オルタナティヴロック/インディーロック入門盤5選
洋楽の入門向きということで、日本人好みのメロディでCM等でもしばしば流れるオアシスをピックアップしました。
英国の国民的ロックバンド、オアシス。彼らの奏でる音楽はブリットポップと呼ばれ、伝統的な英国ロックの良さをうまく取り入れています。メディアによってブリットポップの代表格だったオアシスとブラーの対決が煽られるなど、ブリットポップは1990年代半ば頃に英国内で狂騒的なムーブメントとなっていました。
ビートルズ大好きなギャラガー兄弟が中心となっています。兄ノエル・ギャラガーによって作曲されたその音楽はビートルズをうっすらと感じさせる部分もあれば、弟リアム・ギャラガーの、ストーン・ローゼズあたりに影響を受けたであろう歌い方であったり、そのサウンドからは過去のロックバンドから色々と吸収してきたことを感じます。
オアシスはベスト盤も出ていますが、正直ベスト盤を聴くよりも本作を聴く方がよっぽど取っつきやすいと思いますので、本作をお勧めします。英国内では歴代5位の売上枚数を誇り、「Wonderwall」や「Don’t Look Back In Anger」等の名曲を携えた大名盤です。
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2000年代(2010年代も?)で最も成功したロックバンドは間違いなくコールドプレイでしょう。最初期はレディオヘッドのようなギターロックに始まり、最近は2010年代前半の世界的ブームになったEDM(エレクトロ・ダンス・ミュージック)=クラブミュージックの要素をうまく取り入れた作品をリリースし、U2の後釜的なポジションを得ているようにも思います。
本作はそんなコールドプレイの出世作となった作品で、ロック界の名プロデューサー、ブライアン・イーノが手がけました。この人の手にかかるとデヴィッド・ボウイもトーキング・ヘッズもU2も、漏れなく名盤が出来上がっています。本作ではオーケストラを取り入れたキャッチーなサウンドが展開されますが、表題曲「Viva La Vida」や「Violet Hill」はTV等でもよくかかっていました。
かなり聴きやすい作品で、洋楽の入門にも向いているかと思います。現在進行形のロックの最先端を追うのであれば、ぜひとも押さえておきたいバンドです。
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ニルヴァーナの音楽を聴いたことがない人も、アルバムジャケットはCDショップ等で見かけたこともあるのではないでしょうか。
オルタナティヴロックを世界的に知らしめることになった本作。ロック史上トップクラスに有名な作品ですが、その理由は米国シアトルのアンダーグラウンドなローカルバンドだったニルヴァーナが、本作の爆発的なヒットによってロック界にクーデターを引き起こしたからに他なりません。
本作のヒットをきっかけに、ニルヴァーナに続けとばかりにアングラで活躍するバンドが続々とメジャーデビュー。ニルヴァーナもカテゴライズされる「グランジ」と呼ばれるジャンルのバンドや、雑多な反主流音楽ジャンルの総称である「オルタナティヴロック」バンドが一挙に表舞台にのしあがり、これまでメジャーで活躍していたハードロック・ヘヴィメタルバンドが衰退するという主流・反主流の逆転現象を起こしました。フロントマンであるカリスマ、カート・コバーンの自殺によって、更に伝説化した感もあります。
歴史的な一面で語ってしまいましたが、先入観なしに聴いたら、ラウドで、暗い雰囲気で奏でられるハードロックといった印象の作品です。でもノイジーなサウンドの裏に、優れたメロディを見出すことのできる名盤です。
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日本ではレッチリの愛称で親しまれる、米国のオルタナティヴロックバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ。彼らはファンクやラップとハードロックを組み合わせ、ミクスチャーロックの先駆者として知られています。ちなみにミクスチャーロックは和製英語で、海外ではラップロックだとかファンクロックとして彼らを位置付けているようです。ヒップホップ全盛期である1990年代~2000年代初頭に、そのヒップホップの要素をロックに取り入れて大成功しました。
レッチリは、チ○コソックスのジャケットが衝撃的な『アビイ・ロード E.P.』を披露したり、初期はお馬鹿バンドとしてかなり破天荒な振る舞いをしていました。しかしヘロイン中毒によってメンバーが亡くなったり脱退劇があったりと、波乱万丈だったようです。
個人的な最高傑作はお馬鹿バンド時代の『母乳』なのですが、普通に聴きやすい『カリフォルニケイション』を入門盤として挙げさせて頂きました。本作はレッチリの最大のヒット作で、看板ギタリストであるジョン・フルシアンテの復帰作として知られています。部分的にラップミュージックは健在ですが、かなりメロディアスな作りとなっていて聴きやすい作風となっています。
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ポストロックの代表格、レディオヘッド。
代表作に挙げられる『OKコンピューター』とも悩んだのですが、もう一つの代表作、ポストロックの金字塔『キッドA』を選びました。『OKコンピューター』の方が名盤だと思いますが、長らくこの良さがわかりませんでした。逆に『キッドA』は振り切っていて人を選ぶ作品ではあるものの、初聴きの衝撃度は高く、この作品を挟んだことで前者の良さもわかってきたという体験もあって『キッドA』を推します。ちなみに私は逆パターンでしたが、順当に『OKコンピューター』でハマって『キッドA』での変貌に失望した人は、そのままコールドプレイへ流れていったようです。
ゲームオーバーのBGMのようなオープニング曲に始まり、SEやノイズを駆使し、感情を失ったかのような無機質な音作りによって、不思議な空間を演出しています。一聴すると人を思いきり突き放すようなぶっ飛んだ本作ですが、よく聴き込むと無機質と思っていた楽曲にも感情が見えてきます。聴けば聴くほど、妙な中毒性と安心感を覚える不思議な作品でもあります。
なお、ダウンロード配信で、聴き手に値段を決めさせるという配信方法で話題になった『イン・レインボウズ』等、オルタナティヴな姿勢を貫いて今なお第一線で活躍するバンドです。
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オルタナティヴロック/インディーロック開拓のすすめ
オルタナティヴロック/インディーロックのアーティスト一覧はこちらに纏めています。