🇺🇸 The Velvet Underground (ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

The Velvet Underground And Nico (ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ)

1967年 1stアルバム

 ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、通称ヴェルヴェッツ。米国ニューヨークでアンダーグラウンドで活躍したバンドです。活動中はほとんど着目されませんでしたが、楽曲における前衛的なアプローチや、性におけるタブーやドラッグなどに切り込んだ歌詞は、後進のアーティストに多大な影響を与えています。
 ヴェルヴェッツはルー・リード(Vo/Gt)とジョン・ケイル(Vla/B)、スターリング・モリソン(Gt)、モーリン・タッカー(Dr)で結成。芸術家アンディ・ウォーホルのバックアップのもと活動し、アンディ・ウォーホルのプロデュースで本作のリリースにこぎつけました。アンディ・ウォーホルによってデザインされたバナナジャケットは非常に有名ですね。しかしアンディ・ウォーホルがゲストボーカルのニコを前面に押し、良い曲はニコに取られてしまったとしてメンバーの不満も大きかったようです。本作でニコは脱退。また本作を最後にアンディ・ウォーホルとの関係も断たれることになります。

 「Sunday Morning」で幕開け。チープなサウンドプロダクションの中で特に鉄琴のような音色が印象的ですが、これはチェレスタという楽器だそうです。また、ルーの歌唱は決して上手くはなくむしろ下手ですが、独特の気だるい歌唱は耳に残ります。続く「I’m Waiting For The Man」ではノイジーなギターサウンドが強烈。ガレージロック的なサウンドに、メロディに乗れていないヘタクソな歌も耳に残ります。笑 「Femme Fatale」ではニコがボーカルを取ります。穏やかなサウンドにハスキーなボーカルが乗ります。音が割れていて、ローファイな環境で作られた手作り感が溢れます。また「Venus In Furs」はインド音楽のようなオリエンタルな雰囲気を醸し出していて、サイケデリックロックによく見られるアプローチでしょう。「Heroin」では有名な一節「ヘロイン、それは俺の妻、俺の人生」という歌詞が聴けます。楽曲は穏やかで気だるく冗長な感じで進みますが、中盤から終盤にかけて耳障りでノイジーなサウンドに変貌してドンドンと加速、ハイになる感覚です。ジョンのヴィオラが不協和音を奏でて終始不気味な緊張感を放つ「The Black Angel’s Death Song」、そして小気味良く刻む荒いギターを中心にキンキンと不快な金属音が響く「European Son」等、ノイズ系のアプローチが目立ちます。

 本作は発売当初は3万枚程度しか売れなかったものの、数多くのミュージシャン、特にパンクのルーツとして大きな影響を与えたことから、後に歴史的名盤の評価を受けることになりました。でも万人に受け入れられるタイプの名盤ではなく、前衛的な作風は聴く人を選ぶと思います。

The Velvet Underground And Nico
(45th Anniversary Edition)
The Velvet Underground
 
 
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