🇺🇸 Journey (ジャーニー)

レビュー作品数: 5
  

スタジオ盤

Infinity (インフィニティ)

1978年 4thアルバム

 ジャーニーは米国のバンドで、1973年に結成されました。当初はインストゥルメンタル主体のプログレハードバンドでしたが、セールス的にあまり振るわず、テコ入れとしてスティーヴ・ペリー(Vo)を迎え入れました。驚異的なハイトーンボイスの持ち主であるスティーヴ・ペリーの表現力と作曲への貢献もあって、バンドはメロディアスなロックへと舵を切ることになります。プログレ風の作風は残しつつメロディアスな楽曲を聴くことができます。
 クイーンのプロデューサーとしても知られるロイ・トーマス・ベイカーがプロデュース。宇宙を描いたジャケットアートも暫く続くことになります。

 ラインナップは、新加入のスティーヴ・ペリー、ニール・ショーン(Gt)、グレッグ・ローリー(Key/Vo)、ロス・ヴァロリー(B)、エインズレー・ダンバー(Dr)の5人となります。
 いきなりの名曲「Lights」から始まります。ジャーニーの代表曲にはバラードが多いですが、これもそのうちの1つ。伸びやかに歌うスティーヴ・ペリーのボーカルが素晴らしいです。また、アコギのアルペジオやピアノが美しい「Patiently」も、シンプルに良いバラードです。中盤のドラマチックな間奏も良い。そして本作のハイライト「Wheel In The Sky」。街中でもたまに耳にするこの楽曲は、どことなく哀愁を感じるミドルテンポナンバー。メロディアスな1曲です。「Winds Of March」はオルガンやギターソロなどの間奏にプログレ風味を感じる、ダークさを纏ったドラマチックな1曲です。

 本作は全米300万枚を超える大ヒットを記録し、バンドの方向性を決定づけました。本作と続く2作を含めて出世三部作とも呼ばれます。

Infinity
Journey
 

Evolution (エヴォリューション)

1979年 5thアルバム

 前作の色違いなだけのような、宇宙的なジャケットアート。出世三部作の2作目となります。前作に引き続き、ロイ・トーマス・ベイカーがプロデューサーに就きました。彼のアプローチにバンド側は不満があったようで、ロイ・トーマス・ベイカーとの共作は本作までとなります。
 ドラマーがエインズレー・ダンバーからスティーヴ・スミスに交代しています。基本的には前作の延長ですが、徐々にスティーヴ・ペリーの発言力が増し、バンド内のパワーバランスが変わりつつあったようです。

 メドレー様式の「Majestic」と「Too Late」に僅かながらプログレ要素を感じなくはないですが、爽やかでメロディアスなハードロックといった要素が強く、「City Of Angels」や「When You’re Alone (It Ain’t Easy)」、「Do You Recall」等はストレートなハードロックを聴かせてくれます。サウンド的にはとても聴きやすいのですが、フックが強力な楽曲が少なく、聴き終えてもあまり印象に残らなかったりします。

 そんな本作では「Lovin’, Touchin’, Squeezin’」がハイライトでしょう。ナーナーナ ナーナーナ…の連呼がとても耳に残るキャッチーな1曲です。逆に言うと、聴き心地は良いものの、聴き終えてなお耳に残る1曲がこれくらいだったりしますが…。なお、前作同様に全米300万枚を超える大ヒットを記録しました。

Evolution
Journey
 

Departure (ディパーチャー)

1980年 6thアルバム

 出世三部作の最終章、『ディパーチャー』。黄金虫のような虹色に輝く宇宙船が地球(?)を目指して宇宙を駆けています。
 ロイ・トーマス・ベイカーに不満のあったバンドは、ケヴィン・エルソンとジェフ・ワークマンをプロデューサーとして迎えました。

 アップテンポ曲「Any Way You Want」で始まりますが、これが出色の出来。ジャーニーの中でも5本の指には入る名曲です。ニュース番組でもテーマ曲に選曲されたり、街中でもよく耳にするとてもキャッチーでストレートなラブソングです。スティーヴ・ペリーのハイトーンボイスや、サビのコーラスワークが気持ちいい。もう一人のボーカル、グレッグ・ローリーがスティーヴ・ペリーとともに歌う「Someday Soon」も華やかなサウンドのなかに渋さがあってなかなか良いです。コーラスワークがキャッチーな「Where Were You」、オルガンも加わってヘヴィな音色を奏でるシリアスな「I’m Cryin’」も良い。そしてノリノリロックンロールな「Life On Fire」はピアノも弾んでとてもキャッチーで、本作では「Any Way You Want」に次ぐ名曲です。

 本作は前作、前々作同様に全米300万枚以上の売り上げを記録。またチャートも、前々作がビルボードチャート最高21位、前作が20位だったのですが、本作では8位と着実に出世街道を歩んでいます。ロックンロール色が強く、ノリの良い楽曲が多いので、とても聴きやすいです。しかしライブ映えする楽曲群は、ライブの方が更に迫力があったりしますが。笑

Departure
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Escape (エスケイプ)

1981年 7thアルバム

 昆虫型宇宙船が崩壊する惑星からエスケイプするジャケットアートが印象的な本作は、ジャーニー最大のヒット作であるだけでなく、1980年代を代表する名盤です。ちなみにジャケットのタイトルは「E5C4P3」と表記されていますね。
 オリジナルメンバーだったグレッグ・ローリー(Key/Vo)が脱退し、ジョナサン・ケイン(Key/Gt)が加入。彼の加入によって作曲面でよりメロディアスになります。ロッキング・オンの渋谷陽一氏によって産業ロックと揶揄されましたが、大衆向けのメロディアスなハードポップがここに完成します。日本人好みなメロディアスな楽曲群で、街中やテレビなどあちこちで耳にしますね。前作の共同プロデューサーの一人ケヴィン・エルソンと、マイク・ストーンによってプロデュースされました。

 ジャーニー屈指の名曲「Don’t Stop Believin’」で幕開け。静かなイントロから後半に向けて徐々に盛り上がっていきます。ジョナサン・ケインのピアノによって綺麗に彩られ、短いパートながらも魅せてくれるニール・ショーンのギタープレイ。そしてどこまでも伸びるスティーヴ・ペリーのハイトーンボイス。とても爽やかな名曲です。続く「Stone In Love」も、ハードロックなテイスト。こちらはロス・ヴァロリーのベースや、スティーヴ・スミスのドラムといったリズム隊が活躍を感じられます。間奏のギターソロも天を舞うような気持ちよさ。しっとりとした「Who’s Crying Now」を挟んで、目が覚めるような爽快な疾走曲「Keep On Runnin’」。そしてメロディアスなバラード曲「Still They Ride」でまたも切ない気分にさせてくれます。美しいピアノとスティーヴ・ペリーの歌唱が美しい楽曲ですが、間奏のギターはやはり爽快。
 レコードでいうB面は表題曲「Escape」で始まりますが、爽快なアップテンポ曲。コーラスワークによって耳馴染みの良い「Lay It Down」、アメリカンな空気を感じさせるカラッとして軽快なロックンロール曲「Dead Or Alive」と、アッパーな楽曲が続きます。そして一転してシリアスな空気を醸し出すバラード「Mother, Father」は、なんとなく涙を誘う切なさがあります。そしてラスト曲で、オープニング曲に並ぶジャーニー屈指の名曲「Open Arms」。ジャーニーといえばこの楽曲を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。美しいピアノをバックに、スティーヴ・ペリーが歌い上げるシンプルなバラード。そして徐々に楽器が増えて感情を高ぶらせます。サビで一気に開放する感じがまた良い。

 全米900万枚以上、全世界で1000万枚以上を売り上げ、ビルボードチャートも堂々の1位を獲得しました。
 本作は良バラードの宝庫で、バラードの合間に入る疾走曲も爽快。本当に捨て曲がなく、この聴きやすさは洋楽入門にも向いているかと思います。

Escape
Journey
 

Frontiers (フロンティアーズ)

1983年 8thアルバム

 前作同様にマイク・ストーンとケヴィン・エルソンのプロデュース。米国だけで600万枚以上を売り上げる大ヒットを果たしたものの、マイケル・ジャクソンの怪物的なヒット作『スリラー』があまりに長期間チャートの1位を独占し続けたために(通算37週1位)、本作は9週連続2位を記録するもついに1位を取ることができませんでした。『スリラー』に1位を阻まれた作品はいくつもあり、ヴァン・ヘイレンの傑作『1984』もその代表でしょうね。

 ジャーニー1、2を争う超名曲「Separate Ways (Worlds Apart)」が鳥肌が立つほどとにかくカッコいい。ジョナサン・ケインのシンセサイザーが鳴り響き、バックではハードな演奏。スティーヴ・ペリーのシリアスさを伴った歌唱も鳥肌ものです。また、「Faithfully」もとても美しい1曲で、ピアノとボーカルだけのシンプルにメロディの美しさを強調し、後半に向けて盛り上がる展開はまさに王道バラードです。ハードロックナンバー「Edge Of The Blade」もカッコいいです。強烈なドラムでライブ映えしそうな楽曲「Back Talk」や、ラスト曲「Rubicon」もメロディアスでとても耳に残ります。

 メロディアスで耳馴染みの良い楽曲揃い。ただし個人的には、本作は「Separate Ways (Worlds Apart)」というずば抜けた名曲を聴くためのアルバムといった感じです。

Frontiers
Journey
 
 
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