🇬🇧 Cream (クリーム)

レビュー作品数: 2
  

スタジオ盤

Disraeli Gears (カラフル・クリーム)

1967年 2ndアルバム

 イングランド出身のロックバンド、クリーム。ブルースにサイケの要素を取り入れたラウドな演奏で、ハードロックの基礎を作った重要バンドです。ジンジャー・ベイカー(Dr/Vo)がエリック・クラプトン(Gt/Vo)を誘い、そしてジャック・ブルース(B/Vo)を加えて1966年にクリームを結成します。ですがベイカーとブルースはバンド結成以前から仲が悪く、1968年のバンド解散も彼らの仲違いが理由だったそうです。僅か2年半の活動でしたが、ハードロックシーンの形成に大きな影響を与えました。
 そして本作はハードロック黎明期の名盤と名高い1作です。自転車を買おうとクラプトンとベイカーが話していたところに、スタッフが「Derailleur Gears (変速機)」と英国首相ディズレーリを混同した「Disraeli Gears」と言い間違えたことを、メンバーが面白がってアルバムタイトルにしたそうです。フェリックス・パパラルディのプロデュースで、僅か3日半でレコーディングを終わらせたのだとか。

 オープニングを飾る「Strange Brew」。ゆるっとしたテンポですが、クラプトンのサイケ色を纏ったギターは鋭利です。ファルセット気味に歌うのはクラプトン。そして「Sunshine Of Your Love」はクリームの代表曲です。怪しく耳に残るヘヴィなギターリフとベース、そして力強いドラムもゾクゾクしますね。クラプトンとブルースがボーカルを取ります。一転して「World Of Pain」は優しくメロディアスな楽曲です。ワウペダルを用いてワウワウ歪むギターが特徴的ですね。「Dance The Night Away」は鋭いサウンドですが、サイケデリックで幻覚的な感覚も強いです。そしてメロディアスでキャッチーな旋律と、甘い歌声に魅せられます。「Blue Condition」はベイカーが歌う1曲。素朴な歌声に、テンポの緩やかな演奏も相まって牧歌的な感じがします。
 レコードでいうB面、アルバム後半はブルースがボーカルを取る「Tales Of Brave Ulysses」で幕を開けます。ワウワウとしたギターが際立ちますが、リズム隊も骨太で中々魅力的。「SWLABR」はエッジの効いたイントロからハードロック感があります。躍動感があって気持ちの良いハードな演奏に、ブルースの歌もご機嫌です。「We’re Going Wrong」はメロウで落ち着いたテンションですが、ベイカーのドラムだけは一人ダイナミズムに溢れています。クラプトンの歌う「Outside Woman Blues」はギターリフが耳に残りますね。短いフレーズの反復で中毒性があり、中盤にはつんざくようなギターソロも交えて見せ場がたっぷりです。そして「Take It Back」はリズミカルな演奏と、渋いハーモニカの音色が特徴的。気だるげでノリの良いブルージーなロックンロールです。ラスト曲「Mother’s Lament」はメンバー3人の渋い合唱に、ピアノをアクセントとして加えています。後半は明るく盛り上がります。

 ブルースやサイケが入り混じった演奏ですが「SWLABR」は分かりやすいハードロック曲ですね。

Disraeli Gears
Cream
 
Wheels Of Fire (クリームの素晴らしき世界)

1968年 3rdアルバム

 スタジオ録音パートとライブ録音パートが混ざった2枚組アルバムです。3人が対等で優れた演奏力でぶつかり合い、ライブでは即興演奏を繰り広げました。原曲は5分程度なのに、ライブだと10分以上に拡張されています。この演奏スタイルは後のハードロックバンドにも大きな影響を与えました。

 1枚目はスタジオ録音パートです。「White Room」はクリームの名曲として名高い楽曲です。骨太なドラムにキンキンと唸るギターが若干ハードな感触ですが、ジャック・ブルースの歌は渋くも優しい感じです。続く「Sitting On Top Of The World」はスローテンポでブルージーな楽曲です。エリック・クラプトンの弾くつんざくようなギターが鋭いですが、全体的にはゆったりムードが漂います。そして後半の間奏パートになると激しさを増します。そして「Passing The Time」は緩急富んだ楽曲です。冒頭は緊張が張り詰めますが、歌が始まると鉄琴やストリングスを鳴らしながら子守唄のような優しさに溢れます。そして中盤はテンポアップして激しい演奏バトルを展開。中々スリリングです。「As You Said」はヘヴィなアコギをかき鳴らし、エキゾチックな感覚が漂います。ハードなサイケデリックロックといった感じの仕上がりですね。
 スタジオ録音パートの後半は「Pressed Rat And Warthog」で幕開け。ジンジャー・ベイカーが歌う…というよりトークを繰り広げます。ホーンの音色がポップな感じ。「Politician」は重低音を効かせたリフが怪しげですが、ブルースの歌は比較的聴きやすいですね。後半はギターをいくつも重ねてハードかつ心地良い浮遊感があります。そして「Those Were The Days」は躍動感ある演奏が爽快。間奏の激しいギターソロも含めてハードロックな演奏を繰り広げますが、ブルースの歌は甘く優しいです。「Born Under A Bad Sign」は低音を効かせて怪しい雰囲気が立ち込めつつ、渋くブルージーでもあります。最後の「Deserted Cities Of The Heart」は比較的テンポの速い楽曲です。アコギをハードにかき鳴らして軽快さも持ち合わせています。後半の間奏はとてもアグレッシブで、激しい演奏を展開します。

 そして2枚目はライブ録音パートです。「Crossroads」はブルースミュージシャンのロバート・ジョンソンのカバー曲ですが、クリームの名演で有名ですね。クラプトンの激しいギターが引き立ちますが、ブルースの弾くベースもカッコ良いし、後半に向かうにつれてアグレッシブになるドラムもスリリングです。続く「Spoonful」はウィリー・ディクソンのカバー曲。スタジオ録音では6分半ほどですが、このライブでは即興を交えて17分近くに拡張。スローテンポで気だるげな演奏に乗るブルースの歌は、シャウト気味でパワフルですね。歌が終わると長尺の即興演奏でスリリングなバトルを繰り広げますが、長すぎて正直少しダレます。続いて「Traintime」はブルースの吹くハードなハーモニカと、ベイカーの小気味良いドラムが疾走感を生み出します。「Toad」は16分に渡るインストゥルメンタル。耳に残るリフに始まりますが、メインはベイカーのドラムソロです。13分以上ドラムソロが続くので、少し冗長かも…。

 長尺に引き伸ばされた即興演奏は少し冗長な場面もありますが、ライブパートでは「Crossroads」が必聴です。

Wheels Of Fire
Cream
 
 

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 クリーム解散後にエリック・クラプトンとジンジャー・ベイカーらが結成。

 
 エリック・クラプトンのソロ。
 
 
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