🇺🇸 Bruce Springsteen (ブルース・スプリングスティーン)

レビュー作品数: 2
  

スタジオ盤

Born To Run (明日なき暴走)

1975年 3rdアルバム

 ブルース・フレデリック・ジョセフ・スプリングスティーン、1949年9月23日生まれ。米国ニュージャージー州出身のミュージシャンで「ボス (The Boss)」の愛称で親しまれています。トータルセールスは全世界で1億3500万枚以上、うち米国だけで6500万枚以上売り上げています。
 バンド活動を経て1973年にソロデビュー作『アズベリー・パークからの挨拶』を発表。セールス的には振るわなかったものの、その後の地道なライブ活動で知名度を上げていきました。そして本作はスプリングスティーンの代表作の一つで、全米3位を記録。マネージャーのマイク・アペルと、ジョン・ランドーが共同プロデューサーとして名を連ねます。

 渋いハーモニカとともに「Thunder Road」の幕開け。ピアノ演奏とともにスプリングスティーンの渋い歌が乗り、途中から楽器が増えて躍動感に溢れてきます。気づくとどんどん引き込まれる、オープニング向きの爽快な楽曲ですね。「Tenth Avenue Freeze-Out」は華やかなホーンが楽曲を彩りますが、ホーンを除けば結構シンプルなつくりになっています。そして際立つのがしゃがれたパワフルな歌で、強い存在感を放ちます。続く「Night」は勢いのある爽快な1曲。軽快なピアノと、ドライブ感を生み出すベースがカッコ良いです。「Backstreets」は憂いを帯びたピアノで始まりますが、哀愁一辺倒かと思えばそうではなく、ヘヴィなオルガンが絡んだりドスの利いた歌&がなるようなシャウトが展開されたりと結構パワフルです。
 アルバム後半は表題曲「Born To Run」で開幕。疾走感のある爽快な楽曲で、高揚感を煽るイントロや間奏でのキレッキレなサックスソロ、終盤のスリリングな演奏など聴きどころに溢れています。でもどこか古臭い感じがするのは、ひと昔前(もっと前?)の邦楽にも通じるような雰囲気だからでしょうか?続いて「She’s The One」はダイナミックでパワフルな演奏が印象的。意識的なのかダンディな歌い方をしていますね。「Meeting Across The River」は落ち着いたピアノやトランペットがジャジーでメロウな演奏を行い、スプリングスティーンは渋く憂いを帯びた歌声でしっとりと聴かせます。じっくり浸った後のラストは、9分半に渡る「Jungleland」。ピアノをバックにしゃがれた渋みのある歌を繰り広げ、2分手前くらいから弾けます。ストリングスがドラマチックに盛り上げ、サックスがメロディアスに歌うかのように伸び伸び吹いています。終盤は静けさが訪れ、渋い歌を聴かせたあと再度盛り上がりを見せて終わります。

 ボブ・ディランのような詩、フィル・スペクターのような音作りを目指したそうです。時代を鑑みると少し古臭い印象ですが、とても渋みがあります。

Born To Run
Bruce Springsteen
 
Born In The U.S.A. (ボーン・イン・ザ・U.S.A.)

1984年 7thアルバム

 全世界で3000万枚以上を売り上げた、ブルース・スプリングスティーン最大のヒット作です。アルバムは全米1位を獲得し、また本作からは7曲ものヒットシングルを生みました。表題曲「Born In The U.S.A.」はベトナム戦争帰還兵の苦悩を歌った楽曲ですが、愛国歌として勘違いされて大きな支持を得ています。
 1982年初頭から制作を開始、前作『ネブラスカ』とほぼ同時並行で進めており、約80曲ほど作ったそうです。最終的に本作は12曲が収録されています。共同制作者にはジョン・ランダウ、チャック・プロトキン、スティーヴン・ヴァン・ザント。
 
 アルバムのオープニングは表題曲「Born In The U.S.A.」。1980年代らしいきらびやかなシンセと、力強いドラムをバックにスプリングスティーンが豪快に歌います。ひたすらリピートする「Born in the U.S.A.」のフレーズは愛国心を鼓舞するものだと勘違いしても仕方ないですね。USAコールしたくなりそうです。続く「Cover Me」はメロディアスな楽曲で、ノリは良いけれど哀愁も漂います。ソリッドなギターをはじめギラついたハードポップな印象に仕上がっています。「Darlington County」はカントリー調の楽曲ですが、素朴さは無く派手でゴージャスな仕上がり。牧歌的なメロディと、オルガンの音が気持ち良いです。「Working On The Highway」はリズミカルで勢いのある爽快な1曲。演奏は意外にスカスカですが、ドラムとスプリングスティーンの歌がグイグイ牽引します。「Downbound Train」は憂いのある楽曲。しっとりとしたメロディを渋い歌声で聴かせます。シンセの音使いに時代を感じますね。続く「I’m On Fire」もしっとりとした雰囲気です。テンポはかなり速いのですが音は静かで、湿っぽい感じがします。
 アルバム後半は「No Surrender」で幕を開けます。キャッチーで弾けるようなポップさ。少し古臭いものの青春って感じで、元気を貰える爽やかなロックンロールナンバーです。「Bobby Jean」は爽やかなのに哀愁漂う楽曲で、去っていった友人のことを歌っています。クラレンス・クレモンズによる間奏のサックスソロも味があって良いですね。「I’m Goin’ Down」は起伏少なくシンプルですが、これもサックスソロが締めてくれます。「Glory Days」はブルージーなギターで始まり、ローリング・ストーンズのような気だるくルースなノリのロックンロールを奏でます。それをゴージャスな演奏によって1980年代らしく飾り立てています。「Dancing In The Dark」は大ヒット曲。疾走感のあるロックンロールで、キャッチーなノリで駆け抜けます。アウトロのサックスがメロウで渋いですね。ラストは「My Hometown」で、バックの演奏は静かに控えめに、スプリングスティーンの渋い歌にじっくり浸れます。

 1980年代特有のキラキラした感じが逆に少し古臭さを感じますが、豪華に仕上がったポップなロックンロールが詰まっています。特に表題曲はオススメですね。

Born In The U.S.A.
Bruce Springsteen
 
 
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