🇺🇸 The Offspring (オフスプリング)

レビュー作品数: 2
  

スタジオ盤

Smash (スマッシュ)

1994年 3rdアルバム

 オフスプリングは米国カリフォルニア州出身のパンクバンドです。デクスター・ホーランド(VO/Gt)、ヌードルズ(Gt)、グレッグK(B)、ロン・ウェルティー(Dr)の4人で結成。1984年から活動を始めていて、1989年にデビュー。
 さて本作はオフスプリングの3rdアルバムとなりますが、全世界で1400万枚以上売り上げたというインディーCD史上最も売れたアルバムです。彼らの大出世作となっただけでなく、本作の大ヒットによって、同年に大ヒットを飛ばしたグリーン・デイとともに1990年代のパンクブームを牽引しました。トム・ウィルソンのプロデュース。

 イントロダクションにあたる「Time To Relax」で短いナレーションを入れたあと、「Nitro (Youth Energy)」で開幕。イントロのドラムが高揚感を煽り、ヘヴィなギターリフが加わると素晴らしい疾走感。哀愁を伴ったメロディアスな歌で掴みは抜群です。「Bad Habit」は静かな空間にベースが響きます。そして加速する。ヘヴィなサウンドにキャッチーさもあって、とてもカッコいい。「Gotta Get Away」はイントロでドラムから始まりベースが加わり、そしてギターが…と楽器が増えていく王道ですが、こういう展開ワクワクするんですよね。歌はメロディアスで聴きやすいです。高速ギターで始まる疾走曲「Genocide」。ノリが良くて、聴く人を煽ります。続くメロディアスな「Something To Believe In」も疾走曲。疾走曲が続きますが、少し流れを変えるのは「Come Out And Play」。オリエンタルなフレーズによってアルバムに良いアクセントとなり、単調な流れを避けます。ミドルテンポ曲「Self Esteem」で一息おいたあと、「It’ll Be A Long Time」でまた疾走し、続く「Killboy Powerhead」も同様、終盤に向けて疾走曲が続きます。スカ風の「What Happened To You?」はコミカルな雰囲気でキャッチー。これが一番好みかな。本作においては異色の1曲ですが、終盤に際立つ名曲です。そして疾走曲連発。「So Alone」に続いて、ベースが主導する「Not The One」、そしてメロディアスなラスト曲「Smash」。最後にテンポを落として終わります。しばらくの空白ののち隠しトラックも入っています。

 ヘヴィなサウンドですが、メロディはとてもキャッチーで聴きやすいです。インディー史上最大のヒットもうなづける名盤です。

Smash (Reis)
The Offspring
 
Ixnay On The Hombre (イクスネイ・オン・ジ・オンブレ)

1997年 4thアルバム

 中学時代に文化祭でバンドやろうと当時の同級生に声をかけられ、その時に借りたCDがこれ。今にして思えば洋楽初体験だったかも。当時は音楽自体ほとんど聴かなかったため「なんだこのうるさい音楽は」という印象でした。バンドを組んで挑んだ文化祭でも雑な演奏しか出来なかったので、苦い(?)思い出と一緒に長らく封印されてきた本作。笑 十数年経ってロックを色々巡った末に、ふと思い立って久々に聴いたら、これが非常にカッコいいこと。もし当時からパンク好きだったなら、一発でハマっていただろうなぁ。
 そんな思い出はさておき、本作はオフスプリングの4作目。オフスプリング自身でレーベルを立ち上げてリリースされた本作は全世界で600万枚以上の売上を記録しました。デイブ・ジェルデンのプロデュース。

 イントロダクションにあたる短いナンバー「Disclaimer」。ナレーションのバックで音量を抑えられた演奏が聞こえ、そのまま流れ込むように爆音で始まる「The Meaning Of Life」。2曲合わせて素晴らしいオープニング演出です。この「The Meaning Of Life」は切れ味の鋭いメタリックなサウンドですが、キャッチーで、しかも疾走感が凄まじくて気持ち良い。そして歌もメロディアスで耳馴染みが良いのです。非常にカッコいい1曲です。続く「Mota」も破壊力抜群です。イントロではパワフルなドラムが高揚感を煽り、「モッタ…」の掛け声とともに勢いよく疾走する。ギターの奏でるサウンドはキャッチーで、歌も耳に残ります。一旦テンポを落とす「Me & My Old Lady」は、中東風のオリエンタルな雰囲気を醸すヘヴィな1曲です。でもメロディは聴きやすい。そして「Cool To Hate」はイントロなしに歌から始まる疾走曲。これもカッコいい。2分足らずの疾走曲「Leave It Behind」を挟んで、どっしり構えた「Gone Away」。哀愁あるサウンドに乗せて、悲痛なボーカルが突き刺さる1曲です。デクスター・ホーランドの亡くなった彼女に捧げた1曲だそうです。だからこんなにも心に刺さるのか…。一転して「I Choose」では明るい曲調でポップな感じ。そして「Intermission」は次曲を盛り上げるための小休止的な1曲で短いインストゥルメンタルです。そして流れるように始まる後半の山場「All I Want」。「ヤーヤーヤーヤーヤー!」で始まる非常にハイテンションな1曲です。2分足らずのあっという間の1曲ですが、非常にキャッチーなので強い存在感を放つオフスプリングの代表曲です。めちゃくちゃカッコいい。続く「Way Down The Line」でも引き続き疾走。「Don’t Pick It Up」も疾走曲ですが、スカ風でノリノリ。ダークな雰囲気を纏った哀愁曲「Amazed」を挟み、ラスト曲「Change The World」。怪しげなイントロからパワフルな楽曲が飛び出してきます。でもどことなく哀愁を伴ったメロディ。

 前作の延長にある作品で、お好きな方を手に取ると良いでしょう。個人的には色々と思い入れもあり、これが最高傑作だと思っています。「The Meaning Of Life」、「Mota」、「All I Want」という非常に強烈なナンバーを収録している点でもおすすめです。

Ixnay On The Hombre
The Offspring
 
 
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