🇮🇪 My Bloody Valentine (マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

Loveless (ラヴレス)

1991年 2ndアルバム

 マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、通称マイブラ(海外だとMBV)。アイルランド出身のシューゲイザーバンドです。1984年に結成。
 1987年頃に今の編成となり、ケヴィン・シールズ(Vo/Gt)、コルム・オコーサク(Dr)、ビリンダ・ブッチャー(Vo/Gt)、デビー・グッギ(B)による男女2:2の編成です。

 轟音でノイジーなギターに甘いメロディが特徴的な本作は、シューゲイザーの金字塔と言われています。本作の制作には2年を費やし、制作費は25万ポンド(当時の日本円で約4500万円)もかかり、その結果レーベルを倒産に追いやったと言われています。ケヴィン・シールズとコルム・オコーサクのプロデュース。
 オープニング曲の「Only Shallow」でイントロからノイジーなギターによる音の洪水に圧倒されます。でも歌は囁くように優しくて、ポップなメロディというギャップ。浮遊感があって心地よいです。「Loomer」もノイジーでヘヴィなギターがカッコいい。レディオヘッドにも影響を与えている気がします。「Touched」は短いインストゥルメンタル。ノイジーな音が絡み合ってメロディアスに聴こえます。そのまま続く「To Here Knows When」で雑音具合は更に強まります。囁くような甘い歌声を雑音が掻き消し、でもその雑音からメロディアスな音色も時折聴こえるという。頭で理解しようとすると不快ですが、音に身体を委ねると心地よいです。そして「When You Sleep」はノイジーなギターが目立ちますが、メロディアスで、なかなかキャッチーな1曲です。音が分厚く、ボーカルは轟音の中に埋もれています。続く「I Only Said」もメロディアスで聴きやすいです。音の隙間なくぎっしりとノイジーな音で埋め尽くされていて、でも幻想的です。気だるい雰囲気の「Come In Alone」も雑音が頭を掻き乱していきますが、でもメロディが美しい。ディストーションを効かせた轟音ギターの裏でアコギが美しい音を奏でる「Sometimes」、気だるげで幻想的な「Blown A Wish」を挟んで、少し疾走感のある「What You Want」で幻想的な世界から一瞬引き戻されます。やけに明るい雰囲気で、ですが浮遊感があってまた幻想的な世界へ連れていかれます。そしてラスト曲「Soon」もざらついたノイジーなギターが際立ちます。ドラムがやけにノリが良く、ベースもブイブイ唸っています。ダンサブルな1曲でこのアルバムを終えます。

 轟音ギターとウィスパーボイスが作り出す、浮遊感のある幻想的な世界。疲れているときに何も考えずに聴くと、ノイジーなのに美しい音の海に浸ることができます。

Loveless (Deluxe Edition 2CD) (2012 Remastered)
My Bloody Valentine
 
 
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