🇬🇧 Queen (クイーン)
スタジオ盤②
1980年 9thアルバム
映画『フラッシュ・ゴードン』のサウンドトラック。元々アメコミを映画化したものらしいです。
クイーンとラインホールド・マックの共同プロデュース。歌詞のある楽曲は基本的に「Flash’s Theme」とそのリプライズ等、そして「The Hero」のみで、それ以外はインストゥルメンタルです。前作同様にシンセサイザー前面に押し出した作品になっています。
オープニング曲は「Flash’s Theme」。ナレーションが入った後に始まる歌メロはとても有名で、そしてキャッチーです。雷鳴のようなSEも強烈ですが、挿入される会話などサントラとしての側面が強いかもしれませんね。美しいコーラスワークと、ブライアン・メイによるギターオーケストレーションが魅力的なこのテーマ曲は、本作内に何度も登場します。続く「In The Space Capsule (The Love Theme)」以降はインストゥルメンタルになります。スペイシーなサウンドに会話が挿入され想像力を掻き立てますが、映画を引き立てることに徹した楽曲のため、これだ!という1曲は少ないです。サントラってそういうものですしね。そんな中で、疾走感のある「Football Fight」は単曲として楽しめます。アルバム前半は静かなものが多く、やや退屈気味ですが、後半は畳み掛けるような激しい展開です。「Vultan’s Theme (Attack Of The Hawk Man)」から「Battle Theme」にかけて非常にアグレッシブなインストゥルメンタルが展開されます。この展開はスリリングです。続く「The Wedding March」も、ギターオーケストレーションによるファンファーレが魅力的。ラスト曲の「The Hero」は強烈なハードロックナンバー。フレディ・マーキュリーのシャウト気味のボーカルが激しい。終盤は混沌とした展開を見せた後、また何度目かの「Flash’s Theme」が表れて終了。
サントラなので繰り返し聴くほどの魅力はないものの、なんとなく映像が目に浮かぶ展開や、後半のスリリングな展開は流石です。「Flash’s Theme」はベスト盤でも聴けるので、気に入ったら本作を聴いてみても良いかもしれません。
1982年 10thアルバム
ダンスミュージックに接近した作品です。ファンからは賛否両論だったそうで、商業的にもそれほど成功しなかったようです。クイーンのセルフプロデュース。
アルバム前半はダンス色の強い楽曲が並びます。「Staying Power」で開幕。シンセベースやホーンを大胆に導入した、R&B色の強い楽曲です。続く「Dancer」もシンセベースが主導するファンキーな曲。「Back Chat」はメロディアスでキャッチーな1曲。「バッチャ バッチャ」と口ずさみたくなりますね。アルバムの中ではかなり印象に残ります。グルーヴ感のある「Body Language」を挟み、「Action This Day」では美しいコーラスワークを見せます。
アルバム後半は「Put On The Fire」で幕開け。イントロでのブライアン・メイのギターにおっ!と思わせますが、歌が始まるとロックな雰囲気はない、R&B全開の楽曲でした。「Life Is Real (Song For Lennon)」は1980年に暗殺されたジョン・レノンに捧げたバラードです。ダンスミュージックが主体の本作においては、この楽曲が逆に異色にも映りますが、これまでのクイーン節が発揮された美しい名曲です。こういう楽曲を求めていました。アコギの気持ちよい音で始まる「Calling All Girls」はノリの良い楽曲ですが、ダンス色は比較的薄く、爽やかな印象を受ける1曲です。「Las Palabras De Amor (The Words Of Love)」も爽やかさを感じる壮大なバラードです。シンセベースがキラキラしています。「Cool Cat」はレゲエ風味の楽曲。フレディ・マーキュリーのファルセットが美しく心地よい。そしてラスト曲にして本作のハイライト「Under Pressure」。デヴィッド・ボウイと共演した楽曲です。演奏はシンプルですが、高音を担当するフレディと、低音を担うデヴィッド・ボウイの絡みがとても心地良い名曲です。
前半の打ち込みディスコサウンドは、ギターオーケストレーションや力強いドラム等のクイーンらしさに欠け、正直イマイチな感じが否めません。後半はバラエティに富んでいてまあまあ聴きやすいかな。実は「Under Pressure」目当てで聴きましたが、これが本作では突出しています。
Boxセット
外装:
内容:
価格:
総合:
収録作品
評 価 | タイトル | 商品情報 |
---|---|---|
60点 | Queen (戦慄の王女) | 1973年 1stアルバム 2011年リマスター |
75点 | Queen II (クイーン II) | 1974年 2ndアルバム 2011年リマスター |
65点 | Sheer Heart Attack (シアー・ハート・アタック) | 1974年 3rdアルバム 2011年リマスター |
70点 | A Night At The Opera (オペラ座の夜) | 1975年 4thアルバム 2011年リマスター |
45点 | A Day At The Races (華麗なるレース) | 1976年 5thアルバム 2011年リマスター |
クイーン初期、『戦慄の王女』から『華麗なるレース』までを収録したBoxセットになります。各作品のレビューは重複のため、本項では割愛します。クイーンでは一番人気のある時期でしょうか。
プラケース入のCDを簡素な箱で束ねただけのもので、Boxというより単なるセット販売です。ただ、全てのアルバムがボーナスディスク付で、5作品10枚入のボリュームです。本作の最大のメリットは価格で、セット販売ならではでしょう。Amazonマーケットプレイス等を活用すれば、3作品くらいの値段で本作が買えたりするのでお買い得感があります。紙スリーブに入っただけのザ・廉価盤みたいなものと比べれば流石に値は張るものの、廉価版よりはパッケージもしっかりしています。単品を買い揃えるより安く抑えられるため、クイーン初期で3枚以上買う予定のある方は本作を検討しても良いかと思います。5,000円切っていれば買いではないでしょうか。
外装:
内容:
価格:
総合:
収録作品
評 価 | タイトル | 商品情報 |
---|---|---|
80点 | News Of The World (世界に捧ぐ) | 1977年 6thアルバム 2011年リマスター |
80点 | Jazz (ジャズ) | 1978年 7thアルバム 2011年リマスター |
60点 | The Game (ザ・ゲーム) | 1980年 8thアルバム 2011年リマスター |
30点 | Flash Gordon (フラッシュ・ゴードン) | 1980年 9thアルバム 2011年リマスター |
50点 | Hot Space (ホット・スペース) | 1982年 10thアルバム 2011年リマスター |
クイーン中期、『世界に捧ぐ』から『ホット・スペース』までを収録したBoxセットになります。各作品のレビューは重複のため、本項では割愛します。個人的に最高傑作候補である『世界に捧ぐ』と『ジャズ』が含まれているのがアツいのですが、『フラッシュ・ゴードン』と『ホット・スペース』がそこまで好みではなく、正直言うと単品買いでもよかったかなと思っています。。
プラケース入のCDを簡素な箱で束ねただけで、Boxというよりはセット販売ですね。全てのアルバムがボーナスディスク付で、5作品10枚入のボリューム。この辺の仕様はVol.1と一緒です。この時期の作品が好みであれば、まとめ買いのメリットがありますので、本作を検討しても良いかと思います。
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「Under Pressure」では共演を果たします。節操のない音楽的な雑食性は共通点かも。
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