🇺🇸 Madonna (マドンナ)
レビュー作品数: 2
スタジオ盤
1984年 2ndアルバム
マドンナは本名はマドンナ・ルイーズ・ヴェロニカ・チッコーネといい、米国ミシガン州出身の1958年8月16日生まれ。全世界で3億枚以上を売り上げて世界一成功した女性アーティストで、親しみを込めて「クイーン・オブ・ポップ」とも呼ばれています。1977年にニューヨークに渡り、1982年に歌手デビュー。翌年のデビューアルバム『バーニング・アップ』は全世界で1000万枚を超える大成功を収めました。
そしてナイル・ロジャースをプロデューサーに迎えた本作。宣伝にMTVを多用して、ミュージックビデオの配信によって爆発的な人気を得ることになります。そんな本作は全世界で2100万枚以上を売り上げています。とても美人なジャケットアートも有名ですね。ジャケ買いする価値はあると思います。
オープニング曲「Material Girl」はマドンナの代表曲です。ニューウェイヴサウンド全開のダンサブルでキャッチーなサウンドで、キラキラとしたシンセは、プロデューサーも兼任しているナイル・ロジャースが演奏しています。そしてマドンナの媚びたような歌い方がとても可愛い。ですが、歌っている内容は「お金を持っている男じゃなきゃお断り 私は物欲の女」というような挑発的な内容です。続く「Angel」はピコピコサウンドですが少ししんみりした感じも出ています。可愛らしい高音で歌いますが、時折入る嘲るような笑いが彼女の本性なのでしょうか。そして表題曲「Like A Virgin」、こちらも超名曲ですね。イントロから惹き込まれます。そして媚びたような、無邪気さの感じられる可愛い歌い方で悩殺してきます。くねくねと魅惑的に踊るPVも印象的です。「Over And Over」は爽快な楽曲。軽快なリズムが高揚感を煽り、ひたすら反復するキャッチーなフレーズが妙に耳に残ります。「Love Don’t Live Here Anymore」は少し影のある1曲。静かなサウンドにマドンナのソウルフルで力強い歌唱が響きます。じっくりと聴かせるメロウな楽曲で、渋さも感じます。「Dress You Up」はキラキラとした華やかなサウンドですが、緊迫感があります。メロディアスな歌はどこか切迫した雰囲気です。「Shoo-Be-Doo」はしっとりとしてメロディアスな楽曲。優しくも憂いのある歌声でゆったりと聴かせます。間奏でのレニー・ピケットによるサックスが渋い。やや地味な「Pretender」を挟んでラスト曲は「Stay」。時代特有のドラムサウンドですが、パーカッションが作る独特のリズム感が心地良いです。
1980年代を代表する2大名曲「Material Girl」と「Like A Virgin」が突出していますが、ニューウェイヴ全開のポップなサウンドは全体的に聴きやすく、魅力的な作品です。
1986年 3rdアルバム
マドンナの最高傑作の呼び声が高い作品です(個人的には前作に軍配が上がりますが)。全世界28ヶ国で1位を獲得する大ヒットとなり、本作からは5曲のシングルがリリースされました。プロデューサーにはパトリック・レナード、スティーヴン・ブレイ、マドンナの名が連なります。
オープニング曲は「Papa Don’t Preach」。ストリングスからメロウなシンセサウンドが鳴りますが、サウンドではベースが強烈で、くっきりとした輪郭を描きます。「未成年で未婚の出産」という当時の米国の社会問題をクローズアップした1曲で、憂いのあるメロディが特徴的です。「Open Your Heart」はニューウェイヴサウンドにファンキーなリズムを取り入れています。サビのメロディはどこか1990年代の邦楽のよう。マドンナのポップ曲は邦楽シーンにも大きな影響を与えているのでしょう。「White Heat」はグルーヴ感のあるベースとドラムがファンキーなリズムを刻みます。メロディは弱いですが、少しかすれた歌声が魅力的だったりします。「Live To Tell」はどこかエスニックな雰囲気を感じるゆったりとした1曲。こういう神秘的なサウンドは1980年代という時代を感じさせます。「Where’s The Party」は軽快なリズムでノリの良い楽曲。マドンナの歌唱は力強くて攻撃的な印象です。続いて表題曲「True Blue」。ゆったりとしつつもノリの良いリズムパターンが心地良くて、さらにキャッチーなメロディが耳に残ります。タイトルを背負うだけあって出来がよいですね。「La Isla Bonita」はうっすらラテンのフレーバーを取り入れています。メロディアスでじっくり聴かせますが、南国の雰囲気も感じられる1曲。「Jimmy Jimmy」はニューウェイヴサウンド全開のノリノリの楽曲です。アップテンポで爽快、そして優しくキャッチーなメロディが印象に残ります。そして最後に「Love Makes The World Go Round」。サンバのような明るい雰囲気に、キャッチーなメロディ。そして少し変則的なリズムがフックを引っ掛けます。
最高傑作と呼ばれることが多いようですが、前作のようなキラーチューンに欠け、個人的にはそこまでハマりませんでした。でもポップサウンドは聴き心地がよいですね。
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