Rock

ロック

ロックってどんな音楽?

 ロックとは何か。一般的には、エレキギターにエレキベース、ドラム、そして時にはキーボードを加えた構成で演奏される音楽に歌を乗せた楽曲をロックと呼びます。
 さて本サイトでは「ロック」をはじめ「ハードロック/ヘヴィメタル」、「プログレッシヴロック」、「パンクロック/ガレージロック」、「ポストパンク/ニューウェイヴ」、「オルタナティヴロック/インディーロック」の6ジャンルでロックを紹介しますが、これらはいずれもロックの派生形です。ロックは60年以上の歴史を持ちますが、この「ロック」カテゴリではいわゆるロックの古典、ロック黎明期から1970年代くらいまでのクラシックロックを中心に紹介します。
 

ロック入門盤5選

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ロックのアーティスト一覧

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ロックの歴史

 1950年代に米国で起こったロックンロールに影響を受け、1960年代の英国や米国において「ロック」は形作られました。英国においては1960年代前半にビートルズローリング・ストーンズらが人気を博し、米国に伝搬して大きな影響を与えました(「ブリティッシュ・インヴェイジョン」と呼びます)。英国に押され気味だった米国では、反戦運動や公民権運動と結び付けて、ボブ・ディランを中心にフォークロックが流行。米国の社会運動と結びついたロックに影響されて、英国のロックも更に洗練されていきます。
 1960年代後半には、米国においてベトナム戦争への反対から、愛と平和を訴えて既成の価値観を否定するヒッピームーブメントが流行。このヒッピーがLSD等の薬物による精神的解放をよしとし、このLSDの幻覚を音楽で表現した「サイケデリックロック」が流行することとなります。1969年に米国で行われたウッドストック・フェスティバルはヒッピー文化の集大成で、40万人が来場した事実上無料の一大野外フェスでしたが、資本家や業界は多大な金が動くことに目をつけ、次年度に行われたワイト島フェスでは入場料を徴収。更にサイケデリックロックで人気を博したジミ・ヘンドリックスジャニス・ジョプリン等のカリスマが相次いで薬物の過剰摂取で亡くなったため、「反体制・反商業」の象徴としてのロックは終わりを告げたのでした。
 1970年代に入ると、英国を中心にサイケデリックロックを発展させた「ハードロック」や「プログレッシヴロック」が流行し、また化粧をして中性的な容姿で歌う「グラムロック」も人気を博しました。米国においてはベトナム戦争が敗戦で終結し、反戦の象徴だったロックから政治性が消え、「普通の音楽」としてロックが奏でられるようになりました。大量消費時代も相まってロック作品が売れに売れ、数多くの名盤が排出された時代でもあります。
 1970年代後半の英国においては、不況も相まって肥大化したロックへの不満を爆発させた「パンクロック」が大流行し、続く「ポストパンク/ニューウェイヴ」によって既存のロックの解体・再構築が行われます。米国においては1981年からMTVと呼ばれるミュージックビデオを流す番組が始まり、ロックの商業化が進みます。ポップスも大ヒットした時代ですが、ロックにおいてはハードロックを更に激しくした「ヘヴィメタル」が登場。1980年代はニューウェイヴやヘヴィメタルが人気を博していた時代でした。
 一方でアングラなシーンではロックの細分化が進み、1980年代半ば頃には既存の音楽にとらわれないその他ジャンルを「オルタナティヴロック」と括られるようになりますが、1990年代になると米国ではグランジをはじめとしたオルタナティヴロック勢が一斉に表舞台に立ちます。対する英国では、旧き良きロックに立ち返った「ブリットポップ」が大流行しました。本来反主流を指すオルタナティヴロックが主流化したことから、更にアングラな音楽は「インディーロック」と括られますが、そのインディーロックも2000年代以降の主流となっていきます。ロックは1990年代終盤からヒップホップ勢に押されながらも、2000年代初頭に「ガレージロック・リバイバル」、続く「ポストパンク・リバイバル」等のリバイバルムーブメントを経て持ち直します。
 ロックは非常に細分化され、また発信/受信するメディアも多様化したことから、特定の音楽ジャンルでムーブメントが起こることが難しくなってきました。2000年代はかろうじて勢いを保っていたものの、2010年代以降はヒップホップやEDM等の後塵を拝し、生き残りをかけてそれら他ジャンルとの融合が進みました。細々長らえているロックは、果たして今後どのような道を辿るのでしょうか。