プログレッシヴロック
プログレッシヴロックってどんな音楽?
プログレッシヴロックとは「前衛的なロック」の意味で、通称「プログレ」。
1960年代後半に流行ったサイケデリックロックを更にヘヴィにしたものがハードロックですが、プログレッシヴロックはサイケデリックロックの浮遊感や混沌とした感じを更に強めた音楽と言えばよいでしょうか。クラシックやジャズ等の要素を取り入れながら、変拍子などの複雑で技術力を要する難解な楽曲や長尺の楽曲が比較的多いのが特徴です。他のロックと比べるとインストゥルメンタルの比率も多く、歌なしの演奏だけの作品も見られます。
プログレッシヴロック入門盤5選
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プログレッシヴロックのアーティスト一覧
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プログレッシヴロックの歴史
ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』が国内外に多大な影響を与え、コンセプトアルバムという考え方や、クラシックとロックを融合させるというビートルズの試みをさらに推進したバンドが数多く登場します。そんな中、キング・クリムゾンがプログレッシヴロック黎明期に大きなインパクトをもって登場し、エマーソン、レイク&パーマー(ELP)やイエスといったバンドもデビューして続々と名盤をリリース。1970年代前半には英国においてプログレの最盛期を迎えました。特にピンク・フロイド、キング・クリムゾン、イエス、ELP、ジェネシスは「プログレ5大バンド」とも呼ばれています。
プログレッシヴロックは他国にも伝搬し、米国ではハードロックの要素を掛け合わせたプログレ・ハードが流行します。中でもカナダのラッシュは、世界中のプログレフリークから絶大な人気を誇るバンドです。また欧州各国にも広がりますが、ドイツで実験的な電子音楽を奏でていたプログレグループ(クラウトロック勢)は、後のニューウェイヴ・ムーブメントにも大きな影響を与えます。
そんなプログレッシヴロックは1970年代後半になると衰退の一途をたどります。英国ではオイルショックによる不景気の中、機材も高額で高度なテクニックも必要、奏でる音楽も浮世離れしたプログレッシヴロック勢に対する反発も強まります。そしてパンクロックの大流行によって、プログレッシヴロックバンドは解散またはポップ化を余儀なくされてほぼ死滅しました。米国においても、音楽産業を盛り上げたい業界の意思によって多くのバンドがポップ化することとなり、純粋なプログレッシヴロックバンドはほぼ消滅しました。
ただし英国では1980年代前半のニューウェイヴの流れに乗ってネオ・プログレッシヴロックとして再興、また米国ではラッシュに影響を受けて更にヘヴィな音楽を奏でるプログレッシヴメタルバンド、ドリーム・シアターらがデビュー。現在においても細々としてはいるものの、一部ファンに支えられて保っています。