🇩🇪 Amon Düül (アモン・デュール)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

Psychedelic Underground (サイケデリック・アンダーグラウンド)

1969年 1stアルバム

 西ドイツ出身のロックグループ、アモン・デュール。1967年に誕生した、ヒッピー文化に強い影響を受けた芸術グループです。翌年にはアモン・デュールは2つに分裂、プロミュージシャン志向の一派はアモン・デュールIIとして独立していきます。残されたアモン・デュール側のメンバーは、レイナー・バウアー(Gt)、ウルリッヒ・レオポルド(B)、ヴォルフガング・クリシュケ(Dr/Pf)、アンジェリカ・フィランダ(Dr/Vo)、エラ・バウアー(Perc/Vo)、ウッシ・オーバーマイヤー(Maracas)、ヘルゲ・フィランダ(Congas/Vo)。そして1stアルバムとなる本作では、ノイズまみれのヘヴィで混沌としたサイケデリックロックを展開します。

 アルバムは「Ein Wunderhübsches Mädchen Träumt Von Sandosa」で幕を開けますが、1曲目から17分という大作。微睡むようなベースに、強いノイズを施した12弦ギターをかき鳴らして、混沌とした印象です。そこにアグレッシブなパーカッションが加わって、スリリングな演奏を繰り広げます。歌もあるんですが、爆音パーカッションやノイズまみれの演奏に埋もれています。7分過ぎからはピアノが前面に出てきて場面を変えるものの、すぐさまノイジーな演奏で上書きしていきます。10分辺りからはノイズに埋もれながらもボーカルがシャウトし、混沌とした空間で呻くような奇妙な感じです。「Kaskados Minnelied」はインストゥルメンタル。ギターをヘヴィに唸らせながらインド音楽のようなエキゾチックな雰囲気を醸します。続く「Mama Düül Und Ihre Sauerkrautband Spielt Auf」はパーカッションが前面に出た、プリミティブな楽曲です。ボーカルも民族音楽のような感じ。
 レコードでいうB面は「Im Garten Sandosa」で幕開け。エキゾチックでヘヴィなサイケといった趣で、ひたすら反復する演奏はノイジーながらもトリップ感があります。比較的キャッチーなフレーズが聴けるものの、8分近い演奏は起伏に乏しく(ラストは緊張感がありますが)、少し冗長な感は否めません。「Der Garten Sandosa Im Morgentau」は他とは少しテイストが異なり、焦燥感を煽るホラーな雰囲気が漂っています。音数の少ない演奏に奇声を上げるボーカルが不気味。中盤からはエキゾチックな演奏に変わるものの、呻き声のようなボーカルが怖いです。ラスト曲は「Bitterlings Verwandlung」。冒頭に謎のコラージュがあってミクスチャーかと思えば、そこからギターをかき鳴らして焦燥感を煽ります。オペラ(?)をテープで流しながらバンド演奏でかき乱す、カオス極まりない変態的な楽曲でアルバムを締め括ります。

 サイケデリックロックに影響を受けつつ、プリミティブで非西洋的な側面も強いです。個人的には良さがあまり分かりませんでしたが、うまくトリップできると面白いのかもしれません。

Psychedelic Underground
Amon Düül
 
 

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