🇬🇧 U.K.

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スタジオ盤

U.K. (憂国の四士)

1978年 1stアルバム

 U.K.は元キング・クリムゾンのジョン・ウェットン(Vo/B)、ビル・ブラッフォード(Dr)と、元ロキシー・ミュージックのエディ・ジョブソン(Key/Vn)、数多くのプログレバンドを渡り歩いたアラン・ホールズワース(Gt)の4人で結成したスーパーグループです。1676年にウェットンとブラッフォードが、元イエスのリック・ウェイクマンとバンドを組もうと画策するも断念。その後ジョブソンを誘い、そしてホールズワースにも声をかけて1977年に結成するに至ります。当時の英国はパンクムーブメントの嵐が吹き荒れており、往年のプログレバンドが苦戦する中で最後の大物としてデビューを果たします。テクニックを全面に押し出した作風で、時代の逆風を受けて本国や米国ではヒットしませんでしたが、日本や欧州では人気を獲得しました。

 オープニングから3曲は組曲のように繋がっています。まずは「In The Dead Of Night」で、これが本作のハイライト。複雑な変拍子を演奏しますがリズミカルで意外に爽快な印象。そしてメロディラインがキャッチーで耳に残るんですよね。ジョブソンの煌びやかなシンセと歌心のあるウェットンの歌が、キャッチーさを作り出している感じがします。ラストはピコピコサウンドでそのまま「By The Light Of Day」に繋げます。歌メロは前曲をゆったりさせた感じで、「動」の前曲と「静」の本楽曲、そしてタイトルも含めて対照的な2曲ですね。シンセが浮遊感を演出しますが、手数の多いドラムはジャジーな雰囲気です。ブラッフォードのドラムが前面に出てくると「Presto Vivace And Reprise」へ。細かく刻む鍵盤やトリッキーなドラムなど、テクニックを全面に押し出したスリリングな楽曲です。そして途中から「In The Dead Of Night」のメロディが戻ってきて、組曲をうまく纏め上げています。「Thirty Years」では、ひんやりとした雰囲気のシンセにアコギの音色がしんみりとさせます。静かでダークな雰囲気ですが、シンセが前面に出てくると場面転換の合図。そこからは変拍子の嵐で複雑なリズムを刻みます。難解ですがシンセだけはキャッチーさを残しています。
 アルバム後半はインストゥルメンタル「Alaska」で幕開け。前半はジョブソンのシンセがダークでスペイシーな感覚を作りますが、後半は非常に緊迫したスリリングな演奏バトルを展開。キラキラしたシーケンサーも虚しく、ゾクゾクするほどの緊張感。そのまま「Time To Kill」に繋ぐとウェットンの歌が始まります。怒気を含んだ歌は緊張を解いてはくれません。そして後半はフュージョンのような演奏バトルを展開、これもまたスリリングなんです。8分に渡る本作最長の「Nevermore」はホールズワースのアコギソロで幕開け。メロディアスな歌が始まると、バックでは静かながらも複雑な演奏を展開。そして中盤ではギターとキーボードによるインタープレイの応酬がスリリングです。全体的にはひんやりと冷たい空気が漂いつつも、演奏バトルはピリピリとしています。ラストの「Mental Medication」はアコースティックで叙情的な歌で幕を開けます。しかしそれも束の間、変拍子を駆使した複雑な楽曲へと変貌。テクニックをひけらかすかのようにリズムチェンジの嵐で、難解ですがスリリングです。

 テクニカルでクールな雰囲気。個人的にはキャッチーさのある「In The Dead Of Nightから「Presto Vivace And Reprise」までの組曲が好きで、この組曲目当てでたまに手を伸ばします。

 音楽性の不一致から1978年のうちにホールズワースは解雇、ブラッフォードは脱退してしまいます。翌年にテリー・ボジオ(Dr)を加えて2ndアルバム『デンジャー・マネー』をリリースするも、ウェットンとジョブソンの不和から1980年に解散。ウェットンはエイジアで活躍することになります。ちなみに2011年に再結成を果たしていたみたいです。

U.K. (憂国の四士)+2
U.K.
 
 

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 ジョン・ウェットン(Vo/B)とビル・ブラッフォード(Dr)の古巣。

 
 U.K.解散後にジョン・ウェットン(Vo/B)が結成したスーパーグループ。
 
 
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