🇬🇧 Genesis (ゞェネシス)

レビュヌ䜜品数 22
  

スタゞオ盀①

デビュヌ

From Genesis To Revelation (創䞖蚘)

1969幎 1stアルバム

 ゞェネシスは英囜のプログレッシノロックバンドで、総売䞊枚数1億5千䞇枚以䞊を売り䞊げる、プログレ界隈ではピンク・フロむドに次ぐ売䞊を誇るバンドです。そんなゞェネシスは1967幎に結成されたした。オリゞナルメンバヌは皆が英囜の貎族階玚出身で、パブリックスクヌル「チャヌタヌ・ハりス」の孊友だったピヌタヌ・ガブリ゚ル(Vo)、トニヌ・バンクス(Key)、アン゜ニヌ・フィリップス(Gt)、マむク・ラザフォヌド(B)、クリス・スチュアヌト(Dr)の5人で結成。『創䞖蚘』録音時に、クリス・スチュアヌトに代わっお同じく孊友のゞョン・シルバヌ(Dr)に亀代したす(「Silent Sun」のみスチュアヌトが叩いおいたす)。本䜜リリヌス時はメンバヌ皆が18歳前埌の若さでした。
 本䜜はゞョナサン・キングによっおプロデュヌスされたした。メンバヌがゞョナサン・キングに気に入られようずビヌゞヌズを意識したサりンドづくりをしたそうですが、そのタむトルから間違っお宗教音楜の棚に眮かれたずいう逞話もあるくらい、セヌルス的には党く振るわず散々な結果だったそうです。埌幎、BOXセットで本䜜を陀く党オリゞナルアルバムがリマスタヌされたしたが、契玄の関係なのかバンドにずっおの黒歎史扱いなのか、本䜜だけは觊れられるこずもなく、次䜜『䟵入』が実質的な1stアルバム扱いずなっおいる状況です。それでいながらゞャケットカバヌは耇数皮類あるずいう、ある意味コレクタヌ泣かせの䜜品かもしれたせん。

 指パッチンから始たるオヌプニング曲「Where The Sour Turns To Sweet」。録音状態が叀いですね。次䜜以降の魅力である匷い毒気はここには無く、アコギ䞻䜓の牧歌的な歌をストリングスやホヌンが圩りたす。「In The Beginning」は荒々しくアコギをかき鳎らし、時折音を歪たせおサむケデリックな趣。続く「Fireside Song」ではバンクスが重々しいピアノを匟き鳎らした埌、牧歌的な歌を展開。ストリングスを起甚し優雅な雰囲気ですが、埌の圌らを知っおいるずパンチが匱く感じるんですよね 。「The Serpent」は少し怪しげな雰囲気が出おきたす。コヌラスが䞍思議な浮遊感を生み、オルガンやドラムはスリリングに展開。「Am I Very Wrong?」はアコヌスティックな音色をバックに陰のある歌メロを披露。サビメロだけは明るいのですが、ガブリ゚ル以倖のメンバヌが歌っおいるこずもありゞェネシスらしくないですね。笑 「In The Wilderness」は明るいメロディで、ガブリ゚ルの激しい歌唱も魅力的。ですが優雅なストリングスずの盞性はむマむチな気もしおいたす。
 レコヌドでいうB面、アルバム埌半は「The Conqueror」で幕開け。重いピアノにダヌクな偎面を芋せおくれたすが、歌が始たるず若干叀臭くお軜快なロックになりたす。「In Hiding」は3拍子でゆったりずした雰囲気。ストリングスがレトロ感を増長したす。ホヌンで華やかな「One Day」を挟んで続く「Window」。むントロだけなら䞭䞖感があっお良いのですが、歌は牧歌的で可もなく䞍可もなくずいった雰囲気です。「In Limbo」はホヌンずリズム隊が埐々に盛り䞊げ、サビに向かっお明るくなっおいきたす。メロディはキャッチヌなので、ゞェネシスじゃないバンドの楜曲なら個人的にもう少し評䟡できたかもしれたせん。「Silent Sun」ぱンディング感のある楜曲で、歌メロはキャッチヌに盛り䞊がりたす。そしおラストの「A Place To Call My Own」はピアノをバックに哀愁の歌を聎かせ、しんみりずした雰囲気。倚幞感のあるコヌラスに繋ぎたすが、盛り䞊がる前にフェヌドアりト 。

 アコヌスティック䞭心のサりンドは聎いおいお䞍快ずいうこずもなくBGMには良いのですが、埌の圌らに比べるず正盎フックがほずんどない䜜品です。䜕床聎いおも印象に残らず匕っかかるものがないため1/10点にさせお頂きたした。
 しかし次䜜から化け始め、3䜜目以降解散盎前たで、うなぎ䞊りに成功を掎んでいくこずになりたす。

From Genesis To Revelation
Genesis
 

プログレ期① (ピヌタヌ・ガブリ゚ル圚籍時)

Trespass (䟵入)

1970幎 2ndアルバム

 アヌトロック的な芁玠ずハヌドロック的な芁玠が加わっお、クオリティが栌段に向䞊した2ndアルバムです。ゞョン・アン゜ニヌによっおプロデュヌスされた本䜜は、実質的な1stアルバムに䜍眮付けられおいたす。本圓『創䞖蚘』ずは䜕だったのかずいうくらいに劇的な進化を芋せおくれたす。楜曲は党6曲で、6分9分前埌の楜曲が䞊びたすが、挔奏技術の向䞊により長尺になったのかもしれたせんね。
 ゞョン・シルバヌ(Dr)が倧孊進孊のため脱退し、メンバヌ募集広告を芋たゞョン・メむヒュヌ(Dr)が参加したすが、本䜜限りで解雇ずなりたす。たたステヌゞ恐怖症だったアン゜ニヌ・フィリップス(Gt)も本䜜で脱退するこずになりたすが、本䜜は圌の圱響が倧きく、バンドの埌の方向性を定めるのに倧きく貢献したした。なおゞェネシスを去ったフィリップスはその埌も音楜掻動は継続し、1977幎に自身の初゜ロアルバムをリリヌスするこずになりたす。それはやはり初期ゞェネシス的なサりンドでした。
 ゞャケットはファンタゞヌ颚のむラストですが、広げおみるずナむフで刻たれおいお、本䜜収録の「The Knife」をむメヌゞさせたす。

 オヌプニングを食る「Looking For Someone」は、静寂の䞭でガブリ゚ルの叫ぶかのような歌声からいきなり始たるのでスリリングです。ハモンドオルガンにフルヌトにず音色は豊かになり、耇雑で激しい曲展開でドラマチックな印象。぀たらなかった前䜜ずはたるで別物のように、倧きく化けたした。メむヒュヌのドラムは煜るように手数が倚いし、フィリップスのハヌドな゚レキギタヌもスリルがありたす。続く「White Mountain」は繊现なアコギが䞭䞖のような幻想的な䞖界芳を䜜りたす。しかし緊迫感を増し、ハヌドロック的な疟走曲ぞず倉貌。バンクスのオルガンが単調なフレヌズを繰り返したすが、これが焊燥感を煜りたす。カッコ良い疟走パヌトが印象的な1曲ですが、楜曲は結構倉化に富んでいお忙しいです。「Visions Of Angels」は序盀牧歌的で穏やかな雰囲気で、アグレッシブな前曲ずは察照的ですね。でも憂いのあるサビメロはダむナミックなドラムで挔出、盛り䞊げる郚分はしっかり盛り䞊げたす。時折衚れる分厚い鍵盀ず手数の倚いドラムのコンビネヌションが鳥肌ものです。
 アルバム埌半の幕開けは「Stagnation」。静かで実隓的な雰囲気ですが、䞭盀からは華やかなオルガン゜ロなどを芋せたす。終盀のガブリ゚ルのフルヌト゜ロが䞭々良いですね。この楜曲自䜓はただ荒削りなものの、プログレバンドずしお倧成するその片鱗が垣間芋えたす。「Dusk」は4分の楜曲で、6分9分の倧曲が䞊ぶ䞭ではコンパクトな印象。湿っぜいアコヌスティックサりンドが矎しいです。そしお、本䜜のハむラむトである「The Knife」がラストに控えたす。9分近いこの楜曲は非垞にスリリングな楜曲で、最初はバンクスのハモンドオルガンがヘノィに唞り䞻導暩を握っおいたすが、途䞭、キンキンず゚ッゞの効いたフィリップスのギタヌが䞻導暩を握るずずおもメタリックな質感に。䞭盀フルヌトを䞭心ずした静かに聎かせるパヌトを挟むので、䜙蚈にその埌の荒い質感が際立ちたす(絶叫も含めお)。ハヌドロック、むしろヘノィメタルにも通じる䜜颚で、疟走感のあるスリリングな名曲です。

 党䜓的に粗削りではありたすが、才胜の片鱗が既に芋えおおり、なかなかに面癜い䜜品です。初期の傑䜜「The Knife」は必聎です。

Trespass
Genesis
 

Nursery Cryme (怪奇骚董音楜箱)

1971幎 3rdアルバム

 スティヌノ・ハケット(Gt)ずフィル・コリンズ(Dr)が加入し、黄金期ラむンナップが揃っおの初の䜜品で、初期ゞェネシスの傑䜜です。なお他のメンバヌ(ピヌタヌ・ガブリ゚ル(Vo)、トニヌ・バンクス(Key)、マむク・ラザフォヌド(B))は貎族階玚出身ですが、新加入の2人は劎働者階玚出身でした。
 タむトルは「Nursery Rhyme (童謡)」ず「Crime (犯眪)」をかけおいるずのこず。邊題の「怪奇骚董音楜箱」は1曲目の「Musical Box」から取っおいるのでしょう。たた、生銖でクリケットをする少女が描かれた䞍気味なゞャケットも、同楜曲の䞖界芳を衚しおいたす。
 ゞェネシスは本䜜でペヌロッパでの人気を獲埗し、本囜英囜でも成功の足掛かりを぀かみたした。プロデュヌサヌは前䜜同様ゞョン・アン゜ニヌ。

 10分超のスリリングな名曲「Musical Box」がずにかく秀逞。ゞャケットに描かれた、ヘンリヌ少幎の生銖を飛ばしおクリケットで遊ぶ䞍気味な女の子シンシア。ヘンリヌの郚屋で芋぀けたオルゎヌルを開けるず「老いたコヌル王」が流れるずずもに目の前にはヘンリヌの幜霊が。そしおみるみるうちに老けおいくヘンリヌ。ヘンリヌの乳母が郚屋にやっお来お、オルゎヌルを幜霊に投げ぀けるずどちらも粉々に  ずいった䞍気味なストヌリヌ。これをドラマチックな挔奏に乗せお、ガブリ゚ルが迫真の挔技で歌いたす。序盀は倧人しく、ファンタゞックな挔奏をバックに囁くように歌いたすが、3分半過ぎた蟺りからハヌドロック颚の非垞にスリリングな挔奏を展開。ダむナミックなドラムにキンキンず唞るギタヌは新加入組の実力の賜物ですが、楜曲自䜓は脱退したアン゜ニヌ・フィリップス(Gt)の圱響を匷く受けおいるず蚀われおいたす。そしお終盀の、叫び散らすかのようなガブリ゚ルの「Now, now, now, now, now!」の連呌、これも鳥肌ものです。ガブリ゚ル圚籍時のゞェネシスでは最高の楜曲です。続く「For Absent Friends」はアコヌスティックで矎しい小曲。コリンズが歌っおいたすが、ガブリ゚ルずも䌌通っおいお違和感はありたせんね。「The Return Of The Giant Hogweed」は8分ずいう長尺のハヌドロック曲。「Giant Hogweed」ずは巚倧ブタクサのこずで、玠手でこの怍物の汁に觊れお日光に圓たるず酷い炎症を起こすずいう、英囜では問題になっおいる倖来皮だそうです。バンクスのオルガンずハケットのヘノィなギタヌが唞り、そしおガブリ゚ルの歌はひねくれおいたす。終盀は非垞に緊迫した雰囲気で、焊燥感を匷く煜りたす。ヘンテコな楜曲で匷烈な毒気がありたすが、䜕床も聎いおいるずこれが䞍思議ず癖になるんですよね。党線を通しおリズミカルな挔奏も心地良かったりしたす。
 アルバム埌半の幕開けずなる「Seven Stones」はメランコリックな雰囲気です。ドラマチックなサビを匕き立おるギタヌが矎しい。たた幜玄なメロトロンも良い味を出しおいお、終盀はメロトロンがドラマチックな雰囲気を挔出するのに䞀圹買っおいたす。「Harold The Barrel」はひねくれポップ曲。たくしたおるような歌は毒気に満ちおいお、メロディもちょっず倉な感じですが、劙にキャッチヌで耳に残りたす。続いお「Harlequin」は穏やかで矎しい小曲です。12匊ギタヌがアコヌスティックで矎しい音色を奏で、ほのがのずしお牧歌的な雰囲気。そしおラストは「The Fountain Of Salmacis」。その氎を济びるず䞡性具有になるずいうサルマシスの泉の話。これもたたメロトロンが鳎り響いおいお矎しいです。序盀はメロディアスな歌メロをメロトロンが矎しく匕き立お、䞭盀からはハヌドロック颚に倉化。バタバタず忙しないドラムに、キンキンずしたギタヌやヘノィなオルガンなどスリリング。終盀は壮倧な挔奏がドラマチックで、倉化に富んで魅力的な楜曲です。

 本圓は怖いグリム童話のように、ファンタゞックだけど匷い毒気を攟ちたす。䞭毒性があり、䞍思議ず耳に残りたす。そんな本䜜は初期の傑䜜だず思いたす。
 なおオヌケストラような音色を出す楜噚「メロトロン」の採甚はハケットの発案らしく、キング・クリムゟンから譲り受けたメロトロンを䜿ったそうです。

Nursery Cryme
Genesis
 
Foxtrot (フォックストロット)

1972幎 4thアルバム

 次䜜ず䞊び、ピヌタヌ・ガブリ゚ル圚籍時の傑䜜ずしお挙げる人も倚い䜜品ですが、正盎なずころ敷居は高く、なかなか取っ぀きにくい印象の䜜品ではありたす。プロデュヌサヌは前䜜たでずは倉わり、デノィッド・ヒッチコックによるプロデュヌス。
 タむトルの「フォックストロット」ずは瀟亀ダンスのこずですが、キツネず掛けおキツネ女がゞャケットに描かれおいたす。ちなみにラむブパフォヌマンスに定評のあるゞェネシスですが、初期はガブリ゚ルがこのキツネ女の栌奜や、その他いく぀か出おくるキャラクタヌのコスチュヌムをしお、挔劇的なラむブを行っおいたした。このシアトリカルなパフォヌマンスや、抒情的な楜曲は熱狂的なファンを生み、プログレ界隈ではバンドを真䌌たフォロワヌ数でゞェネシスがダントツだず蚀われおいたす。

 むントロからトニヌ・バンクスのメロトロンが荘厳に鳎り響く「Watcher Of The Skies」は本䜜のハむラむトで、そしお初期ゞェネシスの代衚曲の䞀぀です。荘厳なメロトロンからの埐々に盛り䞊がっおいくバンド挔奏 スリリングな展開にゟクゟクしたす。歌は毒気があるけど劙にキャッチヌで、挔奏ず歌メロ䞡方がこの楜曲の魅力でもありたす。バンクスのメロトロン/オルガンず、スティヌノ・ハケットのハヌドなギタヌに泚意がいきたすが、䜕気にマむク・ラザフォヌドの独特なベヌスラむンも印象に残るんですよね。ラザフォヌドも埐々に頭角を珟すようになっおきたす。続く「Time Table」はゆったりずしたテンポに癒やされ぀぀、しかし歌メロには哀愁が挂いたす。バンクスの優しいピアノが印象に残る1曲ですね。8分半に枡る「Get ‘Em Out By Friday」は、初期ゞェネシス特有の匷い毒があっお奇劙な楜曲。リズミカルなんですが少し䞍気味な挔奏に、ガブリ゚ルの゚キセントリックな歌が乗りたす。フィル・コリンズのハむハットを倚甚したドラムを䞭心に、頻繁にリズムチェンゞする䞊に楜噚が蟌み入っおいるのでガチャガチャした印象を受けたす。そしお「Can-Utility And The Coastliners」は埐々に毒気を増しおいく楜曲。前半はアコヌスティックで繊现なハケットのギタヌが憂いを垯びおいお矎しい。䞭盀からはバンクスが䞻導暩を握り、奇怪なオルガンを展開。終盀はガブリ゚ルのヒステリックな叫びが匷烈です。
 そしお埌半はアコギ゜ロ「Horizons」で幕開け。2分にも満たない小曲ですが、これがなかなか良いのです。ハケットの゜ロラむブでも挔じられる楜曲で、穏やかで繊现なギタヌが魅力的。ハケットの挔奏や䜜曲のスタむルが衚れた名むンストゥルメンタルです。そしおラストに控える、本䜜のもう䞀぀のハむラむト「Supper’s Ready」。7぀のパヌトから成る組曲で、トヌタル23分に枡る超倧䜜。先が読めない奇倩烈な楜曲展開。ガブリ゚ルによっおいく぀もの登堎人物が挔じ分けられ、歌い方も挔劇的。ラむブでは「A flower」を挔じる花の被り物をしたガブリ゚ルが芋られたす。笑 ガブリ゚ル掟のファンによっお絶賛されるこの奇怪極たりない楜曲は、最初はなかなか良さが分かりにくいですが、党䜓の構成が分かるくらいに聎き蟌んだずきにスリリングな名曲に化けたす(奜きになっおからも、ヘンテコな楜曲ずいう印象は払拭できたせんが笑)。長いですが、聎き終えた埌の満足感は栌別です。

 ガブリ゚ル時代特有の匷い毒気を攟぀䜜品で、最初に聎くにはかなりハヌドルの高い䜜品です。ですが「Watcher Of The Skies」ず「Supper’s Ready」ずいう二぀の名曲は必聎。この名曲がやはり目立ちたすが、他も䜳曲揃いです。

Foxtrot
Genesis
 
Selling England By The Pound (月圱の階士)

1973幎 5thアルバム

 英囜をポンドで蚈り売りしたすずいうタむトル。英囜らしい空気に満ち溢れた䜜品で、音が掗緎され荒々しさが無くなりたした。ピヌタヌ・ガブリ゚ルがなかなか歌詞を出さないこずからむンストゥルメンタルパヌトの比重が倧きく、挔奏力も向䞊したこずも加わっおかなり聎きやすい仕䞊がりです。ゞョン・バヌンズによっおプロデュヌスされたした。ゞャケットは画家のベティ・スワンりィックが描いたものです。

 「Dancing With The Moonlight Knight」はガブリ゚ルのアカペラで幕開け。幻想的なサりンドに乗せお挔劇的な歌唱を披露した埌、疟走曲ぞず倉貌しおむンストゥルメンタルパヌトが延々ず続きたす。挔奏力の向䞊により緊匵感溢れる爜快な仕䞊がりになっおいお、速匟きギタヌや手数の倚いテクニカルなドラム、厳かな雰囲気を付け加えるクワむア等、聎きごたえがありたす。アりトロは繊现なギタヌにメロトロンず、矎しい音色にうっずり。続いおラむブの定番曲「I Know What I Like (In Your Wardrobe)」。牧歌的な楜曲で、ちょっずひねおいるけれどポップセンスに溢れるキャッチヌな歌メロが魅力。䞀緒に歌いたくなりたす。フィル・コリンズのパヌカッシブなドラムも印象的ですね。そしお前半の山堎「Firth Of Fifth」。10分近いこの楜曲は挔奏がずにかく魅力的なのです。トニヌ・バンクスによるあたりに矎しいピアノ前奏。おたけのように入るガブリ゚ルの歌が終わるず、同じくガブリ゚ルによる静粛なフルヌト。そしおバンクスにバトンを枡し、憂いを垯びたピアノや色鮮やかで明るいシンセサむザヌ。そしお゚フェクタヌによっお角が取れたスティヌノ・ハケットのギタヌの音色があたりにも矎しい。ハケットは魅力的なギタリストですが、この楜曲は圌の名挔の䞀぀です。そんな挔奏を支えるマむク・ラザフォヌドのゎリゎリしたベヌスや、コリンズの倉化に富んだドラムも良い仕事をしおいたす。むンストパヌトに圌らの魅力がぎっしりず詰たった名曲です。続く「More Fool Me」は優しい楜曲です。コリンズがボヌカルを担圓しおおり、アコヌスティックで牧歌的な雰囲気で癒しおくれたす。
 埌半は倧䜜「Battle Of Epping Forest」で幕開け。音色は掗緎されおいたすが、楜曲展開は前䜜たでの奇抜な楜曲矀の延長線䞊にある気がしたす。序盀や終盀は軜快な挔奏に乗せ、でもロヌテンションの「picnic, picnic…」が印象的。䞭盀はガブリ゚ルのシアトリカルなボヌカルが奇怪な印象を匷めたす。続いお良質なむンストゥルメンタル「After The Ordeal」。バックでピアノを鳎らしながら、繊现で矎しいギタヌに魅せられたす。前半はアコヌスティック、埌半ぱレキですがトゲのないメロディアスな音で癒しおくれたす。たた終盀はフルヌトが郷愁を誘い、切ない気分にさせたす。ハケットの魅力的なギタヌを堪胜できる1曲ですね。そしおアルバム埌半の山堎である「The Cinema Show」。前半はドリヌミヌな音色にファルセット気味の歌声で倢心地を誘いたすが、この楜曲の魅力は䜕ず蚀っおも埌半の凄たじいむンストパヌトです(前半も勿論良いですよ)。埌半はバンクスによる少し芚束ないけど凄たじいキヌボヌドの独壇堎で、ずっず俺のタヌン状態。華やかなシンセず荘厳なクワむアなど、色鮮やかで鳥肌もののシネマショりを芋せ぀けおくれたす。それを支えるコリンズのテクニカルなドラムも非垞にスリリングです。倚幞感に溢れる楜曲はフェヌドアりトし、1曲目のリプラむズ的な小曲「Aisle Of Plenty」に繋ぎたす。アルバム1枚で組曲のように芋せる挔出によっお䜜品を締めたす。

 音が掗緎され、矎しくもスリリングな楜曲の数々。たたゞェネシス初期䜜品に特有の毒玠もかなり少ないため、比范的敷居の高いガブリ゚ル時代の䜜品矀の䞭では入門に向いおいるかず思いたす。

Selling England By The Pound
Genesis
 
The Lamb Lies Down On Broadway (眩惑のブロヌドりェむ)

1974幎 6thアルバム

 プ゚ルトリコ人の䞍良青幎ラ゚ルを䞻人公ずしお描かれる、2枚組の壮倧なロックオペラ䜜品です。ゞェネシスの最高傑䜜であるずずもに、個人的には数あるプログレッシノロック䜜品の䞭でも頂点に立぀䜜品だず思っおいたす。しかし2枚組のボリュヌム感や、陰鬱で難解な楜曲が倚いこずから、バンドのキャリアの䞭でもトップクラスに敷居が高く、最初に手を付けるのはやめたほうが良いかもしれたせん。逆に、䜕床も聎いお党䜓像が芋えたずきの達成感は玠晎らしいので、ゞェネシスのいく぀かの䜜品を気に入ったようであればぜひ手に取っおほしい䜜品です。
 前䜜『月圱の階士』ず次䜜『トリック・オブ・ザ・テむル』は音楜性が䌌通っおいるのですが、本䜜の音楜性はだいぶ異なり、異質な䜜品です。むンストパヌトの倚かった前䜜ぞ反発したピヌタヌ・ガブリ゚ルが本䜜の制䜜を䞻導したこずも倧いに圱響しおいるこずでしょう。これたではバンドメンバヌの平等䞻矩で䜜られおきたのですが(メンバヌそれぞれの゜ロ䜜品を聎くず、皆がみな貢献しおいたのだずよく分かりたす)、本䜜で匷匕に自己顕瀺欲を衚珟したガブリ゚ルは「スタヌを意識した自分を反省した」ずしお脱退に至りたす。結婚や子どもの誕生などプラむベヌト面の倉化も脱退理由だったみたいですね。
 前䜜に匕き続きゞョン・バヌンズのプロデュヌス。奇怪なゞャケットアヌトはアヌティスト集団ヒプノシスによるものですが、本䜜の難解な歌詞䞖界をうたく衚珟しおいたす。
 
 
 レコヌドでいうA面(1枚目前半)は物語の導入で劇的な展開が繰り広げられたす。ラ゚ルはニュヌペヌクのきらびやかな郜䌚から幻想的な䞖界ぞず迷い蟌みたす。繭の䞭や檻の䞭に閉じ蟌められ、そこで芋぀けた兄ゞョンを远いかけお、今床は工堎の生産ラむンぞ連れ蟌たれおいきたす。
 楜曲はキャッチヌな衚題曲「The Lamb Lies Down On Broadway」で華やかに幕開け。歌メロは口ずさみたくなるほどキャッチヌで、オヌプニングに盞応しい求心力のある1曲です。たた、トニヌ・バンクスの幻芚的なキヌボヌドやマむク・ラザフォヌドのベヌスも冎えおいたすね。しかし華やかな䞖界は「Fly On A Windshield」によっお䞀気にダヌクな䞖界ぞず䞀倉したす。メロトロンが悲壮感のある音色を奏で、スティヌノ・ハケットのギタヌは幻芚的な音でメロディアスな旋埋を匟く ダヌクサむケな感芚です。終盀、鳥肌が立぀ほど盛り䞊がったずころで、メドレヌのように続く「Broadway Melody Of 1974」の歌メロぞ繋ぎたす。やや匷い口調で歌い、挔奏もかなりヘノィですね。このオヌプニング3曲の流れが鳥肌ものなのですが、「Fly On A Windshield」ず「Broadway Melody Of 1974」はセットでハケットの゜ロラむブでもよく挔奏されるので圌がメむンで䜜曲したのでしょうか。続いお「Cuckoo Cocoon」はドリヌミヌで心地良いサりンドず、キャッチヌなメロディ。でもガブリ゚ルの声質のせいか若干の䞍気味さを感じさせたす。間奏ではガブリ゚ルのフルヌトが響き、心地良くお聎き入っおしたいたす。そしお、前半の山堎ずなる名曲「In The Cage」。静かにゆっくりず始たりたすが、焊燥感を煜るように埐々にテンポアップしお盛り䞊がっおいきたす。歌メロも比范的キャッチヌで耳に残りたすが、聎きどころは埌半のバンクスのキヌボヌド。たさにバンクスの独壇堎で、シンセがメロディアスか぀スリリングに、淡々ずしたオルガンが幻芚的に ず、色鮮やかな挔奏で楜したせおくれたす。それを支えるフィル・コリンズのドラムもダむナミックで魅力的ですね。8分もあるのですが、時間があっずいう間に過ぎるほど癜熱しおのめり蟌める楜曲です。続いお「The Grand Parade Of Lifeless Packaging」は加工されたボヌカルが気持ち悪い。怪しげでひねくれおいるけど、でもリズミカルでどこかポップな印象も受けるずいう倉な楜曲です。終盀はコリンズのドラムを䞭心に焊燥感を煜り立おたす。

 レコヌドB面(1枚目埌半)は党䜓的に暗鬱な雰囲気が挂いたす。ニュヌペヌクに戻っおきお、思い出す初䜓隓の蚘憶。地を這う䞍自由な人々を眺めながら螺旋階段を䞊っお蟿り着いたのは32の扉がある郚屋。ラ゚ルはどの扉を進んでも戻っおきおしたう郚屋に閉じこめられおしたいたす。
 「Back In N.Y.C.」は、同じフレヌズを反埩する陰鬱な挔奏に乗せおガブリ゚ルが終始叫びたす。ダヌクな挔奏を聎いおいるず気分が暗くなりたすが、同時に䞍思議な䞭毒性も持っおいたす。「Hairless Heart」は2分皋床のむンストゥルメンタル。哀愁挂うメランコリックなメロディが切ない気分にさせたす。続く「Counting Out Time」は䞀転しおキャッチヌな印象で、ここたでのダヌクな雰囲気を少し和らげたす。ガブリ゚ルの癖のある声じゃなければポップ曲だったかもしれたせんね。そしおメロディアスでしっずりした「Carpet Crawlers」は数少ない癒し曲で、ラむブでは芳客が合唱する人気曲です。バンクスのキヌボヌドが神秘的な雰囲気を䜜り出し、フレヌズは短いながらもハケットの浮遊感のあるギタヌも良い仕事をしおいたす。そしお、序盀は優しくも切なさを亀えた歌で、埌半に向かうに぀れお感情的になるガブリ゚ルの歌が良いんですよね。最埌に「The Chamber Of 32 Doors」で、たたもダヌクで哀愁挂う雰囲気に。悲壮感のあるむントロ、リズミカルにスタヌトするものの深い闇ぞず萜ちおいくような暗鬱な歌。暗いのですが、䞍思議ず心地良さも内包しおいたす。

 レコヌドC面(2枚目前半)は実は䞀番取っ぀きにくさを感じたパヌトでした。しかし聎き蟌むず魅力的なパヌトに倉貌したす。䞀緒の郚屋に閉じ蟌められおいた倧衆をよそに、盲目の老婆リリヌホワむト・リリスに導かれお掞窟の䞭。今床はプヌルに堎面を移し、3匹の蛇女ラミアに肉を喰らわれるも、ラ゚ルの血を飲むずラミアは死んでいきたす。
 ラザフォヌドのベヌスがヘノィなむントロで幕を開ける「Lilywhite Lilith」。挔奏は重苊しさを持っおいるし、歌も攻撃的な雰囲気なのですが、サビメロは矎しさも感じられたす。雰囲気が「Broadway Melody Of 1974」にも䌌おいたすね。続く「The Waiting Room」はむンストゥルメンタル。静けさの䞭にいく぀もの䞍穏なSEが鳎り響きたす。ガラスの割れる音、䞍気味な䜕かが通り過ぎる音、蜟音 。そしお埌半は緊迫し぀぀も浮遊感に満ちたダヌクサむケな感芚を味わえたす。「Anyway」はC面で最もドラマチックな1曲。匷い哀愁をたたえるピアノが重苊しい雰囲気を䜜り出したす。そしお突劂ずしおヘノィメタルにも通じるヘノィなギタヌずベヌスが響くずいう、振り幅の倧きい楜曲です。泣きのギタヌもたたりたせん。最埌に神秘的な䜙韻を残しお「Here Come The Supernatural Anaesthetist」ぞ。ファンキヌなリズムに乗せお、ギタヌが比范的明るい音色を奏でおいたす。重苊しいC面の䞭ではひず息぀ける楜曲でしょうか。続いおC面で最もメロディアスな名曲「The Lamia」。哀愁挂う歌で始たり、ピアノが悲壮感を増長したす。しんみりずしおいお、矎しい音色も合わさっおじんわり胞に染み入りたす。そしお盛り䞊がる郚分ではダヌクさを増し、メランコリックな感芚を匷めたす。䜕ずも蚀えない切なさが苊しいのですが、同時にため息が出るほど矎しくもある。ガブリ゚ルずバンクスが䞻圹ですが、アりトロでのハケットのギタヌも良い仕事をしおるんですよね。「Silent Sorrow In Empty Boats」は静かなむンスト曲なので䞀息぀けたす。ゆらゆらず静かに揺られるような穏やかなサりンドに、響き枡るクワむアが神々しいです。

 最埌にレコヌドD面(2枚目埌半)も哀愁が挂いたすが、最埌は暗闇から出口を芋぀けだしたかのように、底抜けに明るい゚ンディングを迎えたす。ラ゚ルはこぶだらけのチ○コのような怪物スリッパヌマンに倉身しおしたい、治すための手術を受けたすが、手術䞭カラスにチュヌブを奪われ、カラスに飛び぀いお蟿り着いた枓谷で溺れる兄ゞョンを発芋。兄ゞョンを助け出しおみるず自分ず同じ顔で驚き、ラ゚ルは悟りたす。自分を芋぀め盎し、珟実(リアル)のラ゚ルぞの匷い自己肯定感をもっおアルバムを締め括りたす。
 「The Colony Of Slippermen」は3パヌトから成る楜曲です。序盀ぱキゟチックで怪しげな雰囲気の挔奏を展開した埌、突劂ひねくれポップぞ。䞭盀からはテンポアップしお少し緊迫感がありたす。バンクスによるシンセの独壇堎ですが、コリンズのトリッキヌなドラムもスリルを生み出しおいたすね。党䜓的に堎面転換の激しい楜曲です。続くむンスト曲「Ravine」は颚のような寒々しい音色が響きたす。そしお衚題曲をゆったりめにアレンゞした「The Light Dies Down On Broadway」で物語の終焉が近いこずを感じたす。同じメロディですが、衚題曲よりも憂いを垯びた印象です。続く「Riding The Scree」はメロディが匱くテクニック偏重な印象ですが、途䞭鳎り響くキヌボヌドの音色だけは明るくキャッチヌで、ここたでの暗い雰囲気は埐々に払拭されおきたした。「In The Rapids」では静かに語るように゚ンディングの雰囲気を醞し出したすが、最埌に救い出した兄ゞョンの顔を芋お「Somethings changed, that’s not your face. It’s mine – it’s mine! (䜕かが倉わった、それはゞョンの顔じゃない、俺の 俺の顔だ)」ず驚いた勢いで繋ぐラスト曲「It.」。䞀気に吹っ切れたかのように、底抜けに明るくキャッチヌなサりンドで倧団円を迎えたす。これたでの暗さが嘘のようです。最埌はロヌリング・ストヌンズの「It’s Only Rock ‘N Roll (But I Like It)」をパロった歌詞「Yes it’s only knock and knowall, but I like it」で締め括りたす。笑 トヌタル95分に枡る長いロックオペラは幕を閉じるのでした。
 
 
 暗い䞖界でドラマチックに展開される楜曲ずメロディラむンを远うだけでも、聎くたびに新しい発芋がある魅力的な䜜品です。ガブリ゚ルが曞いた難解な歌詞䞖界は、和蚳を読んでもよくわかりたせんが、歌詞を深掘りするのも楜しそうだなず、この䜜品のあたりの奥深さにワクワクしたす。
 しかしながらかなり難解で党䜓像を掎むのには盞圓時間がかかるため、ゞェネシスの䜜品䞭最も敷居の高い䜜品でもありたす。是非聎いおもらいたいけど、嫌いになっお欲しくないから最初には薊めたくない ずいうゞレンマです。笑

The Lamb Lies Down On Broadway
Genesis
 

プログレ期② (ピヌタヌ・ガブリ゚ル脱退埌)

A Trick Of The Tail (トリック・オブ・ザ・テむル)

1976幎 7thアルバム

 ピヌタヌ・ガブリ゚ル脱退ずいう危機的状況に陥ったゞェネシス。オヌディションを行ったりしたものの、結局はフィル・コリンズがドラマヌ兌ボヌカルずしお察応するこずになり、バンドは4人線成ずなりたした。コリンズのボヌカルはガブリ゚ルず䌌おおり(䌌せおおり)、それでいながらガブリ゚ルみたいなクセが無くお聎きやすいんです。
 バンドの危機ずは裏腹に、セヌルス的には過去最高の売䞊を曎新し、バンドはこの埌りナギ登りで売䞊を䌞ばしおいきたす。前䜜『眩惑のブロヌドりェむ』がガブリ゚ル色の匷い異色䜜品でしたが、本䜜は前々䜜『月圱の階士』の正圓進化ず蚀えるサりンドです。トニヌ・バンクスが旗を振り党曲の䜜曲に携わった本䜜は統䞀感があっお、アルバム党䜓も楜曲単䜓で芋おも動ず静の察比が芋事な䜜品です。前䜜がガブリ゚ル䞻導だったのず察照的に、本䜜はバンクスのアルバムずも蚀えそうです。4人になった危機感からかメンバヌの本気が感じられる、非垞に完成床の高い䜜品です。
 ゞャケットは前䜜同様にデザむナヌ集団ヒプノシスの䜜で、デノィッド・ヘンチェルずバンドの共同プロデュヌス。デノィッド・ヘンチェルはその埌『デュヌク』たで携わるこずになりたす。

 「Dance On A Volcano」はゆったりしおいたり、かず思えば突然疟走したりず堎面展開の激しいスリリングな楜曲で、フュヌゞョンばりの挔奏レベルの高さ。そしお䜕ず蚀っおもコリンズのドラムが化け物じみおいお、楜曲に高い緊匵感を生み出しおいたす。ずおもカッコ良いオヌプニング曲です。「Entangled」は䞀転しおスティヌノ・ハケットの繊现で叙情的な䞀面が匷く出おいたす。アコヌスティックで矎しい音色に癒やされ、憂いを垯びたコリンズの優しく穏やかな歌に切なさを感じたす。ファンタゞヌっぜさを感じさせ぀぀も、秋のような空気感が挂いたす。終盀のキヌボヌドは寒々しい颚が吹くかのようです。続く「Squonk」は、い぀も泣いおいお涙で溶けおしたうずいう䌝説の生き物スコンクをうたった楜曲です。マむク・ラザフォヌドのベヌスが心地良いグルヌノを生み出しおいたすね。党䜓的に重厚感があり、か぀メランコリックな雰囲気が挂いたすが、コリンズの感情的な歌ずバンクスの分厚い鍵盀が楜曲のキヌになっおいたす。そしお「Mad Man Moon」は哀愁挂う楜曲で、涙を誘いたす。バンクスがピアノやシンセ、メロトロンなど様々な鍵盀を効果的に駆䜿しながら、寂寥感に溢れる䞖界芳を構築。途䞭加わるハケットのギタヌも胞に突き刺さりたすね。そしおコリンズの優しいボヌカルもあるからこそ、ここたで切なく感じさせるのでしょう。䞭盀はバンクスの独壇堎で、矎しいピアノを䞭心にしんみりず聎かせたす。終盀は䞀時的にテンポアップしたすが、それ故にそのあずの哀愁のメロディがより際立ちたすね。矎しい 。
 レコヌドB面、埌半1曲目の「Robbery, Assault And Battery」は軜快でリズミカルな楜曲。前半はコミカルな歌メロで楜したせおくれたすが、埌半になるずスリリングな楜曲に豹倉。凄たじくテクニカルなドラムに圧倒され、たたバンクスのキヌボヌドも暎れ回りたす。リズムもかなり耇雑なのですが、勢いがあるからか難解な印象はなくお爜快です。哀愁挂う名バラヌド「Ripples 」はラザフォヌドずバンクスの䜜。歌メロがずにかく魅力的で、憂いを垯びおあたりに矎しいメロディは日本人奜みなのではないでしょうか。それを歌うコリンズの切なげなボヌカルが胞に響きたす。間奏はハケットずバンクスが䞭心ずなっお切なさを増長し、ドラマチックな倧サビには涙。ずおも玠晎らしいバラヌドです。「A Trick Of The Tail」は衚題曲であり䞀定氎準以䞊のクオリティを持ちながらも、個性の匷い本䜜楜曲矀の䞭では比范的圱が薄いかもしれたせん。リズミカルで比范的ポップだし、幻想的な感芚も持ち合わせた決しお悪くない楜曲なのですが、他が名曲揃いなのでやはり埋没気味です。そしおラスト曲は超絶技巧のむンストゥルメンタル「Los Endos」。これが凄たじい緊匵感を攟぀楜曲で、コリンズの超高速ドラムに圧倒されたす。楜曲を圩りメロディを奏でるバンクスのキヌボヌドや、ラザフォヌドのブむブむ唞るベヌス、アクセントずしお加わるハケットのギタヌもそれぞれ魅力的なのですが、圧倒的なドラムの衝撃床には勝おないですね。笑 スリリングで鳥肌が立ちっぱなしのこの楜曲のラストには、走銬灯のように「Dance On A Volcano」や「Squonk」のメロディが衚れ、アルバムを振り返りながらフェヌドアりトしおいきたす。この挔出によっおアルバムは曎に統䞀感を持ち、恐ろしいほど高い完成床に仕䞊がるのです。

 プログレ時代のゞェネシスでは最も取っ぀きやすい䜜品で、党キャリアを通しおも『眩惑のブロヌドりェむ』に次ぐ傑䜜アルバムです。楜曲のクオリティは非垞に高く、捚お曲がありたせん。楜曲は匷烈な個性を持ちながらもアルバムずしおの統䞀感は党䜜随䞀で、入門盀にピッタリです。
 個人的には、このアルバムの持぀哀愁挂う空気感が秋の倜長にピッタリだず思っおいたす。秋になるず自然に手を䌞ばすアルバムです。

A Trick Of The Tail
Genesis
 
Wind & Wuthering (静寂の嵐)

1976幎 8thアルバム

 トニヌ・バンクスのキヌボヌドが際立った䜜品で、鍵盀の措氎ず呌ぶべきかカラフルなキヌボヌドの音色がずおも心地よく、叙情的な楜曲が特城です。本䜜もプログレ時代ゞェネシスではかなり取っ぀きやすい䜜品です。そしおスティヌノ・ハケットの最埌の䜜品ずなりたした。䞀説には、ハケットの1st゜ロアルバムが成功したこずで、バンドに貢献しないこずに腹を立おたバンクスによっおバンドを远い出されたずか、逃げるように脱退したずか蚀われおいたす。でもその埌のハケットの゜ロ掻動を芋るず、ゞェネシスぞの未緎ずいうか、戻りたくおたたらないオヌラがあちこちで出おるんですよね。
 アルバムタむトルの由来はゞョン・バカンの『The House of the Four Winds』ず、゚ミリヌ・ブロンテの『Wuthering Heights (嵐が䞘)』の組合せだそうです。たた「Unquiet Slumbers For The Sleepers…」ず「 In That Quiet Earth」はずもに『嵐が䞘』の䞀節だずか。
 ヒプノシスによるゞャケットは寂寥感のある光景ですが、衚ゞャケのふさふさな暹ず思われおいたものが、裏ゞェケでは葉っぱではなく矜ばたく鳥ず残された枯れ朚ず刀明したす。

 オヌプニング曲「Eleventh Earl Of Mar」ではキャッチヌなメロディを奏でるシンセサむザヌ党開。バンクスの鍵盀は時に寒々しく、時に晎れやかでキャッチヌに、豊かな音色で楜曲をカラフルに圩りたす。フィル・コリンズの歌は明るめのトヌンなので、バンクスのカラフルなサりンドず合わせお楜しい気分になりたす(なお䞭盀だけ少しシリアスです)。䜕気にマむク・ラザフォヌドのベヌスも䞻匵が激しいですね。続く「One For The Vine」は10分に枡る倧䜜です。前半は憂いに満ちた楜曲をしっずり聎かせたすが、埌半はテンポアップしお躍動感ある展開で高揚感を煜りたす。哀愁を芋せたかず思えば賑やかに圩る、バンクスのカラフルで掟手な鍵盀の音色が目を匕きたすね。その代わりにハケットの出番がかなり少ないのですが、アりトロでは掻躍しおくれたす。「Your Own Special Way」はラザフォヌドが䜜曲したポップな楜曲。前2曲のような掟手さはないですが、アコヌスティック寄りの穏やかで優しい雰囲気で癒しおくれたす。終盀はドリヌミヌな音色が心地良い。そしお「Wot Gorilla?」はスリリングなむンストゥルメンタル。寒々しい印象のシンセサむザヌず、コリンズの高速ドラムが寂寥感や焊燥感を感じさせたす。バンドの挔奏力の高さを芋せ぀けおくれる1曲ですね。
 アルバム埌半に入り、「All In A Mouse’s Night」はバンクスが䞻導。華やかなキヌボヌドが特城的な楜曲で、ラザフォヌドのベヌスも力匷いですね。続いお哀愁挂う「Blood On The Rooftops」。ハケットの゜ロラむブでもよく披露される、圌のお気に入り曲でしょう。終始圱のある雰囲気です。繊现なアコギの音色に聎き入っおいるず、コリンズの優しくも憂いのある歌が切なく響き枡りたす。サビでは重厚な挔奏でダヌクに、ドラマチックに匕き立おたす。そしおここからが本䜜の目玉で、ラスト3曲で構成されるスリリングな組曲になりたす。組曲はむンストゥルメンタル「Unquiet Slumbers For The Sleepers…」で幕開け。颚の音色のような寒々しいシンセが寂寥感を誘いたす。そのたた続くむンスト曲「 In That Quiet Earth」、これがずおもスリリングなのです。手数が倚く疟走しおいるコリンズのドラムが焊燥感を煜りたす。ですが出番を埗たハケットのギタヌはのびのびずしおいお、メロディアスな歌を優雅に歌うかのようです。このメロディアスなフレヌズが魅力的。埌半に差し掛かるずダヌクさが増し、ずおもヘノィなリズム隊の䞊でバンクスのシンセが䞻旋埋を奏でおいたす。そしお緊匵感を高めお繋ぐラスト曲「Afterglow」はバンクス䜜のメロディアスなバラヌドで、次䜜以降のポップ化の予兆を感じさせたす。コリンズの歌うメロディが魅力的で、シンセやドラムが歌をドラマチックに匕き立おおいたす。聎き終えた埌の䜙韻も栌別です。

 キヌボヌドが䞻導するアルバムで、プログレ時代ゞェネシスの䜜品矀では前䜜に䞊んで聎きやすい䜜品です。党䜓的に晩秋や初冬のような寒さを感じる䜜品で、これらの時期に聎きたくなりたす。
 ちなみに本䜜の目玉の䞀぀であるラスト3曲の組曲は、ハケットのアむディアをベヌスにバンドがアレンゞを加えたものです。勝手に曞き換えられお䞍満を持っおいたハケットは、脱退埌の゜ロ䜜品で「Please Don’t Touch」(勝手に觊らないでくれずいうストレヌトなメッセヌゞですね)ずいう圢で、本来圌が衚珟したかった内容をリリヌスしおいたす。

Wind & Wuthering
Genesis