🇨🇦 Maneige (マネイジュ)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

Ni Vent... Ni Nouvelle (御伽の国へ)

1977年 3rdアルバム

 マネイジュはカナダのケベック州出身のプログレバンドです。1972年にアラン・ベルジェロン(Fl/Pf)とジェローム・ラングロワ(Key)によって結成。そこにジル・シェターニュ(Dr/Perc)、イヴ・レオナール(B/Perc)、ポール・ピカード(Perc)が加わった5人組としてスタートを切ります。1974年にヴィンセント・ラングロワ(Pf/Gt/Sax)とデニス・ラピエール(B/Dr)が加入するも、ジェロームが2ndアルバム後に脱退。本作はバンドメンバー6人の大所帯に加えて、アンドレ・ペルチャット(Sax)、ジャン・プレフォンテーヌ(Va)、シャンタル・レミラール(Vn)、デニス・ルピエン(Vn)がクレジットされています。
 私はたまたま見かけたこの幻想的なジャケットアートに惹かれて聴いてみました。全編インストゥルメンタルで、ジャケットに似つかわしいファンタジックな楽曲もあれば、フュージョン的な楽曲もあります。

 2分に満たない「Le Gai Marvin」で幕開け。そよ風のようなフルートが心地良く、そこにジャム風のバンド演奏が絡み、時折ベースが引き締めます。爽やかな1曲です。続く「La Fin De L’Histoire」ではチャイムが鳴り響き、フルートは優雅なのですが、徐々にヴァイオリンやリズム隊が緊張を高めていきます。緊張が極限まで達すると、トリッキーで複雑な変拍子を繰り広げながらもリズミカルで楽しげな雰囲気へと変わります。6分に渡る「Les Folleries」は本作中でも特にフュージョン色の強い1曲。変拍子で緊張に満ちた演奏をフルートが少し和らげますが、フルートが後退するとスリリングな演奏バトルへと様変わり。ギターやサックスが掛け合いを繰り広げ、シンセベースとラテンなパーカッションがノリノリのビートを刻みます。即興的な演奏がスリリングでとてもカッコ良いです。「Les Épinettes」は前曲の熱を冷ますように、静かで叙情的な雰囲気。ピアノやビブラフォンが切なさを引き立てます。後半はフルートやチャイム、ストリングスが幻想的かつドラマチックに盛り上げてきます。「Mambo Chant」は序盤で美しいピアノに浸れます。場面転換後は結構ベースが際立っていますね。シンフォニックロックを繰り広げますが、終盤は手数の多いドラムが目立ちフュージョン色が強くなります。
 そしてアルバムは後半に突入。「Douce-Amère」はワルツ風のノリの良いスタートを切りますが、徐々に複雑化。中盤はコーラスが盛り上げます。そして後半はホラー映画のような不気味なトーンになり、そこから緊張を高めていきます。その後はメロディアスなギターが主旋律を奏で続けます。続く「Le Gros Roux」は木琴を中心に複雑な変拍子を刻むも、時折ドライブ感のある爽快なバンド演奏を聴かせます。後半は複雑なリズムでどんどんテンポを上げて緊張を高めます。「Au Clair De La Prune」は前半サックスが活躍する機会が多く、比較的フュージョン寄りな印象。後半はフルートが美しく穏やかな音を奏でて幻想的です。「11 Juillet」は静かで瞑想的な音を奏で、キング・クリムゾンの「静」の部分にも似た静寂。途中からグルーヴィなベースやサックスを中心に、ジャジーでスリリングな演奏へと変わります。ドラムソロを経てシンセやフルートが加わると、幻想的な雰囲気を纏ってきますが、ラストは難解で偏屈な感じ。最後は1分半ほどの小曲「Time Square」で、アップテンポで陽気な演奏で締め括ります。

 シンフォニック系にもジャズフュージョン系にも振れる面白いバンド編成で、フルートやピアノが主導する幻想的なシンフォ系楽曲が多いものの、時折フュージョン寄りのスリリングな演奏も聴かせてくれます。

Ni Vent… Ni Nouvelle
Maneige
 
 
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