🇯🇵 サディスティック・ミカ・バンド

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

黒船

1974年 2ndアルバム

 サディスティック・ミカ・バンドは日本のロックバンドで、英国での評判から逆輸入的に日本でも評価されるようになりました。バンド名はプラスティック・オノ・バンドをもじったものだそうです。1971年に加藤和彦(Gt/Vo)と加藤ミカ(Vo)の夫妻と、つのだ☆ひろ(Dr)、高中正義(Gt)で結成。翌年シングルデビューしますが、間もなくつのだ☆ひろが脱退し、高橋幸宏(Dr)と小原礼(B/Vo)が加入。1stアルバム後には今井裕(Key/Sax)も加わります。
 本作はサディスティック・ミカ・バンドの2ndアルバムで、幕末の黒船来航をモチーフにしたコンセプトアルバムです。ピンク・フロイドロキシー・ミュージックを手掛けたクリス・トーマスがプロデューサーに就きました。レコーディングには450時間という途方もない時間を費やしたと言われており、その完成度の高さから、日本のオリジナルロックを作り上げた最初期の名盤として高い評価を得ています。木村カエラとのコラボで話題となった「タイムマシンにおねがい」を収録。

 アルバムは「墨絵の国へ」で開幕。アンビエント風の穏やかな鍵盤で始まり、徐々に鍵盤タッチが加速。中盤からはジャジーなサウンドに乗せて古びた歌が始まりますが、ヘッドホンの左右から呟くようなコーラスがサイケな感じに揺さぶってます。ベースリフで始まる「何かが海をやってくる」は少し怪しげで、そして強いグルーヴに満ち溢れたファンキーなインストゥルメンタルです。演奏はどんどん白熱していき、ノリノリでとてもカッコ良いです。「タイムマシンにおねがい」は軽快で陽気なロックンロール。アメリカンなカラッとした雰囲気です。素人だった加藤ミカのボーカルは当時酷評されたそうですが、ヘタウマな歌はメロディの良さも相まって耳に残ります。1分足らずの「黒船 (嘉永六年六月二日)」は高橋のトリッキーなドラムで幕開け。ちなみにクリス・トーマスの指示で茶碗50個を割った音が録音されています。ハードで緊張感に満ちていますが、カッコ良いし聴きやすいです。そのまま続く「黒船 (嘉永六年六月三日)」ではファンク色を少し強め、咆哮のような歌と演奏の掛け合いを展開。なかなかスリリングです。「黒船 (嘉永六年六月四日)」になるとメロウな演奏でピンク・フロイドにも似た心地良い気だるさを演出。
 アルバム後半に入り1分に満たない小曲「よろしく どうぞ」。お祭りのような打楽器を鳴らし、「あ、そーれ!」と陽気で場違いな雰囲気。後半はサックスがメロディを奏でます。そんなお祭りムードは嘘のように「どんたく」はファンキーな演奏を展開。力強いドラムがドシンと響きます。演奏は洋楽っぽいけどバリバリの日本語詞ですね。「四季頌歌」は強烈に歪んだ重低音と浮遊感のある鍵盤が幻覚的な演奏を展開します。まったりと気だるい空気が漂いますが、中盤のキレのあるギターソロは中々聴かせますね。「塀までひとっとび」はとてもファンキーな1曲。抜群にグルーヴィなベースやリズミカルな演奏はとてもノリノリで、とてもカッコ良い。歌もキレッキレです。「颱風歌」は「たいふうか」と読みます。ハモンドオルガンが鳴り響く、明るく爽やかなロック曲です。間奏での切れ味鋭いギターがカッコ良い。ラスト曲「さようなら」はフォーク風で、一気に渋くなります。歌が終わると幻覚的でサイケな感覚が強まり、不気味な雰囲気を醸し出して終わります。

 歌ものとしては「タイムマシンにおねがい」がキャッチーですが、全体的にファンキーでスリリングな演奏は魅力に満ちています。
 サディスティック・ミカ・バンドはこのあと3rdを発表しますが、加藤和彦と加藤ミカの離婚に伴い1975年に解散しました。1989年には桐島かれんをボーカルに迎えて再結成、2006年には木村カエラを加えて再々結成しています。

黒船
サディスティック・ミカ・バンド
 
 

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 高橋幸宏(Dr)が結成したテクノポップグループ。

 
 
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