🇺🇸 Van Halen (ヴァン・ヘイレン)

レビュー作品数: 2
  

スタジオ盤

Van Halen (炎の導火線)

1978年 1stアルバム

 ヴァン・ヘイレンは米国のハードロックバンドです。弟エディ・ヴァン・ヘイレン(またはエドワード・ヴァン・ヘイレン)(Gt)と兄アレックス・ヴァン・ヘイレン(Dr)によるヴァン・ヘイレン兄弟を中心に1972年に結成しました。1978年にデイヴィッド・リー・ロス(Vo)、マイケル・アンソニー(B)が加入して、シングル「You Really Got Me」でデビューします。
 プロデューサーとなるテッド・テンプルマンが、クラブで演奏していたヴァン・ヘイレンを見いだし、突如契約を迫ってバンド側もそのまま契約。そしてデビューにこぎつけたそうです。そのテッド・テンプルマンは6thアルバム『1984』までプロデューサーを務めました。
 ヴァン・ヘイレンと言えばエディが「ライトハンド奏法(またはタッピング奏法)」を広めたことが非常に有名ですが、このライトハンド奏法はエディのオリジナルではなく、それ以前にもジェネシスのスティーヴ・ハケットやクイーンのブライアン・メイ等も用いています。元祖はZZ TOPのビリー・ギボンズと言われているそうです。

 オープニング曲は「Runnin’ With The Devil」。強烈なベースを軸に、静かな空間にギターの音色が広がります。むさ苦しいデイヴィッドのボーカルを支えるコーラスワークも印象的。続くインストゥルメンタル「Eruption」が強烈。エディのギターが冴えに冴える1曲で、超絶テクを披露します。2分にも満たないのですが、あまりのインパクトに、世にライトハンド奏法を広めるキッカケになりました。「You Really Got Me」はキンクスのカバー曲で、ヴァン・ヘイレンのデビューシングル。イントロのギターリフから惹き込まれますが、負けじとベースも強烈なんですよね。歌メロが妙に耳に残ります。「Ain’t Talkin’ ‘bout Love」は、ギターに1980年代のヘヴィメタル時代を先取りしたかのような感じがします。キャッチーさがそう思わせるのか。何気にドラムが良い味を出しています。続いてノリノリのロックンロール「I’m The One」でご機嫌に疾走。ベースとドラムのリズム隊のコンビネーションが非常にスリリングです。
 レコードでいうB面、アルバム後半は「Jamie’s Cryin’」で幕開け。メロディアスですが、タイトルほど哀愁を感じなかったり。「Atomic Punk」はイントロのギターが強烈。ベースもバキバキ唸っています。爽やかな「Feel Your Love Tonight」、渋さのある「Little Dreamer」を挟んで、「Ice Cream Man」ではアコースティックギターに持ち替えてロックンロールを控えめに歌います。途中からエレキギターに変わってノリノリに。旧く良きロックンロールって感じで好きです。ラストの「On Fire」はパワフルな疾走曲。シャウト全開のデイヴィッドにディープ・パープルのイアン・ギランを感じます。このむさ苦しい感じ。笑

 米国を中心に、世界で1000万枚以上を売り上げました。湿っぽさの欠片もない、カラッとして脳天気なハードロック。晴れた日のドライブに向いているかもしれませんね。

Van Halen (2015 Remastered)
Van Halen
 

1984

1984年 6thアルバム

 「お馬鹿で陽気なアメリカ人」を体現したかのような底抜けにご機嫌で、またバラエティに富んだ1作です。ヴァン・ヘイレンの最大のヒット作で、ビルボードチャートでも最高2位を獲得しました。しかしマイケル・ジャクソンの『スリラー』が長期間1位に居座り続けたために、遂に1位を獲得できませんでした。ジャーニーの『フロンティアーズ』もそうですが、『スリラー』に1位を阻まれた不運な名盤として知られます。

 シンセサイザーを導入した本作は、1stから続くテッド・テンプルマンのプロデュース。
 1分のスペイシーなインストゥルメンタル「1984」で始まり、そのまま名曲「Jump」が始まります。イントロからあまりに有名なシンセサイザーの音色は、どこかで聴いたことがあるのではないでしょうか。このシンセサイザーはエディ・ヴァン・ヘイレンが弾いています。ポップなシンセサイザーとは対照的に、デイヴィッド・リー・ロスのボーカルは力強い。続く「Panama」はアレックス・ヴァン・ヘイレンのパワフルなドラムと、エディのキャッチーなギターが魅力的。陽気な歌メロもキャッチーで耳に残ります。「Jump」にも匹敵する名曲です。ドライブ感のある疾走曲「Top Jimmy」で更に加速した後、「Drop Dead Legs」で一旦テンポダウン。演奏重視の1曲で、力強いドラムが印象的です。
 アルバム後半はインパクト大の名曲「Hot For Teacher」で開幕。疾走曲で、イントロのドラムソロからご機嫌な速弾きギターと続き、パワフルな演奏に圧倒されます。凄まじいテンションの演奏ですが、それを茶化すかのようなデイヴィッドのボーカルはどこかおふざけ感があって、PVもお馬鹿な感じで笑えます。「I’ll Wait」ではシンセサイザー全開。ジャーニーをはじめとした産業ロック勢に通じるものがあります。続く「Girl Gone Bad」は凄まじい緊張感を放つ楽曲です。歌が入ると多少緊張感を和らげますが、もはや殺気とも言えるくらい演奏のテンションは凄まじく、本作で最もスリリングな1曲です。ラストは「House Of Pain」。脳天気さは消え、少しダークな雰囲気も垣間見えるヘヴィな1曲です。中盤は展開が変わり疾走。少し変な構成ですね。

 名曲揃いで、ヴァン・ヘイレンの入門盤にピッタリの1枚です。ハードロック初心者にも聴きやすい1枚。全体的に脳天気で陽気な作風ですが、但しむさ苦しくもあります。
 なお本作を最後にデイヴィッド・リー・ロスは脱退。またプロデューサーのテッド・テンプルマンも交代することになります。

1984 (2015 Remastered)
Van Halen
 
 
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