🇬🇧 Napalm Death (ナパーム・デス)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

Scum

1987年 1stアルバム

 ナパーム・デスはイングランド出身のバンドで、グラインドコアの始祖とも言われています。1981年に結成するもメンバーの出入りも激しかったようです。ちなみに本作、レコードA面(アルバム前半)とB面(後半)で演奏陣が異なります。前半はバンドの創始者ニコラス・バレン(Vo/B)、ジャスティン・ブロードリック(Gt)、ミック・ハリス(Dr)。このうちミックのみがメンバーとして残り、後半はリー・ドリアン(Vo)、ジム・ホワイトリー(B)、ビル・スティアー(Gt)、そしてミック・ハリス(Dr/Vo)。
 世界一短い曲としてギネス記録を持つ僅か1秒の楽曲「You Suffer」を収録。本作を手に取った理由はこれです。アルバム全編通して1分程度の楽曲ばかりで、28曲入りなのに全33分。

 レコードA面は「Multinational Corporations」で幕開け。シンバルが鳴り響く幻覚的な空間に、デスボイスで吠えるように歌います。「Instinct Of Survival」でスラッシュメタルばりにチューニングの低いギターでザクザク、そしてうねるようなサウンドからシンバルの連打と野太い声で圧倒します。23秒の「The Kill」は速すぎて一瞬で過ぎ去る暴風雨のよう。そして表題曲「Scum」。鈍重でスローな演奏を展開しますが、歌が始まるとマシンガンのような超速のブラストビートが降り注ぎます。歌は全然聞き取れません。笑 「Caught… In A Dream」スレイヤーばりにリフが凶悪。歌パートでは相変わらずブラストビートで激しいです。「Polluted Minds」は初っ端からニコラスが吠え、激しい演奏で蹂躙。短いですがギターソロも繰り広げます。「Sacrificed」も凶悪なブラストビートで幕を開けますが、その後は余韻のようなノイズが響きます。そしてラストに再加速。「Siege Of Power」は本作最長の4分。笑 スラッシュメタルっぽい演奏に野太いニコラスのデスボイスが響きます。前半は(彼らにしては)それほど速くないですが、後半は加速。メタリカっぽくもありますが、マトモに成立している数少ない楽曲だと思います。笑 鋭利でパンキッシュな「Control」を挟んで続く、「Born On Your Knees」は聴ける程度の速さ(十分速いですが)。リズミカルでノリが良いですが、歌パートは相変わらず激しいです。「Human Garbage」はヘヴィなリフが意外と耳に残ります。緩急がはっきりしており、中々良い感じ。そして曰く付きの迷曲「You Suffer」。1秒の間に「You suffer, but why?」と叫んでいますが一瞬すぎて全く聞き取れません。一瞬轟音が鳴り響くだけという印象です。

 ここからメンバー編成も変わったレコードB面。「Life?」はシンバルの嵐が降り注ぎ、デスボイスも強烈。緩急もなく激しいまま終わります。「Prison Without Walls」「Point Of No Return」もそれぞれ一瞬で終わる速さ。ドラムが超高速ですが、グワングワンと唸るようなギターが印象的。「Negative Approach」も高速でノイズのような演奏でいつの間にか過ぎていきます。「Success?」は後半では初めて1分超え(1分9秒)。演奏は少し緩急つけています。野太いデスボイスと絶叫シャウトを使い分けるボーカルが特徴的。警告を発するかのようなダーティなギターリフが印象的な「Deceiver」を挟んで、「C.S.」はドラムが軽快で聞きやすい1曲。とは言え速すぎますが…。「Parasites」は23秒の超高速の演奏中にノイジーなギターソロを入れたり、濃密な楽曲です。「Pseudo Youth」も凶悪ですが、かろうじて歌メロ?が成り立っており、演奏も「他の楽曲に比べれば」比較的クリアで案外聴けます。「Divine Death」はゴリゴリしつつもリズミカルな演奏がノリノリ。歌は激しいし、歌う際のバックの演奏もノイジーですが…。ラストに汚いシャウトが響き渡ります。「As The Machine Rolls On」は初っ端のカウントから超高速。途中ヒスったノイズで一瞬の間が生まれますが、そこから超速で終了。16秒の「Common Enemy」が嵐のように過ぎ去ると、ラストに向けて1分~1分半程度の楽曲が並びます。「Moral Crusade」はシャウトしっぱなしの幕開けが強烈。「Stigmatized」は速さの中に心地良いグルーヴがあります。地を這うようなギターリフが特徴的な「M.A.D.」を挟んで、ラストに「Dragnet」。スラッシーでカッコ良い演奏、からの野太いデスボイスにブラストビート。

 音質の悪さは否めず、また矢継ぎ早に現れるあまりに密度の濃い演奏は、トータル33分でもかなりきついです。個人的には全く合いませんでした。レコード時代のように前半だけ、後半だけという聴き方でも十分お腹いっぱいです。

Scum (Full Dynamic Range Digipack)
Napalm Death
 
 
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