🇬🇧 The Slits (ザ・スリッツ)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

Cut (カット)

1979年 1stアルバム

 スリッツはアリ・アップ(Vo)とパルモリヴ(Dr)が出会って結成した、メンバー全員女性のガールズバンドです。ロンドンで結成し、当初はパンクバンドとして活動していました。
 パルモリヴは、クラッシュのジョー・ストラマーと交際していたそうです。そのクラッシュの影響もあってか、パンクからレゲエへのアプローチがなされています。またアリ・アップの母親は、後にセックス・ピストルズのジョニー・ロットンと再婚。パンクの人脈が強いですね。そしてメンバーにはヴィヴ・アルバータイン(Gt)とテッサ・ポリット(B)が加わりますが、デビュー前にパルモリヴがレインコーツ結成のため脱退。そんなスリッツもレインコーツも、パンクという音楽に女性が進出する契機を与えたバンドとして名高いです。
 本作はアリ、ヴィヴ、テッサによる泥まみれのヌードジャケットが強烈。楽曲よりもインパクトがあるのはこのジャケットですね。笑 楽曲の方はレゲエに影響を受けた独特な楽曲が並びます。プロデューサーにはデニス・ボーヴェルを迎えています。

 「So Tough」はメロディアスな訳ではないのにメロディが耳に残ります。また、2分に満たないアップテンポナンバー「Shoplifting」が強烈。歌なんてあってないような感じですが、猫の叫び声のような甲高いボーカルが強烈なインパクトを与えていきます。レゲエ色の特に強い「Newtown」や疾走感が気持ち良い「Love Und Romance」等が続き、シングルヒットした「Typical Girls」。ゆったりとしたレゲエパートと、ピアノが加わる疾走パートが交差し、怪しさのあるギター。変な楽曲ですが妙に耳に残ります。ベースのグルーヴ感が爽快な「I Heard It Through The Grapevine」もなかなか良いですが、こちらはボーナストラックだったようで…。

 歌も上手くはないし、そこまで特筆すべき楽曲もない…とは思っているのですが、不思議とまた聴きたくなる中毒性があります。このレゲエのリズム感が気持ち良いからでしょうか。

Cut
The Slits
 
 
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