🇬🇧 Caravan (キャラヴァン)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

In The Land Of Grey And Pink (グレイとピンクの地)

1971年 3rdアルバム

 キャラヴァンはイングランドのプログレバンドで、カンタベリーロックを築いたバンドの一つです。ワイルド・フラワーズが分裂、先に脱退したメンバーらがソフト・マシーンを結成、残ったメンバーがキャラヴァンを結成してワイルド・フラワーズは消滅します。メンバーはパイ・ヘイスティングス(Gt/Vo)、リチャード・シンクレア(B/Vo)と従兄弟のデイヴ・シンクレア(Key)、そしてリチャード・コフラン(Dr)の4人組。
 桜の季節が合いそうな、ピンクで柔らかいジャケットアートが魅力的な本作は、ジャケットどおりメルヘンチックでポップな仕上がりでキャラヴァンの代表作です。プログレ系をいくつか手掛けることになるデヴィッド・ヒッチコックのプロデュース作。パイ・ヘイスティングスの実兄ジミー・ヘイスティングス(Fl/Sax)らがサポートとして参加しています。

 オープニング曲は「Golf Girl」。リチャード・シンクレアの甘い歌声と、ポップで優しいメロディが魅力的な可愛らしい1曲です。牧歌的な演奏で、メロトロンやフルートの音色が良いアクセントになっています。「Winter Wine」は8分近い大作。甘くポップな歌メロが良い感じ。そして、コフランのドラムをはじめとして躍動感のある演奏が心地良く、程よいスリルを提供してくれます。中盤はちょっと荒いギターソロがありますが、爽快な演奏に少しメランコリックなメロディが素敵な1曲です。「Love To Love You (And Tonight Pigs Will Fly)」は7拍子のポップソング。パイ・ヘイスティングスがボーカルを取りますが、リズミカルな演奏も相まって心地良く耳に残ります。再びリチャード・シンクレアがマイクを取り、表題曲「In The Land Of Grey And Pink」。小気味良いアコギをはじめ、リズミカルで牧歌的な演奏が心地良い。
 アルバム後半、レコード時代はB面を丸々占めていた大作「Nine Feet Underground」。全8パートから成る23分の組曲です。アップテンポ気味で躍動感ある心地良い演奏を展開。時折メランコリックなメロディが陰を落としますが、全体的にはほのぼのしており、幻想的な世界へ連れて行ってくれます。5分半過ぎから第2パートへ、少しだけシリアスな歌メロパートを繰り広げます。9分頃からブルージーな演奏、そして不穏な演奏を経て12分手前で弾けます。哀愁漂うメロディを奏でながら、どんどん緊張感を増していきます。14分過ぎから第6パートで、やや落ち着くもののまだ緊張が漂います。ワウワウギターが印象的。16分過ぎからは美しくも物憂げな歌メロが特徴的な第7パートへ。じんわりと胸に染み入る良メロディです。そしてラスト3分は第8パート。急激に緊張が張り詰め、ヘヴィで激しい演奏で惹きつけます。とてもスリリングです。

 ポップセンスが光る、優しく牧歌的な名盤です。ジャケットだけでも手に取る価値がありますね。

グレイとピンクの地+5
Caravan
 

 

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 ワイルド・フラワーズから枝分かれしたバンド。

 
 リチャード・シンクレア(B)をはじめ、1970年代末にはメンバーの多くが一時的にキャメルへ加入。
 
 
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