入門盤5選:Post-Punk/New Wave

ポストパンク/ニューウェイヴ入門盤5選

Arctic Monkeys (アークティック・モンキーズ) | Whatever People Say I Am, That's What I'm Not (ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット)
2006年 1stアルバム

 ポストパンク・リバイバルムーブメントの筆頭格、アークティック・モンキーズ(通称アクモン)。2000年代以降の最重要バンドの一つで、1990年代半ば以降オアシスが築いたポジションに取って代わる存在が彼らです。

 一番初めに挙げるのがリバイバルバンドというのも如何なものかと思いつつ、1970年代末~1980年代初頭の当時のバンドはアプローチは新鮮なものの演奏は下手なバンドも多く、2000年代半ば頃に活躍したリバイバルバンドの方が音として洗練されていて取っつきやすい気がします。リバイバル勢だとブロック・パーティとか、フランツ・フェルディナンド等も有名です。

 ムーブメント当時を過ごしたことがない後追いの人間としては、本作だけを聴いても当時の音楽だけを聴いてもポストパンクの音楽的な特徴は掴みづらいです。ただ、当時のポストパンクバンドであるギャング・オブ・フォー辺りから遡って本作と聴き比べてみると、カッティングを多用してザクザクと鋭利なギターで切り込んでいくサウンドになんとなく共通点が見いだせて、ここにポストパンクの特徴が一つ見えてくる気がします。

 本作は疾走感が溢れ、無駄に長尺になることなくスパッと終わる潔さがあります。矢継ぎ早に現れる楽曲は耳に残るフレーズのオンパレードで、とにかくカッコいい。あっという間に聴き終えてしまいます。
 
 
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Whatever People Say I Am, That’s What I’m Not
Arctic Monkeys
 

U2 | War (WAR(闘))
1983年 3rdアルバム

 ポストパンク系の出身で世界的なロックバンドにまで成長したU2。チャリティ活動など社会派バンドとしても有名で、2010年代に入った現在でも人気を誇る世界的なロックバンドです。
 『ヨシュア・トゥリー』や『アクトン・ベイビー』が彼らの代表作と呼ばれることが多いですが、これらはポストパンクのように尖って攻撃的な音楽ではなくて、大衆的なロックと呼べるものでした。ここではポストパンクというジャンルの代表作として、まだ「世界のU2」ではなく「アイルランドのポストパンクバンド」だった頃の傑作『WAR(闘)』を挙げます。個人的には、アルバムトータルのバランスではこの『WAR』こそがU2の最高傑作だと思っています。

 攻撃的でヒリヒリするサウンド。エコー等によって生み出されたひんやりした空気感はポストパンクの特徴の一つだと思います。ここからポストパンクというジャンルを巡るのであれば1stアルバム『ボーイ』だったり、ネオ・サイケデリアと呼ばれる初期U2的なジャンルの先駆者エコー&ザ・バニーメンあたりから開拓すると良いでしょう。広くロックの世界を開拓するのであれば、ポストパンクからは離れてしまいますが、前述の代表作『ヨシュア・トゥリー』や『アクトン・ベイビー』を聴いて、続いてコールドプレイや初期レディオヘッドへと聴き進めていくと楽しめるのではないかと思います。
 
 
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War
U2
 

The Police (ザ・ポリス) | Reggatta De Blanc (白いレガッタ)
1979年 2ndアルバム

 ポストパンクバンドのアプローチの一つとして、レゲエやファンク、アフリカ音楽や民族音楽等との融合というのもありました。パブリック・イメージ・リミテッドがジャマイカ音楽や中東系の音楽へアプローチし、トーキング・ヘッズピーター・ガブリエルらがアフリカ音楽とロックの融合を図っています。そんな中、この当時最も尖った音楽とされたパンクロックとレゲエを融合して名を馳せたのが彼らポリスです。あとはクラッシュスリッツ辺りも同様のアプローチを行っています。

 元々経験者たちの集まりで、テクニックは十分あったポリス。しかし楽器を始めたばかりの新人が伝統的ロックを破壊して新しいアプローチを試みるポストパンクが流行を賑わしていたため、ポリスはその実力を隠してうまく立ち回り、成功を収めました。
 有名なアルバムは「Every Breath You Take (見つめていたい)」を収めた『シンクロニシティー』ですが、レゲエ色の強い本作も名盤として挙げられることが多いです(個人的には『アウトランドス・ダムール』派ですが。笑)。どちらもおすすめですが、ポストパンクの特徴をとらえた本作を挙げさせて頂きました。
 
 
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Reggatta De Blanc
The Police
 

Duran Duran (デュラン・デュラン) | Rio (リオ)
1982年 2ndアルバム

 ニューウェイヴの顔とも言える存在。それがニューロマンティックと呼ばれるジャンルの代表格であるデュラン・デュランや、カルチャー・クラブでした。いずれも英国のバンドですが、1980年代前半の米国で大成功し、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンとも呼ばれるブームを引き起こしました。

 ニューロマンティックは、煌びやかなシンセサイザーの音色に彩られたダンサブルな音楽性が特徴に挙げられます。一般に「ニューウェイヴ」と言えば、彼らのようなエレクトロポップを中心としたサウンドを指すことが多いようです。
 そしてニューロマンティックのもう一つの側面というか、むしろこちらが主なのですが、グラムロックに影響を受けて派手な化粧やファッションなどのビジュアル面に特徴がありました。MTVというミュージックビデオを流す音楽番組が始まったこともあって、巧みなビジュアル戦略で大成功を得ました。特にデュラン・デュランはメンバー5人がイケメン揃いということもあって、アイドル的に見なされて音楽性は過小評価されていたそうです。アイドルじゃなくロックバンドなのですが…。

 本作はデュラン・デュランの最高傑作として名高い名盤です。華やかなサウンドは1980年代らしさを感じますが、表題曲「Rio」をはじめ名曲が揃っています。
 
 
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Rio (Collector’s Edition)
Duran Duran
 

New Order (ニュー・オーダー) | Low-Life (ロウ・ライフ)
1985年 3rdアルバム

 ポストパンク/ニューウェイヴの時代は、メインストリーム(≒流行りの音楽)とインディー(≒流行とかけ離れた反商業音楽)で二分されていました。先述のニューロマンティック勢がメインストリームを賑わす中で、インディーにおけるカリスマ的存在となったのがジョイ・ディヴィジョンスミスでした。
 セックス・ピストルズに影響を受けて楽器を始めたジョイ・ディヴィジョンは、陰鬱で内省的なサウンドで人気を博しましたが、フロントマンのイアン・カーティスの自殺によって活動停止せざるを得ませんでした。残されたメンバーはニュー・オーダーを名乗り、活動を継続します。そのニュー・オーダーのヒット作が本作です。

 ニューウェイヴと言えばピコピコのテクノサウンドを連想しますが、本作はシンセサイザーを活用したダンサブルなサウンドとロックを融合し、ニューウェイヴの名盤の一つです。そしてニュー・オーダーの活動は後のマッドチェスターやクラブミュージックに大きな影響を与えました。

 音楽ド素人で演奏もヘタクソですが、彼らの音楽を聴いていると音楽の良し悪しは演奏能力ではないのだと強く感じます。ポストパンク/ニューウェイヴ系のバンドはこういう、ヘタクソだけどアイディアは優れた隠れ名盤的な作品が多く、開拓していくとなかなか面白いです。ニュー・オーダーも面白いですが、前身のジョイ・ディヴィジョンもとても魅力的なので、合わせてセットで聴きたいバンドです。
 
 
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Low-Life (Collector’s Edition)
New Order
 
 

ポストパンク/ニューウェイヴ開拓のすすめ

 ポストパンク/ニューウェイヴのアーティスト一覧はこちらに纏めています。