🇺🇸 Steely Dan (スティーリー・ダン)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

Aja (彩(エイジャ))

1977年 6thアルバム

 スティーリー・ダンは米国ニューヨーク出身のジャズロックバンドで、ドナルド・フェイゲン(Vo/Key)とウォルター・ベッカー(Gt/B)の二人組。1972年に結成しました。
 スティーリー・ダンは有名な本作『彩(エイジャ)』しか知らないのですが、本作はAORにも位置づけられる作品です。ゲイリー・カッツのプロデュース作。数多くのスタジオミュージシャンを招き、その中から納得のいく音だけを選び抜いて作られた作品だそうで、参加したミュージシャンは数十人にものぼります。贅沢ですね。洗練された本作はグラミー賞の最優秀録音賞を獲得し、批評家からも非常に高い評価を得ています。
 ジャケットアートは遠巻きに見ると、黒い背景に「j」の字のような模様が浮かび上がっていますが、手に取って近くでみると女性の後ろ姿の写真だとわかります。写っているのは日本人モデルの山口小夜子。

 本作は「Black Cow」で開幕。ジャジーでメロウなサウンドに乗るのはR&B風の歌。終盤のサックスも渋い!洒落ていて大人びた雰囲気の楽曲です。続いて8分に渡る表題曲「Aja」。カフェで流れていそうな、まったりとした雰囲気。「エ~イジャ~」という歌メロも耳に残りますね。しかし本作の聴きどころは演奏で、特にフュージョン・ドラマーのスティーヴ・ガッドのドラムが素晴らしい。ジャズ風の大人びた音を出していたかと思えば、間奏終盤ではスリリングなドラム捌きで魅せてくれます。「Deacon Blues」は7分半の楽曲。R&B風の、歌メロを重視したキャッチーでメロディアスな1曲で、サックスやギターが歌を彩ります。
 アルバム後半は「Peg」で幕開け。とてもポップなメロディが特徴的で、控え目ながらもホーンセクションが陽気な雰囲気を助長します。また、ファンキーなリズム隊も気持ちの良いノリを作り出します。本作は気に入ったギターソロを録りたいという理由で何名ものミュージシャンに弾かせて、最終的にジェイ・グレイドンのギターソロが採用されたのだとか…。続く「Home At Last」はメロウな楽曲。バーナード・パーディの叩くジャジーなドラムに聴き惚れます。「I Got The News」はエド・グリーンの疾走感のあるドラムと、チャック・レイニーのファンキーなベースによるリズム隊が爽快。ピアノも良い味を出しています。ラスト曲「Josie」はギターが前面に出てきている印象です。とてもファンキーでノリの良い1曲です。

 聴いていて「オシャレ」という印象を強く抱きます。特に前半はまったりしています。後半はテンポアップしてファンキーな楽曲も増えますが、聴き心地の良さは変わりません。
 BGMとして流しているだけでもまったりできますし、数十名のミュージシャンの奏でた音から選りすぐりをチョイスして組み立てられた完璧なサウンドをじっくり聴いても良いでしょう。

Aja
Steely Dan
 
 
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