ハードロック/ヘヴィメタル
ハードロック/ヘヴィメタルってどんな音楽?
「ハードロック」と「ヘヴィメタル」は似たようなジャンルですので、ハードロック/ヘヴィメタルを一緒くたに纏めて、頭文字をとって「HR/HM」とも表記したりします。個別ではヘヴィメタルは「メタル」とも略します。メタラー(ヘヴィメタルが好きな人)達からは、「ヘビメタ」という略称は蔑称として捉えられることもあるのでご注意を。
ハードロックでは、ギターヒーローがいて間奏などで超絶なギターソロを披露したり、またシャウトを多用したりする特徴がみられます。また、ハードロックを更に重たく攻撃的にしたものがヘヴィメタルですが、「様式美」とも呼ばれるクラシック音楽の要素を取り入れて超絶技巧のギターソロを披露するようなバンドも多いです。
ハードロック/ヘヴィメタル入門盤5選
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ハードロック/ヘヴィメタルのアーティスト一覧
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ハードロック/ヘヴィメタルの歴史
1960年代半ばにサイケデリックロックが流行しますが、これをハードに演奏したのがハードロックの始まりでした。1960年代後半がハードロック黎明期で、ジミ・ヘンドリックスやクリーム等がハードなブルースロックやサイケデリックロックを演奏し、ハードロックの基礎を作りました。そして英国でハードロックバンドとして結成したレッド・ツェッペリンによってハードロックのスタイルが確立し、英国や米国にハードロックが広がりました。
英国では1970年代前半~中盤にかけてハードロックの黄金期を迎えるものの、ロンドンパンク・ムーブメントにより衰退を迎えます。一方の米国ではパンクの波はそこまで訪れず、ヴァン・ヘイレンのデビュー等もあってハードロックは保たれていましたが、MTVというミュージックビデオを流す番組が始まったことも影響してハードロックの商業化が進みました。
パンクの嵐がひと段落した1980年頃の英国では、パンクの攻撃性を取り入れてハードロックを進化させた「ヘヴィメタル」が隆盛。パンクが旧来のロックを否定したのとは対照的に、ヘヴィメタルは旧来のハードロックの伝統を継いで、その要素を強調した音楽でした。「ニューウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル(NWOBHM)」と呼ばれたこのムーブメントは、英国以外の国々(米国、日本、ヨーロッパ各国)に伝搬して大きな影響を与えました。
NWOBHMの影響を受けた米国においては1980年代にヘヴィメタル全盛期を迎えます。メジャーシーンではLAメタルやグラムメタルと呼ばれる派手で過激ながらも陽気なヘヴィメタルがMTVを賑わして大ヒットする一方、アンダーグラウンドでは「スラッシュメタル」と呼ばれる凶暴でより攻撃的なヘヴィメタルが隆盛。
しかし1990年初頭にグランジムーブメントが起こり、旧来のハードロック/ヘヴィメタル勢は一気に衰退。その後はオルタナティヴロックのアプローチを取り入れたラップメタルなどの新しいヘヴィメタルが次々と開発され、オルタナティヴメタル/ラウドロックという呼び名で人気を取り戻してきたヘヴィメタル。ヨーロッパ各国でも人気のヘヴィメタルバンドも多く、今なお人気を誇っているジャンルです。