🇺🇸 Santana (サンタナ)

レビュー作品数: 2
  

スタジオ盤

Abraxas (天の守護神)

1970年 2ndアルバム

 カルロス・サンタナはメキシコ出身のギタリストで、1947年7月20日生まれ。少年期に米国カリフォルニア州サンフランシスコへ引っ越しています。そしてカルロス・サンタナを中心とし、サンフランシスコで結成されたラテンロックバンドがサンタナです。
 1966年にサンタナ・ブルース・バンドを結成、その後サンタナに改名。カルロス・サンタナ(Gt/Vo)、グレッグ・ローリー(Key/Vo)、デイヴ・ブラウン(B)、マイケル・シュリーヴ(Dr)、ホセ・チェピート・アリアス(Perc)、マイケル・カラベロ(Perc)のラインナップで、1969年に1stアルバム『サンタナ』をリリースします。そして翌年、同ラインナップで本作を発表、全米1位を獲得しました。

 オープニング曲はインストゥルメンタル「Singing Winds, Crying Beasts」。重ためなピアノに泣きのギターが絡み、静かで渋い雰囲気です。中盤からはグルーヴィなベースやポコポコ鳴るパーカッションが牽引し、歪んだ鍵盤と合わさって、落ち着いているけど幻覚的な印象を受けます。続いて「Black Magic Woman/Gypsy Queen」はそれぞれフリートウッド・マックとガボール・ザボのカバーで、2曲をメドレー風に繋いでいます。前者はシングルカットされて全米4位の大ヒットとなりました。パーカッションが生むラテンのリズムにメロウなギターを乗せ、ローリーが歌っています。後半はテンポアップし、アグレッシブでロック色の強いスリリングな演奏バトルを繰り広げます。「Oye Como Va」はギロの鳴るパーカッシブなリズムにラテンな歌で陽気な感じ。ハモンドオルガンが良い味を出しています。「Incident At Neshabur」はリズムチェンジを駆使して緩急富んだインストゥルメンタル。疾走感溢れるスリリングなスタートを切ったかと思えば、ハードロック+ラテンのようなハードかつキャッチーなメロディを奏で、かと思えばメロウで落ち着いた演奏を聴かせたりもします。
 ここからはレコードでいうB面、アルバム後半に突入。「Se Acabó」はパーカッションがノリの良いビートを刻みますが、ギターは結構荒々しく、そしてハモンドオルガンも吠えます。キレがあって魅力的な楽曲です。「Mother’s Daughter」はイントロからスリリングに疾走。歌が始まると急にスピードダウンしてしまいますが、歌と演奏の掛け合いは結構耳に残ります。疾走パートはゴリゴリしたギターやベースなどカッコ良いです。続く「Samba Pa Ti」はサンバとタイトルに付くものの、陽気でノリノリな感じではなく、メロウでしっとりと聴かせるタイプのインストゥルメンタルです。盛り上げる場面では、粗削りなハモンドオルガンや泣きのギターが哀愁を誘います。「Hope You’re Feeling Better」はヘヴィなオルガンが奏でるフレーズが耳に残ります。シャウト気味のパワフルな歌唱や長尺のギターソロなどは旧き良きハードロックですが、パーカッションが際立つのがサンタナ流でしょうか。ラスト曲「El Nicoya」は僅か1分半の楽曲。怒涛のパーカッションにスペイン語(?)の歌を挟んだ、ラテンでノリの良い楽曲で締めます。

 粗削りなハードロックにラテンのノリの良さを組み合わせ、やや古臭いもののキャッチーな仕上がりです。歌もの半分、インスト曲半分で構成されており、演奏主体の作品です。

Abraxas
Santana
 
Caravanserai (キャラバンサライ)

1972年 4thアルバム

 本作直前でオリジナルメンバーの脱退がありましたが、本作ではメンバーチェンジの途上だったか、ゲストミュージシャン含めてキャラバンのように大所帯でした。カルロス・サンタナ(Gt/Vo)、グレッグ・ローリー(Key/Vo)、ニール・ショーン(Gt)、トム・ラトリー(B)、ダグ・ローチ(B/Gt)、マイケル・シュリーヴ(Dr)、ホセ・チェピート・アリアス(Perc)、ジェイムズ・ミンゴ・ルイス(Perc/Vo)、ほか多数。笑 このうちサンタナとシュリーヴが本作の方向性を決め、東洋思想に傾倒したサンタナの精神性をジャズフュージョンで表現しています。全10曲中7曲がインストゥルメンタルですが、スリリングで聴きごたえがあります。

 虫の鳴き声の響く「Eternal Caravan Of Reincarnation」で幕開け。パーカッションを中心とした静かな演奏は、オアシスを求めて砂漠を彷徨うかのようなイメージが浮かびます。「Waves Within」ではドラムやパーカッションが徐々に緊張感を高め、そしてサンタナのギターもどんどんテンションを高めます。スリリングな演奏で高揚感を煽ると、そのまま続く「Look Up (To See What’s Coming Down)」はベースが際立つグルーヴィな1曲です。ファンキーなギターやオルガンによる味付けも気持ち良く、跳ねるような爽快感があります。そして「Just In Time To See The Sun」は数少ないボーカル曲。ラテン風味のノリの良い演奏にサンタナの渋い歌が組み合わさります。テンションを高めるとあっという間に次曲「Song Of The Wind」へ。パーカッシブな演奏に、饒舌なリードギターが歌うようにメロディを奏でています。インストゥルメンタルですがキャッチーなメロディで聴きやすく、ジャジーで手数の多いドラムや楽曲を彩るオルガンも魅力的。本作では特に好みな1曲です。「All The Love Of The Universe」は出だしからサイケでスペイシーな世界を見せてくれます。中盤からは躍動感のある演奏に乗せてラテン風味の歌を披露。ですが歌よりも、手数の多いスリリングなドラムの方に意識がいってしまいますね。終盤は非常にハイテンションな演奏バトルを繰り広げています。カッコ良い。
 ここからはアルバム後半。「Future Primitive」は疾走感溢れるパーカッションが印象的で、途中からはドラム・パーカッションソロへと変わります。「Stone Flower」はサンバのように陽気なリズムを刻みます。全体的にノリの良いラテン風なのですが、オルガンの味付けが米英ロックの趣を感じさせます。続く「La Fuente Del Ritmo」はスリリングなインストゥルメンタル。パーカッションを高速で叩いて、陽気なのに恐ろしいほどの緊張が張り詰めています。そしてパーカッションに負けじと各楽器が火花を散らしており、エレピソロや唸るオルガンなど聴きごたえがあります。とてもカッコ良いです。ラスト曲は9分に渡る「Every Step Of The Way」で、前曲の空気を引き継いでピリピリと緊張が張り詰めます。そして中盤からは怒涛のような勢いで演奏バトルが繰り広げられ、非常にスリリング。終盤は凄まじい緊張を維持しつつも、オーケストラの美しいハーモニーを挿し込んでくるので感動的なんですよね。

 ラテン色の強い良質なジャズフュージョン作品です。特に、終盤のあまりにスリリングな演奏はぶっ飛ばされますね。

 本作を最後にグレッグ・ローリーとニール・ショーンが脱退し、ジャーニーの結成に至ります。

Caravanserai
Santana
 
 

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 ニール・ショーン(Gt)、グレッグ・ローリー(Key/Vo)が脱退後に結成。

 
 
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