🇺🇸 New York Dolls (ニューヨーク・ドールズ)
レビュー作品数: 1
スタジオ盤
1973年 1stアルバム
ニューヨーク・ドールズは米国ニューヨーク州出身のロックバンド。ケバいファッションに身を包んだメンバーは全員女装で、ステージ上での暴力行為やセンセーショナルな発言など、後のパンクロックに多大な影響を与えました。デヴィッド・ヨハンセン(Vo)とジョニー・サンダース(Gt)が中心となって1971年に結成。ほかシルヴェイン・シルヴェイン(Gt/Pf)、アーサー・”キラー”・ケイン(B)、ジェリー・ノーラン(Dr)のラインナップで本作が制作されました。トッド・ラングレンのプロデュース。
「Personality Crisis」で開幕。サウンドはキャッチーなロックンロールで、ピアノも軽快です。しかしヨハンセンの野太いボーカルが怒鳴るようにシャウトする。場違いな感じが強いです。「Looking For A Kiss」はT・レックスのようにグラムロック的なギターリフが印象的。前曲に比べるとヨハンセンは抑えめな印象です。ラストのキス音に嫌悪感…。ドラミングが印象的な「Vietnamese Baby」を挟んで、「Lonely Planet Boy」はアコースティックな音色が心地良い1曲。牧歌的な楽曲に響くサックスが渋いです。「Frankenstein (Orig.)」は6分に渡る本作最長の楽曲。メロディアスで哀愁が漂います。サビでの吐き捨てるような歌い方のボーカルスタイルは、後のパンクロックの台頭を想起させます。
レコード時代のB面、アルバム後半のオープニングは「Trash」。ノリの良い爽快なロックンロールです。アルバムもこの辺まで聴き進めるとヨハンセンのボーカルにも慣れてくるというか笑、抵抗感なく聴けます。「Bad Girl」は躍動感のあるドラムやヘヴィなリフが印象的なロックンロール。歌い方含めてクラッシュ等に影響を与えてるような気がします。爽快な「Subway Train」のあと、ハーモニカが特徴的な「Pills」。古臭いロックンロールですが、歌詞の反復などキャッチーさも兼ね備えています。「Private World」はブルージーなサウンドを支えるパーカッションが、賑やかで楽しい雰囲気を作っています。そしてラスト曲「Jet Boy」は疾走感に溢れるロックンロール。シンプルだけど爽快です。
ロックンロールの詰まった作品です。個人的にはそこまで引っかかるものはありませんでしたが、後発のパンクバンドに大きく影響を与えており、ルーツを知る上で聴いておいて損はないでしょう。
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