプルでメランコリック。2番では楽器が増えて盛り上げます。「好キッス! KISS!!」はあざと可愛いアイドルソング。まくし立てるようなサビは耳に残ります。「神様のいたずら」は他と比べるとレトロな感じ。中島の儚げな歌をフィーチャーした穏やかな1曲です。ラストの「金色〜君を好きになってよかった」は8分に渡る楽曲で、菅野よう子が作曲。何かが始まるかのような高揚感を煽る演奏、歌やコーラスを次々と隙間無く被せていく勢いのある演出。アルバムを締め括るのに相応しい壮大な1曲です。6分過ぎで一度終わった後、リプライズ的に演奏とコーラスだけが流れます。

 『輪廻のラグランジェ』のテーマ曲である「TRY UNITE!」と「Hello!」が出色の出来。個人的にはこれら2曲が突出してるので、アルバムとしては若干バランス悪く感じてしまいます。

Be With You (初回限定盤)
中島愛
Be With You (通常盤)
中島愛
 
Thank You

2014年 3rdアルバム
 

 本作を最後に音楽活動は一時休止することになりますが個人的には本作が中島愛の最高傑作です。『I love you』、『Be With You』と続いて本作のタイトルは『Thank You』。結婚について歌った楽曲「ありがとう」を英訳したタイトルです。そのタイミングでの音楽活動休止の宣言だったので「結婚して引退かな?」と勝手に推測し(本当のところは分かりませんが)、おめでとうという嬉しさと引退の寂しさが入り混じった複雑な気持ちを抱いたことを覚えています。その後声優として『ハピネスチャージプリキュア!』に大抜擢されたのは嬉しかったですね。

 アルバムオープニングを飾るのは、6分半に渡る「愛の重力」。フュージョン的な1曲で、クールな演奏がカッコ良くて聴き入ってしまいますね。終盤は緊迫感が増し、バタバタ暴れるドラムをはじめスリリングな演奏にぶちのめされます。中島の歌は正直演奏陣の魅力に負けていますね。「Carry Out!」は賑やかなホーンが鳴り、ギターやベースがファンキーなグルーヴを生み出します。演奏は軽快ながら、中島の歌も含め少し大人びた雰囲気が漂う洒落たポップソングですね。続く「マーブル」は「星間飛行」にも匹敵するキャリアトップクラスの名曲だと思っています。「TRY UNITE!」のラスマス・フェイバーが作曲。イントロから清涼感に溢れ、そして軽快なリズム。口ずさみたくなるキャッチーな歌メロは楽曲展開が少し独特で、フックをかけてきます。魅力的なメロディと中島の歌声の相性もばっちりで、地声とファルセットを行き来する歌唱は心地良く、ポップかつ浮遊感に満ちています。「あの日の海」は切なさを感じさせつつも可愛らしい歌声が魅力的。沖縄民謡を取り入れたメロディで中島の歌をフィーチャーしており、でも演奏は沖縄っぽさを薄めて、全体的に牧歌的でノスタルジックな雰囲気に仕上げています。「Wish」は刹那的な雰囲気が漂います。焦燥感を煽るテンポの速い演奏に乗せ、メランコリックな歌メロが切なさを助長します。「風色のフィルム」はゆったりとしつつも哀愁を帯びたバラード。儚げな歌唱が切ないですね。
 そしてここから3曲が畳み掛けてきます。個人的にはここだけよく聴いてます。笑 まずは「Mamegu A Go! Go!」。中島の愛称「まめぐ」のとおり彼女をフィーチャーした楽曲でしょう。勢いのあるゴージャスな楽曲で、ホーンがとても賑やかです。楽曲の途中4小節分だけジャズっぽく色気に溢れるパートもあり、時折はっちゃける中島の歌は元気をくれます。「Megu2 Magic」はライブ感の強い楽曲で、勢いに溢れて弾けています。「Go! Go! まめぐ! L・O・V・E Megu2 Magic!!」など一緒にコールしたくなりますね。中島と観客とのコール&レスポンスを想定した歌も楽しい。「そんなこと裏のまた裏話でしょ?」は電波ソングっぽいアイドルソング。「コシコシコシ!」「でもでもでも」など、全体的にあざとい歌詞を可愛らしく歌うので、強烈に耳にこびりつきます。中毒性の高い楽曲です。ここまでのアップテンポ曲3つが強烈にアルバムを牽引します。そして「ありがとう」はアルバムのタイトル曲。AORっぽいメロウな演奏に乗せて歌うのは、両親目線から見た、結婚する我が子に向けたメッセージ。PVでは中島が結婚を控えた娘役として出ており、そしてこのシングルを最後に音楽活動引退って言ったら…ねえ。後に復帰した本人は結婚を否定してますが。「Flower in Green」は全編英語詞のダンスチューン。ダンサブルなビートを刻むノリの良い演奏とは対照的に、中島の歌は終始フワフワと浮遊感に溢れていて心地良く癒されます。ラスト曲「とうめいにんげん」は静かなピアノ演奏をバックにウィスパーボイスで歌う、シンプルで優しい1曲。心地良い子守歌のよう。フレーズが似てるのか、聴いてると毎回コスモ石油のCM曲が思い浮かびます。

 声優としてよりもアイドル歌手としての彼女のファンで、音楽活動を一時休止するまではここまでのアルバムは全作買っていました(写真集も持ってた笑)。個人的には本作が一番リピート回数が多いです。名曲「マーブル」、そして「Mamegu A Go! Go!」から「そんなこと裏のまた裏話でしょ?」までの畳み掛けるような展開など魅力たっぷりです。

 2014年に音楽活動を休止しますが2016年に活動再開。その頃には当時の熱は少し冷めてしまったものの、元気に戻ってきてくれたのは嬉しい出来事でした。

Thank You (初回限定盤)
中島愛
Thank You (通常盤)
中島愛
 
 
 類似アーティストの開拓はこちらからどうぞ。
 
@karasmarockをフォロー