Alternative Rock/Indie Rock

オルタナティヴロック/インディーロック

オルタナティヴロック/インディーロックってどんな音楽?

 「オルタナティヴロック (通称オルタナ)」も「インディーロック」も、反主流で非商業的、流行からかけ離れた独自の音楽を指すジャンルです。カテゴライズの非常に難しいジャンルで、一定の音楽性を指す語でもなく、オルタナティヴロック/インディーロックという広いカテゴリーの中で更に細かいジャンルに細分化されています。元々ポストパンク/ニューウェイヴも雑多なジャンルを纏めて指した言葉でしたが、ポストパンク/ニューウェイヴに取って代わりオルタナティヴロックという言葉が1980年代半ば頃から使われ始めました。最近ではインディーロックという呼び名が主流になっています。インディーロックではロックの他ジャンルよりも女性の活躍が多く見られるのも特徴的です。
 いくつか調べてみたものの人によって定義がまちまちで、これだけでも記事が書けそうです。笑 ざっくり分けると、オルタナティヴロックは1980年代半ば〜90年代初頭にかけて反主流で、1990年代〜2000年代初頭までメインストリームを占めたロック、及びそれらの影響が色濃い後発バンドを指すジャンル。インディーロックは1990年代半ばから2000年代初頭にかけて反主流で、2000年代前半から2010年代初頭に至るまで流行しているロックを指すジャンル…という区分でしょうか。2010年代半ば以降はそもそもロック全般がメインストリームでは無くなってきています。
 なおオルタナ/インディーロックに影響を受けた日本のロックバンドを「ロキノン系」や「邦楽ロック」とも呼びます。ロキノン系は音楽雑誌『ROCKIN’ON』、『ROCKIN’ON JAPAN』が扱うようなアーティストを指す言葉で、1990年代後半〜2000年代頃のオルタナ的アプローチを行うアーティスト、またはそのシーンのメインリスナーからの呼称(蔑称と捉える人もいる)。邦楽ロックは2010年代以降のロックバンド、またはそのシーンのメインリスナーから見た、ロキノン系を含むオルタナ的なバンド全般に対する呼称…といったところです。
 

オルタナティヴロック/インディーロック入門盤5選

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オルタナティヴロック/インディーロックのアーティスト一覧

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オルタナティヴロックの歴史

 1980年代のメジャーシーンはポップスやヘヴィメタルが占めていた一方で、アングラな世界ではパンクロックやポストパンク/ニューウェイヴを更に深化させ、ジャンルもどんどん細分化していきます。そんな中、米国ではR.E.M.U2らがカレッジラジオと呼ばれるFMで大流行(当初はカレッジロックとも呼ばれた)。そんなポストパンクを発展させたバンドを「オルタナティヴロック」と表現するようになります。一方英国マンチェスターでは、スミスニュー・オーダーストーン・ローゼズらインディーズレーベルで活躍するバンド群を「Indie / Indie Pop」(Indieは独立系レーベルで活動するバンドの意味。音楽性としてはギターポップ等)と呼び、彼らをルーツにした反商業的なロックをカテゴライズする語としてインディーロックが使われるようになります。ルーツに違いはありますが、反商業的音楽を指す言葉としてオルタナもインディーロックも違いはありませんでした。
 そして1990年代に突入すると、東西冷戦終結やソ連崩壊などの劇的な社会変化に「1980年代のポップやヘヴィメタルといった華やかな音楽は非現実的で虚栄だったのでは?」という疑問が若者たちの間で広がっていきます。そんな中、グランジと呼ばれるノイジーな音楽を奏でて1980年代の音楽を否定したニルヴァーナが台頭し、1990年代初頭には彼らが大ヒットすることに。更にニルヴァーナの大成功を契機として、数多くのグランジやその他のアングラな音楽が一挙にメジャーシーンに溢れてヒットチャートを席巻するようになります。これまでメジャーだったヘヴィメタル等が衰退する逆転現象が起きますが、これがロック史に残る大事件とも言われています。英国では1970年代後半にパンクロックがハードロック/プログレッシヴロックを駆逐しましたが、米国においては90年代初頭にグランジがハードロック/ヘヴィメタルを駆逐するのでした。そしてグランジをはじめとした数多くのオルタナがメジャーシーンに溢れ返ります(ちなみに英国のパンク旋風を象徴する作品は『Never Mind The Bollocks, Here’s The Sex Pistols』、米国でグランジ旋風を巻き起こした作品は『Nevermind』。この「Never Mind」というタイトルにはロック史を動かす力でもあるのでしょうか。笑)。
 さて、ニルヴァーナ以降は主流と反主流の境界線がなくなってしまい、本当の意味でのオルタナティヴロックの定義が曖昧になってしまうことになります。一度売れてしまったら、その作風で続けることはオルタナティヴ(反主流で非商業的)な姿勢ではないのではないか…と。そういった考えのもと、売れたあとの次の作品をあえて前作と異なる作風にすることでオルタナティヴな姿勢を貫くバンドもいます。なおオルタナが主流化してしまった1990年代において、その当時におけるアングラなロックを指す言葉として、オルタナではなくインディーロックが使われるようになったようです。そのインディーロックも、インターネットの発展によって垣根が無くなり、2000年代以降の主流となっていきます。なおインディーロックでは、ロックの他ジャンルよりも女性が活躍しているとも言われています。
 本サイトでは、一部は他ジャンルにも振り分けていますが、基本的には1990年代以降のロックミュージックをオルタナティヴロック/インディーロックに位置づけるという定義づけにします。