🇺🇸 Lez Zeppelin (レズ・ツェッペリン)
レビュー作品数: 1
スタジオ盤
2007年 1stアルバム
レッド・ツェッペリンのトリビュートバンドで、メンバー全員女性というガールズバンド、その名もレズ・ツェッペリン。笑 2004年頃から活動を開始し、リーダーのステフ・ペインズ(Gt)を中心に、サラ・マクレラン(Vo)、リサ・ブリガンティノ(B/Key)、ヘレン・デストロイ(Dr)の4人組でデビュー。更に『レッド・ツェッペリン II』を手掛けたエンジニア、エディ・クレイマーをプロデューサーに迎えるという徹底っぷりです。ジャケットアートは、ZEPの立ち上げたスワンソング・レコードのレーベルアートのパロディですね。
楽曲についての魅力は言うまでもありませんが、サラの女性らしい色気溢れるボーカルは、ロバート・プラントの漢らしい色気とは異なる魅力を醸し出しています。そして彼女らの凄さを感じさせるのはインストゥルメンタル曲の「On The Rocks」と「Winter Sun」の2曲。まるでZEPの原曲にこんな楽曲があったかと錯覚させるような、非常にZEPっぽい「オリジナル曲」なのです。ZEP愛を感じられる佳曲ですね。
「Whole Lotta Love」で幕開け。ステフによるイントロのギターからワクワクさせてくれます。そして原曲でもロバート・プラントの色っぽさが滲み出ていますが、混沌とした間奏パートでのサラの喘ぎ声はとてもエロい。女性だからと言って侮れない再現度の高い魅力的な演奏を展開し、それに加えてモダンでクリアーなサウンドは迫力満点で、カバーと言えども聴いていて本家並に楽しいんですよね。続いてヘレンのドスの利いたカウントから「The Ocean」が始まります。力強いドラムをはじめ骨太の演奏ですが、歌メロはキャッチー。サラの歌は上手いだけでなくロバート・プラントを意識した歌い方で魅力的です。「On The Rocks」はレズ・ツェッペリンのオリジナル曲で、ヘヴィながらも陽気さが滲み出るインストゥルメンタルです。本家を徹底的に研究したのか、『フィジカル・グラフィティ』あたりに入っていそうなカバー曲と見紛う出来で、他の楽曲とも違和感なく馴染んでいます。そして「Since I’ve Been Loving You」。これも良いカバーですね。原曲の渋くブルージーな雰囲気をよく再現しています。そしてセクシーさと力強さを合わせ持つ、サラの色気溢れるボーカルがとても魅力的です。終盤の盛り上がる展開もアツい。続いて軽快なドラムで始まる「Rock And Roll」。原曲よりややゆっくりめのテンポで展開します。サラの、所々吐息が漏れる歌い方が素敵。ZEPのスタジオ録音ではなくライブ演奏に準拠したカバーでしょうか?続くオリジナル曲「Winter Sun」は『レッド・ツェッペリン III』あたりに入っていそうな、アコースティックで牧歌的なインストナンバー。大自然を感じられる優しい1曲です。「Communication Breakdown」は原曲のノリの良さを再現した爽快な仕上がり。キレのあるギターに躍動感のあるドラムが牽引、そしてちょっと危なっかしい感じのリズム感もZEPっぽい。笑 そしてラスト曲「Kashmir」は原曲もZEP最高クラスの楽曲だと思っていますが、再現度の高さとモダンなサウンドにより原曲にも負けない迫力を見せてくれます。重厚な楽曲に荘厳な雰囲気を加えるリサの鍵盤も、ジョン・ポール・ジョーンズになりきっていますね。サラの風格ある歌もカッコ良い。
日本盤にはボーナストラックとして「Immigrant Song」と「The Rain Song」のライブ楽曲が付属。基本的にボートラは好まないのですが、こちらは元々アルバムの流れよりも聴ける楽曲数が多いことに価値があるので、ボートラ付日本盤がおすすめです。
音質の良さもあって、レッド・ツェッペリンで取っつきにくさを感じた人は、この1作から入っても良いかもしれませんね。笑 トリビュートバンドですが、個人的には聴く頻度もかなり多いお気に入りの1品です。
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