🇺🇸 Mötley Crüe (モトリー・クルー)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

Dr. Feelgood (ドクター・フィールグッド)

1989年 5thアルバム

 モトリー・クルーは米国カリフォルニア州ロサンゼルス出身のヘヴィメタルバンドです。ヘアスプレーで膨らませた髪やグラムロックのような化粧、レザーの衣装など、派手な見てくれでLAメタルの代表格として知られます。なおLAメタルとは日本独自の造語で、海外ではグラムメタルと呼ばれます。
 1981年に結成し、メンバーはヴィンス・ニール(Vo)、ミック・マーズ(Gt)、ニッキー・シックス(B)、トミー・リー(Dr)。メンバーが重度のドラッグ・アルコール中毒で、ヴィンスは飲酒運転で交通事故を起こして同乗していたハノイ・ロックスのドラマー、ラズルの死を招いて収監されたり、ニッキーはドラッグの過剰摂取で一時心肺停止になるなど破天荒を極めました。ニッキーの臨死体験からメンバーがドラッグを断って初めて制作されたのが本作。プロデューサーにはボブ・ロックを招き、またゲストにエアロスミスのスティーヴン・タイラーをはじめ、ブライアン・アダムスや、チープ・トリック、スキッド・ロウのメンバー等が参加しています。

 SEなどが混じった短いインスト曲「T.N.T. (Terror ‘N Tinseltown)」から続けざまに始まるのは、表題曲「Dr. Feelgood」。ヘヴィなリフからダーティな演奏が始まります。印象的なリフを中心に重低音が響き渡るノリノリなサウンド、そして比較的高音のダミ声がキャッチーなメロディを歌い上げます。ワルな雰囲気の溢れる爽快なロックンロールでとてもカッコ良いです。実際破天荒な行動で、見かけだけじゃないワルだったみたいですが…。続く「Slice Of Your Pie」は引きずるように重たいブルージーなヘヴィメタル曲。終盤にはビートルズの「I Want You (She’s So Heavy)」をまんま演奏しています。「Rattlesnake Shake」はグルーヴ感抜群のファンキーな1曲で、ベースがカッコ良い。自然と身体がリズムを刻みたくなります。派手なブラスでゴージャス感に溢れています。続いてバイク音のようなギターで始まる「Kickstart My Heart」は人気の楽曲。弾けるようなノリの良さで、疾走感に溢れるロックンロールです。ザクザク刻むギターが強烈で、また終盤の銃声のようなパワフルなドラムもインパクトがあります。でも歌はコーラスも相まって、楽しそうな雰囲気がガンガン出ているんですよね。「Without You」はスローテンポのメロウなバラード。メロディや演出で泣かせにかかってくるのですが、どうもこの声質とはあまり合わない気がします。「Same Ol’ Situation (S.O.S.)」はヘドバンしたくなるような、縦ノリの気持ちの良いロックンロールです。キャッチーな歌メロも良いですが、それ以上にこのビート感がたまりません。元気の出る楽曲です。オールドロックを匂わせるハードロック曲「Sticky Sweet」や、地を這うようなベースがカッコ良い「She Goes Down」を挟んで、名曲「Don’t Go Away Mad (Just Go Away)」。歌からほんのりと漂う哀愁と渋さ。そして演奏はギターがギュインギュイン唸り、また暴れ回るベースがカッコ良い。終盤に向けて加速するように盛り上がる展開も良いです。そしてラストはバラード曲「Time For Change」。派手な楽曲が並ぶ中、しっとりとした雰囲気を見せます。ベタな展開ですが、メロディも含めて良い感じ。

 見かけの派手さは分からずとも、ド派手なサウンドでゴージャス感は伝わってきます。少し悪びれていて、ノリの良いハードロック曲の詰まった作品です。

Dr. Feelgood
Mötley Crüe
 
 
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