🇩🇪 Novalis (ノヴァリス)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

Sommerabend (過ぎ去りし夏の幻影)

1976年 3rdアルバム

 ドイツのシンフォニック系プログレバンド、ノヴァリス。1971年に結成しました。本作のラインナップはデトレフ・ヨーブ(Vo/Gt)、ハイノ・シュンツェル(B)、ルッツ・ラーン(Key)、ハルトヴィヒ・ビーライヒェル(Dr)。
 このジャケットに一目惚れしてジャケ買いしましたが、その後手放してしまいました。そのイラストと絵画の中間のようなジャケットアートは、てっきりアルフォンス・ミュシャの作品から拝借したものだと思い込んでいたのですが、マックスフィールド・パリッシュの「森の少女」(1900年作)という作品だそうです。
 楽曲は約9分半、10分半、18分の3曲構成。この構成にイエスを彷彿とさせますが、全体的にイエスほどフックは少なく、どちらかと言うとBGMとして聴くのに適した作品です。

 1曲目は全編インストゥルメンタルの「Aufbruch」。淡々と同一フレーズを繰り返すエレクトリックピアノと、ハードなギターがメインテーマのようで、展開する楽曲の中で所々このフレーズが現れます。ほの暗さを伴ったスペイシーな楽曲です。
 2曲目「Wunderschätze」はボーカル曲です。アコースティックギターが美しいアルペジオを奏で、メロトロンがムードを演出し、その上に哀愁漂う歌唱を披露してくれます(当然ドイツ語です。笑)。中盤や最終盤ではエレキギターが主導し、楽曲は加速して緊張感を増します。
 3曲目「Sommerabend」は5つのパートから成る組曲です。英訳すると「Summer Evening」となりますが、夏の夕暮れのようにまったりムードが漂う楽曲です。のんびりとしたサウンドですが、中盤突如サイレンのようなキーボードを皮切りにスリリングな展開が始まったりします。

 所々にハッとする部分はあるものの、全体的にはやや印象に薄く、BGM向きな作品です。

Sommerabend
Novalis
 
 
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