🇺🇸 Green Day (グリーン・デイ)

レビュー作品数: 2
  

スタジオ盤

Dookie (ドゥーキー)

1994年 3rdアルバム

 グリーン・デイは米国カリフォルニア州のパンクバンドで、1990年代のパンクブームの火付け役です。1987年にビリー・ジョー・アームストロング(Vo/Gt)やマイク・ダーント(B)らが前身となる「Sweet Children (スウィート・チルドレン)」を結成し、1989年にグリーン・デイに改名。1990年にデビューを果たします。その後1991年にトレ・クール(Dr)が加入し、以降はこの3人の不動のメンバーで活動を続けています。
 本作は通算3作目にして、グリーン・デイのメジャーデビューアルバムになります。ロブ・カヴァロとグリーン・デイの共同プロデュース。全世界で現在までに2000万枚以上売り上げるという大ヒットを果たし、彼らの代表作となっただけでなく、世間にメロコア/ポップパンクブームを引き起こしました。

 勢いに満ちた「Burnout」でオープニングを飾ります。軽快なノリで、ビリーの歌い方は平坦ながらもメロディも良いです。間奏の、ギター・ベースとドラムの掛け合いも良いですね。僅か2分で、もう終わってしまうの?という印象です。続く「Having A Blast」も勢いがある疾走曲です。マイクのベースがバキバキ唸りますね。疾走感を生み出すドラムもスリリングです。「Chump」はメロディが良くて爽やかな印象です。後半のベースソロがカッコ良い。疾走曲が続きましたが、続く「Longview」で少しテンポを落とします。民族音楽的でリズミカルなトレのドラムが楽曲を支えます。大人しいですが、サビで一気に爆発。エネルギッシュな音の塊が唐突にぶつかってきます。そして名曲「Welcome To Paradise」。切れ味のあるカッコ良いギターリフに、縦横無尽に暴れるベース、せわしく叩くドラムがスリリングな演奏を展開。そしてメロディアスな歌はどこか哀愁を纏いつつ、爽やかさがある。間奏は少しカオスで緊張感に満ちていますが、また歌が始まると爽やかさを取り戻します。「Pulling Teeth」は歌メロをフィーチャーした楽曲です。メロディアスな歌がよい。そして本作のハイライト「Basket Case」。クサくてこっぱずかしくなるようなメロディはとてもキャッチーで、青春という言葉がピッタリ。また、音数の少ない序盤から盛り上げていく展開もベタすぎるくらいですが、本作ではやはりこれが一際輝いています。続く「She」はベースが主導する1曲。歌はメロディアスです。疾走曲「Sassafras Roots」を挟んで、「When I Come Around」はミドルテンポの楽曲。展開は単調ですが、バキバキ唸るベースがカッコ良いです。ここからは3曲続けて2分足らずの短い楽曲で「Coming Again」、「Emenius Sleepus」、「In The End」と畳みかけるように疾走曲が続きます。ラスト曲は「F.O.D.」。アコギに持ち替えて最後はシンプルに締めるのかと思いきや、轟音でノリの良いサウンドで爽やかに締めます。空白を挟んで、隠しトラック「All By Myself」。まったりとしたオマケ的な1曲です。

 やや一本調子で似たような楽曲が並ぶものの、疾走感に満ちて軽快な楽曲の宝庫。少しクサいメロディはむずがゆさも感じますが、「青春」という言葉がピッタリの爽やかな作品です。

Dookie
Green Day
 

American Idiot (アメリカン・イディオット)

2004年 7thアルバム

 新作『シガレッツ・アンド・ヴァレンタイン』として発表される予定だった作品が、発表前にマスターテープの盗難に遭うという災難にみまわれたグリーン・デイ。そちらに収録予定だった楽曲は再録せず、一から作り上げられ発表されたのが本作『アメリカン・イディオット』になります。ちょうどアルバム制作中にイラク戦争が始まり、開戦に反対だったグリーン・デイがその怒りのエネルギーを詰め込んで制作したのが本作でした。主人公ジーザス・オブ・サバービアともう一つの人格セイント・ジミーとの葛藤を描いたコンセプトアルバムで、一部に組曲が収録されていることもあり、本作はパンクオペラとも称されています。
 ロブ・カヴァロとグリーン・デイの共同プロデュースとなる本作は大成功を収め、2005年にはグラミー賞の「最優秀ロック・アルバム賞」を受賞しました。売上総計も1500万枚以上を記録。

 表題曲「American Idiot」で開幕。これがずば抜けてカッコ良いのです。ビリー・ジョー・アームストロングのギターとマイク・ダーントのベースが織り成すメタリックなイントロから鳥肌もの。ビリーの歌はキャッチーで、口ずさみたくなるようなメロディです。また後半特にダイナミックになるトレ・クールのドラムも、この楽曲に躍動感を与えてくれます。パンチの効いた素晴らしい1曲です。続く「Jesus Of Suburbia」は9分の大作で、5部から成るグリーン・デイ初の組曲です。疾走感に満ちた第1部から哀愁漂うバラードの第2部へ。第3部では3拍子を刻みながらまた更にリズムチェンジ。ヘヴィメタルばりに重たく攻撃的です。第4部は哀愁漂う歌メロを主軸にアコースティックな音色に変化。第5部では再びメタリックな音が支配します。長尺ですが変化に富んでいて長さを感じさせません。続いて「Holiday」は小気味よいリズムでノリの良いサウンド。しかしメロディは哀愁たっぷりで聴きごたえがあります。メロディアスですが『ドゥーキー』のようなクサさは感じず、彼らの成長を感じます。「Boulevard Of Broken Dreams」はパンク史上初の、グラミー賞最高位の「最優秀レコード賞」を獲得したシングル曲。受賞も納得の素晴らしい出来で、ダークな雰囲気が漂うバラードです。メロディアスな歌も良いですが、泣かせにくるメロウなギターが特に良い。「Are We The Waiting」は歌をフィーチャーしたのかシンプルなサウンドです。コーラスによって歌を盛り上げます。そのまま途切れず続く「St. Jimmy」は疾走感抜群のパンク曲。「1! 2! 3! 4!」のカウントが良いですね。単純明快で一気に駆け抜けます。「Give Me Novacaine」はメロディが良いです。サウンドは比較的まったりとして優雅ですが、そんなサウンドに浸っているとサビでの激しい演奏に圧倒されます。そして「She’s A Rebel」は本作最短の2分。疾走感はありますが、メロディは哀愁が漂います。「Extraordinary Girl」は民族音楽的なパーカッションに始まり、突如ノリの良い楽曲が始まりますが、シタールの音色のせいかエスニックな雰囲気がほんのり漂います。「Letterbomb」はゲストボーカルのキャスリーン・ハンナの歌で始まります。その後はビリーの歌う軽快なロックンロールを展開。「Wake Me Up When September Ends」は名バラード。序盤はアコースティック主体で、シンプルなサウンドをバックにメロディアスな歌をしっとりと聴かせます。中盤からはヘヴィなサウンドが加わって楽曲を盛り上げていきます。これは泣ける…。続いて9分超の5部から成る組曲「Homecoming」。第1部は静かに幕を開けますが、徐々に盛り上がっていきます。第2部に入って躍動感が増し、メリハリが生まれました。続いて第3部はマイクがボーカルを務めます。行進曲のようなドラムが印象的。第4部はトレのボーカル曲。短いですが勢いのある疾走パートです。第5部はリズムチェンジを駆使してプログレ的。そしてラスト曲「Whatsername」はシンプルで淡々としたサウンド。でも終盤はしっかり盛り上げてくれます。メロディアスな歌がよいですね。

 表現力の幅が格段に広がり、表題曲のような勢い溢れるパンク曲だけでなく、バラードもじっくり聴かせます。全編を通してメロディも良く、聴きやすい作品です。

American Idiot
Green Day
 
 
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