🇺🇸 Sly & The Family Stone (スライ&ザ・ファミリー・ストーン)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

There's A Riot Goin' On (暴動)

1971年 5thアルバム

 スライ&ザ・ファミリー・ストーンは米国カリフォルニア州出身のファンク・ロックバンドです。プロデューサーも兼任するマルチプレイヤー兼ボーカルのスライ・ストーンを中心に、弟のフレディ・ストーン、妹のローズ・ストーンや友人らと1966年に結成しました。スライはファンクの創始者として知られます。
 ファンクの名盤として知られる本作はスライ(Vo/Key/Gt/B/Dr)、フレディ(Gt)、ローズ(Vo/Key)のストーン家と、ラリー・グラハム(B)、シンシア・ロビンソン(Tr)、ジェリー・マルティーニ(Sax)、グレッグ・エリコ(Dr)、ボビー・ウーマック(Gt)、アイク・ターナー(Gt)、ビリー・プレストン(Key)、コーラス隊にリトル・シスターという大所帯がクレジットされています。ですが大半はスライ1人でオーバーダブを重ねて録音したのだとか。

 オープニング曲「Luv N’ Haight」はファンキーなギターが印象的。短く区切って演奏するギターやベースが、気だるくも心地良いグルーヴを生み出しています。スライとローズの歌が交互に現れてはソウルフルな歌唱を披露。蒸し暑さのような熱気が伝わります。「Just Like A Baby」はスローテンポでルースな楽曲。8分の6拍子を淡々と刻むドラムが響き渡ります。「Poet」はダブ風の無機質なドラムにエレピとスライの気だるい歌が乗ります。大した盛り上がりもなく淡々としていますが、うまくハマると中毒性を生みそうな感じがします。続いて名曲「Family Affair」。リズミカルなドラムや跳ねるようなベースによって、とにかくグルーヴが気持ち良いんです。エレピはジャジーだし、歌も落ち着いていてまったりとしているのですが、リズムビートを聴いているとじっとしていられなくなります。「Africa Talks to You ‘The Asphalt Jungle’」は9分近い楽曲。分厚いコーラスは迫力があります。様々な楽器がファンキーなグルーヴを生み出しますが、一貫性がない演奏はジャズフュージョンにも近い感じでしょうか(歌パートも少なめです)。全編通してベースが強烈な存在感を放っています。そして表題曲「There’s A Riot Goin’ On」(邦題「暴動」)は0秒の楽曲です(CDでは4秒の無音トラック)。前年に自身のライブで観客が暴動を起こすという事件を経験しており、「いかなる暴動も起こってほしくない」というスライの願いがこの0秒の存在しない演奏に込められたのだとか。
 アルバム後半は「Brave & Strong」で幕を開けます。短調なドラムにグルーヴ感抜群のベースが絡みます。ノリノリの演奏をトランペットが賑やかに演出、少しサイケデリックな一面も。他の楽曲に比べると比較的キャッチーな印象です。「(You Caught Me) Smilin’」はソウルフルなシャウトが所々で聴けます。演奏はとてもファンキーで跳ねるような感覚です。「Time」はルースな雰囲気が漂います。時折唸るような歌唱でアクセントをつけるものの、全体的には抑揚も少なく気だるい印象。「Spaced Cowboy」はブリブリ唸るベースがとても強烈。そこにファルセット気味の陽気な歌が乗ります。牧歌的な楽曲をファンクのリズムセクションでグルーヴィに仕立てたような印象です。「Runnin’ Away」は出だしから歌で始まる、明るくポップな楽曲です。キャッチーでほのぼのとしています。そして「Thank You For Talkin’ To Me Africa」では、スラップ奏法の創始者とも言われるラリーのベースがとにかく強烈。スローテンポで7分超続くのでやや冗長ですが、グルーヴ感は凄まじいです。

 グルーヴを楽しむ楽曲が並ぶので、うまくハマると気持ち良いのですが、全体的にメロディが弱いので退屈に感じる場面もあります。

There’s A Riot Goin’ On
Sly & The Family Stone
 
 
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