🇬🇧 Happy Mondays (ハッピー・マンデーズ)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

Pills 'N' Thrills And Bellyaches (ピルズ・ン・スリルズ・アンド・ベリーエイクス)

1990年 3rdアルバム

 ハッピー・マンデーズ、通称ハピマン。英国マンチェスター出身のロックバンドです。ニュー・オーダーの名曲「Blue Monday」からバンド名を取りましたが、ニュー・オーダーと同じくファクトリーレコードに所属していました。ストーン・ローゼズらとともにマッドチェスタームーブメントの中心的な存在となりました。
 本作のラインナップはショーン・ライダー(Vo)、ポール・ライダー(B)、マーク・デイ(Gt)、ポール・デイヴィス(Key)、ゲイリー・ホエーラン(Dr)、そしてべズ(べズ)。笑 べズ、本当にクレジットにそう書かれているんだから面白い。楽器を演奏するでもなく、音楽的には貢献していないのですが、ステージで音楽に合わせて踊るマスコット的存在がべズなのです。でもダンサーという訳でもなく、その場のノリで適当に踊るだけ。しかしメンバーやファンに愛される、ハピマンに無くてはならない存在です。

 ショーン・ライダーの歌はあまり上手くはない気がします。サイケデリックで浮遊感のあるギターやキーボードを、グルーヴ感のあるベースやダンサブルなリズムを刻むドラムによってダンスナンバーに変えている、そんな作風です。特にポール・ライダーのベースのうねりは凄いです。 
 オープニングを飾る「Kinky Afro」はサイケデリックな浮遊感を感じさせる1曲です。ベースがグルーヴィ。キャッチーで取っつきやすい楽曲です。続く「God’s Cop」は、エコー処理されたボーカルや、浮遊感のあるシンセサイザーの音色によってトリップ感を演出します。でもドラムのリズムはとてもダンサブル。「Grandbag’s Funeral」では、荒々しいギターが主導し、浮遊感のあるサウンドから少し趣向を変えています。リズム隊は変わらずノリが良いです。ひと昔前のJ-POPを彷彿とさせるサウンドやメロディの「Dennis And Lois」は、少し古臭さを感じますが聴きやすいですね。気の抜けるリコーダーのようなサウンドと、色っぽい吐息のギャップが印象的な「Bob’s Yer Uncle」。また、軽快なピアノも良いですが、リズム隊のグルーヴ感があまりに凄まじい「Step On」はオープニング曲に匹敵する聴き所でしょう。

 陽気でダンサブルで、グルーヴィ。能天気な楽曲は楽しい気分にさせてくれます。本作は全英1位を獲得しました。

Pills ‘N’ Thrills And Bellyaches
Happy Mondays
 
 
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