🇯🇵 SOUND HOLIC (サウンド・ホリック) / SWING HOLIC (スイング・ホリック)

レビュー作品数: 7
  

SOUND HOLIC同人作品:東方アレンジ

紅 -KURENAI-

2008年 13thアルバム

 SOUND HOLIC、通称サンホリ。同人音楽サークルで2006年に結成しました。数多くのメンバーが所属していることもあってか非常に多作なサークルで、またロック・ポップス・ユーロビート・メタルなど幅広いジャンルを手掛けます。サークル代表はGUCCI。
 本作は「漢字シリーズ」と呼ばれる作品群の第4弾で『東方紅魔郷』の原曲でテーマを統一しつつ、曲調もボーカリストも異なる楽曲をまとめたオムニバス的な作品です。コミックマーケット75にて、ジャズに特化した姉妹サークルSWING HOLICの作品『VOL.03』と同時頒布されました。

 オープニング曲「Awakening of the Scarlet World」は「赤より紅い夢」のアレンジ曲。雨音が響き渡る中、ゴシック色のある、力強くておどろおどろしいオーケストラが展開されます。
 続く「Grip & Break down !!」はNana Takahashiが歌う「U.N.オーエンは彼女なのか?」のユーロビートアレンジ。アッパーでダンサブルな演奏に乗せて、全編英語詞のメランコリックな歌を披露します。合間合間でメタリックなギターを聴かせます。
 akiの歌う「Dial Connected」は「月時計 ~ ルナ・ダイアル」のアレンジ。エレクトロニックなサウンドで、少し懐かしさのあるシンセサイザーの音色が心地良かったりします。声質と演奏が若干ミスマッチというか、ちょっとした違和感を覚えつつも、早口気味なサビメロはやみつきになる中毒性があり、個人的にお気に入りの1曲です。
 「No more crying」は一転して、ヘヴィなリフをかき鳴らす、疾走感溢れるヘヴィメタルアレンジです。CALENがパワフルな歌唱を聴かせます。原曲「明治十七年の上海アリス」に沿った魅力的なメロディを奏でる、終盤の間奏パートがとてもカッコ良い。
 続く「Eternal Wish」は「上海紅茶館 ~ Chinese Tea」のアレンジ。有馬美咲がアニメ声で歌う、甘くてポップなダンス曲です。
 ここから2曲はA~YAがボーカルを担当します。「Strange Scarlet」は「紅楼 ~ Eastern Dream…」を、比較的アッパーなジャズにアレンジしています。A~YAのボーカルはジャズによく合うお洒落な感じですね。姉妹サークルSWING HOLICがこの路線で統一されているので、興味のある方はご一緒にどうぞ。
 続いて「メイドと血の懐中時計」のアレンジ曲「あなたにお茶を <Tea for you>」。こちらはスカ風の、ドタバタでノリノリな楽曲に仕立てています。
 akiが歌う「celebrate the colors tonight」は「魔法少女達の百年祭」をダンス風味にアレンジしています。演奏も、エフェクトをかけて重ねたボーカルも、フワフワとしていて陶酔感があります。
 続く「おてんば恋娘」を元気なポップ曲にアレンジした「ときめき☆冷凍パック」。有馬美咲がロリっぽい声で歌いますが、チルノのイメージに合っていますね。
 そして唯一の男性ボーカル709sec.による「Get the star for you」。「ほおずきみたいに紅い魂」をオルタナ感漂うヘヴィメタルにアレンジした、陰りのあるスリリングな楽曲です。全編英語詞で展開します。
 そしてここから2曲はNana Takahashiが担当します。「Brand-new WORLD」は「ヴワル魔法図書館」と「ラクトガール ~ 少女密室」の混合アレンジで、歌には憂いを帯びつつも、ユーロビート的なきらびやかなダンス曲に仕上げています。
 そしてラストは「Prière -プリエール-」。「ツェペシュの幼き末裔」と「亡き王女の為のセプテット」を混ぜ合わせた重厚なバラードです。イントロこそゴシックな雰囲気がありますが、歌がぽつりぽつりと始まると、ピアノを軸とした静かでシンプルな演奏が歌を引き立てます。一転してサビでは感情たっぷりに歌い、ヘヴィな演奏が盛り上げます。緩急ついたドラマチックな展開は鳥肌ものです。個人的にはSOUND HOLICに限らず、数多ある東方アレンジ楽曲の中でもトップクラスの名曲だと思っています。

 紅魔郷オンリーというテーマがあるにもかかわらず、オムニバス的な作品なので全く統一感がありません。笑 楽曲は粒揃いですが、個人的には通しで聴くことはほとんどなく、お気に入りの楽曲をリピートする聴き方をしています。中でも「Prière -プリエール-」は突出して素晴らしい名曲です。

紅 -KURENAI‐
SOUND HOLIC
 
Metallical Astronomy

2010年 20thアルバム

 通算20作目となる本作は「鋼鉄シリーズ」と呼ばれるシリーズの第1弾です。秘封楽曲を中心に、ヘヴィメタルにアレンジを施した東方楽曲を展開します。タイトル(下)のフォントがメタリカですね。笑
 本作は、博麗神社例大祭7にて、SWING HOLIC名義の『VOL.05』と同時頒布されました。

 タイトル曲「Metallical Astronomy」はオリジナル楽曲で、インダストリアルな感触のダークなインストゥルメンタルです。
 続く「Satellite XXX」は「衛星カフェテラス」のインストゥルメンタルアレンジ。ハモるエレキギターとアコギで穏やかに始まったかと思えば、爆音ドラムに牽引されてゴリッゴリに疾走します。何度か場面転換して雰囲気が変わりますが、重厚なリフとメロディアスなリードギターが楽曲の軸を担う、暗くてスリリングな1曲です。
 「Scarlet Desire」は「東の国の眠らない夜」のアレンジ。仰々しくてクサいイントロを経て、スラッシュメタルのようにザクザクと刻む疾走感溢れる楽曲を繰り広げます。速いドラムにどこかX JAPANっぽさもあるような。ボーカルを取るユリカの歌唱はカッコ良く、そして艶っぽさも感じられます。
 続いて「天空のグリニッジ」のインストアレンジ「G.M.T.」。メタリックではあるものの、スウィングするようなリズミカルな感覚や、楽曲をリードするピアノが気持ち良いです。
 「車椅子の未来宇宙」をアレンジした「Heart of Singularity」は、シンセを導入したことで、メタリックな楽曲にひんやりとした質感を加えます。そしてNana Takahashiの力強いボーカルは、ヘヴィな演奏にも埋もれず存在感を放ちます。演奏はミクスチャーっぽいですが、ラップしてるのはラストだけですね。
 「G-ZERO」は「G Free」のインストアレンジ。爆音で疾走する爽快な楽曲で、時折アクセントとしてピアノがリードする場面を設けることで緩急をつけます。
 続いて、「月面ツアーへようこそ」のアレンジ「A Trip to the Moon」。ユリカが力強く主旋律を歌い、709sec.がラップパートやコーラスで楽曲を引き立てるという、ミクスチャー曲です。
 「Infinity Trip」は「大空魔術 ~ Magical Astronomy」のアレンジで、焚きつけるような超高速のスラッシーな楽曲を展開するも、優雅なシンセが鋭利な楽曲を多少和らげています。Yo-sukeが英語詞で歌います。
 「Demystify The Universe」は「Demystify Feast」のインストアレンジ。暗く繊細なピアノと、グワングワン唸りを上げるギターが楽曲の主軸を担います。
 そして「ネクロファンタジア」をアレンジした「Break the world down」。原曲のメロディを活かす方向ではなく、奇をてらう感じにラウドロック/ミクスチャー風味にしています。ヒップホップ的なリズミカルな演奏に乗せて、Yoko Kubotaが英語詞で歌います。
 最後は「向こう側の月」のインストアレンジ「Missing Moon」。緊張感あるメタル曲が並ぶ中で、比較的落ち着いた空気が漂います。渋くて哀愁たっぷりの泣きのギターがしんみりしていますね。後半に向かうにつれてギターが悦に入る感じに。

 ボーカリストこそ違えど、ヘヴィメタルというトーンで楽曲が統一されています。ちょっとクサいですが「Scarlet Desire」が好みです。

Metallical Astronomy
SOUND HOLIC
 
Metallic Vampire

2011年 27thアルバム

 通算27作目となる本作は、鋼鉄シリーズ第2弾で『東方紅魔郷』オンリーのヘヴィメタルアレンジを展開します。M3-2011秋で頒布されました。

 「赤より紅い夢」のインストアレンジ「R.E.D.」で開幕。ひんやりとした鍵盤で幕を開け、重厚なバンド演奏がメリハリをつけます。
 「ほおずきみたいに紅い魂」と「妖魔夜行」の混合アレンジとなる「Mystic Mistiness」もインスト曲です。前曲から流れるように続く展開がアツいですね。疾走感溢れるドラムが牽引します。メタリックではあるものの、シンセサイザーを活用してヘヴィさを適度に抑えたり、決める場面では一気に緊張感を高める、緩急ある展開が魅力的です。
 続いて「ルーネイトエルフ」と「おてんば恋娘」の混合アレンジ「Snedronningen」。冒頭の始まり方がすごく原曲っぽい。バスドラムの嵐が吹き荒れるヘヴィな演奏をバックに、ユリカのヒステリック気味な力強いボーカルが存在感を放ちます。後半には一旦スローダウンし、再度テンポを揺り戻す展開で緩急もありますね。
 華憐の歌う「紅夜の黙示録」は「U.N.オーエンは彼女なのか?」のアレンジ。冒頭のオペラ風コーラスや、高速で重低音を刻む演奏に圧倒されるのですが、歌が始まるとアニソンのような少女らしくもハキハキした声で、キャッチーさを見せます。
 「Native Sage」は「ヴワル魔法図書館」と「ラクトガール ~ 少女密室」の混合アレンジ。冒頭だけトリッキーなリズムで惑わせますが、すぐさまメタリカのようにスラッシーな演奏になり、後半ではゆるっとした雰囲気になったりと、場面転換の多い楽曲です。CALENが中性的な声で力強く歌います。
 「Scarlet Calling」は「上海紅茶館 ~ Chinese Tea」のアレンジ曲で、重低音が効いたオルタナメタル風の趣です。Tak.Kが時折デス声を織り交ぜながら歌います。
 続く「Septuor de écarlate」は「ツェペシュの幼き末裔」と「亡き王女の為のセプテット」の混合アレンジ。ユリカの憂い混じりの色気ある歌声が魅力的ですね。ゴシック感溢れるダークでメランコリックなバラードで、静と動の対比も美しい。そして終盤は超加速します。
 「Lævateinn」は「魔法少女達の百年祭」のインストアレンジ。疾走感があり、破壊力満点の演奏がスリリングです。リードギターは悠々としていて、ときにツインギターでハモったり、ピロピロと高速で弾き倒します。躍動感あるドラムもカッコ良い。
 そして「sweet dear Vampress」は「メイドと血の懐中時計」と「月時計 ~ ルナ・ダイアル」の混合アレンジ。重低音の効いたヘヴィなリフやツーバスなど力強い演奏をバックにしながらも、Nana Takahashiの良く通る歌声は楽曲を「歌もの」に変えています。
 続いて「明治十七年の上海アリス」のアレンジ曲「A.D.1884」。クラシカルなイントロがテンション上がりますね。そして疾走感ある演奏は途中リズムチェンジも交えますが、難度高そうな楽曲も難なく歌い上げるユリカの歌はお見事です。間奏の速弾きギターを軸にした、畳み掛けるような展開もアツいですね。
 ラスト曲は「Les Misérables」。「紅より儚い永遠」と「紅楼 ~ Eastern Dream…」の混合アレンジで、ツインギターがしっとりとしたメロディを奏でて哀愁を醸し出します。終盤はテンポアップして高揚感を掻き立てつつも、透明感ある鍵盤で美しい印象で締めます。

 鋼鉄シリーズとしては前作よりもキャッチーさが大きく増して聴きやすく、また緩急ついた印象です。メタル好きかつ紅魔郷好きにオススメです。

Metallic Vampire
SOUND HOLIC
 

SWING HOLIC同人作品:東方アレンジ

VOL.01

2008年 1stアルバム

 SOUND HOLICの姉妹サークルである、ジャズに特化した音楽サークルSWING HOLIC、通称スイホリ。第1作目となる本作は『東方風神録』オンリーのジャズアレンジ楽曲が展開されます。インストゥルメンタルと歌で半々くらいですが、ボーカルは大半をA~YAが担当、1曲だけShihoriが担当しています。サンシャインクリエイション39で頒布されました。

 オープニング曲「9 o’clock @bar “EASTSIDE”」は「封印されし神々」のアレンジ。ジャズバーを意識したのか、店内の効果音をバックに始まります。オシャレに始まったかと思えば、テンポを速めて白熱するスリリングな演奏を繰り広げます。
 続く「The Wonderland」は「神々が恋した幻想郷」のアレンジ。思わず踊りたくなるようなリズム隊に、トランペットが華やかな音色を足します。英語と日本語を織り交ぜファルセット気味に歌うA~YAの歌声は、ジャズ演奏に良く似合いますね。中盤急に静かになるパートがあり、ベースを始めとした各楽器の演奏に浸れます。
 「Swingin’ Drunk Drinkin’」は「ネイティブフェイス」のインストアレンジ。軽快なハンドクラップに、渋い音色のサックス、かと思えば途中からギターが主導します。中盤で鍵盤がリードするパートはテンポアップし、静かに白熱しています。
 「麓の神社」をアレンジした「Eternal Brightness」は、木管のような音色の鍵盤(?)が特徴的です。6/8拍子の心地良いテンポで展開される楽曲は、歌も相まってミュージカルの劇中歌のようなイメージ。
 そして「フォールオブフォール ~ 秋めく滝」をアレンジした「Rainy Day, Rainy Sky」。残響感のあるビブラフォンがオシャレでムーディな感じ。ピアノやトランペット、ギターやオルガンなど、リードする楽器は目まぐるしく変わりますが、全体的にはまったりムードで聴き心地が良いですね。
 「Graveyard On Bossa」は「御柱の墓場 ~ Grave of Being」を静かでドリーミーにアレンジしています。
 続く「平成河童大系 8bit Jz mix」は「芥川龍之介の河童 ~ Candid Friend」のアレンジ。ジャズ感がほぼない本楽曲は、Shihoriの歌い方もあって電波ソング感が強く、本作の中では非常に浮いている印象です。
 「A DELUSION-迷妄- Another Take」は「信仰は儚き人間の為に」のアレンジで、全体的にベースが気持ち良く低音を刻みます。冒頭は6/8拍子で進行しますが、途中何度もリズムチェンジし、複雑な演奏で楽しませます。A~YAのスキャットがオシャレですね。
 そして「運命のダークサイド」のアレンジ曲「Wings of butterflies」。英語詞の歌をストリングスが彩りますが、序盤はメロディが見えづらく、有機的なのにどこか無機質な感触があります。一方で後半には転調したり歌唱にも感情が乗ってきて、メロディアスな印象に変わっていきます。
 最後は「少女が見た日本の原風景」のインストアレンジ「Life is but A sweet Game…」。パーカッションを用いたゆったりとした演奏に、メロウなサックスが哀愁ある主旋律を奏でます。浸れる1曲です。

 ジャズかつ『東方風神録』縛りで統一感があるのですが、唯一場違いなのが「平成河童大系 8bit Jz mix」。これが入ったことでアルバムの流れも統一感も崩れてしまっているのが残念です。

VOL.01
SWING HOLIC
 
VOL.02

2008年 2ndアルバム

 SWING HOLIC第2弾の本作は『東方妖々夢』(ほぼ)オンリーのジャズアレンジ作品です。ラスト曲以外はA~YAがボーカルを担当しています。M3-2008秋で頒布されました。

 オープニング曲「Drinkin’ And Dreamin’」は「妖々夢 ~ Snow or Cherry Petal」のアレンジ。思わず踊り出したくなるようなグルーヴに満ちていて、それでいて煙たく渋い雰囲気です。オルガンの味付けが良いですね。
 続く「Sa.Ku.Ra.」は「さくらさくら ~ Japanize Dream…」のアレンジ。A~YAが英語詞で歌い、間奏ではご機嫌なサックスを聴かせてくれます。躍動感あるベースも気持ち良い。
 「ティアオイエツォン(withered leaf)」をアレンジしたのが「Boogie Woogie Wonder Cat」。トランペットやサックスを主軸とした、賑やかでご機嫌なインストゥルメンタルです。躍動感あるリズム隊も楽しい気分にさせてくれます。
 「Half & Half」は「広有射怪鳥事 ~ Till When?」のインストアレンジです。サックスが主旋律を奏でるパート以外はドラムがフィーチャーされていて、高揚感を掻き立ててくれます。好みの作風です。
 「遠野幻想物語」をアレンジした「Just make your life alive」は、メロウな歌ものです。トランペットがジャズっぽい渋みを加えますが、アーバンなAORっぽい感触です。
 続く「東方妖々夢 ~ Ancient Temple」のアレンジ「Friday Night Phantasy」。トランペットが刑事物ドラマのBGMのように聴こえます。笑 前曲と同じような雰囲気で、ジャズというよりAORやシティポップ要素が強めな感じがします。
 そして「幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~ Border of Life」のボーカルアレンジ「Border of life」。躍動感のあるドラムに、キャッチーな歌メロで本作のハイライトとも言えます。A~YAの優しい歌唱に魅せられ、間奏ではサックスソロが光ります。
 「#800080」は紫色のカラーコードで、八雲紫のテーマ曲「ネクロファンタジア」をアレンジしたインスト曲。ビブラフォンの音色が美しい、比較的落ち着いた演奏を繰り広げますが、時折盛り上がりを見せ、静かな中に緩急をつけます。
 「Fun with music」は「天空の花の都」のボーカルアレンジ。シンプルなリズムを反復するドラムが妙に気持ち良く、歌やサックスが楽曲を盛り上げると、何故かドラムが引き立つ不思議です。
 「無何有の郷 ~ Deep Mountain」をアレンジした「Deeper and Deeper」は、冒頭からトランペットとサックスが壮大さを感じさせます。その後は一転して、パーカッションに支えられた、アットホームなリラックスした空気が漂います。寂寥感のあるメロディがしんみりさせます。
 そして「Twilight Rendezvous」は本作唯一のオリジナル曲ですが、これが中々魅力的なんです。3拍子で奏でられるミュージカルのようなノリの楽曲で、A~YAの高音気味な歌が気持ち良いです。
 そして最後に「Noisy Jazzy Happy Ensemble」。「幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble」をアレンジした楽曲で、Shihoriのポップな歌い方は電波ソング感満載。また、演奏楽器はジャズっぽものの、エフェクトをかけたりとアレンジで遊んでいます。

 電波ソング(?)を後ろに持ってきたことで、前作よりはアルバムの統一感が増した印象です。

VOL.02
SWING HOLIC
 
VOL.03

2008年 3rdアルバム

 SWING
HOLIC第3弾は『東方永夜抄』(ほぼ)オンリーのジャズアレンジアルバムです。本作ではボーカリストがA~YAのみで統一感があります。冬のコミケC75にてSOUND HOLIC『紅 -KURENAI‐』と同時頒布されました。

 がやがやした店内の環境音で始まる「in the beginning of..」は「永夜抄 ~ Eastern Night.」のアレンジですが、即興演奏感が強いですね。スピード感のある演奏をさくっと聴かせて次曲へ。
 続く「Proud of our country」は「少女綺想曲 ~ Dream Battle」のアレンジ。3拍子のゆったりとしたメロウな楽曲に、A~YAの大人びた歌唱がオシャレな雰囲気を醸し出します。トランペットが渋いですね。
 「狂気の瞳 ~ Invisible Full Moon」をアレンジした「Lunatic Eyes」は、原曲の妖しげなメロディラインをサックスがなぞることで、渋くてオシャレな感じに仕上げています。リズム隊と合わせてノリを増していくと、ピアノやジャズギターにバトンを渡します。
 「もう歌しか聞こえない」のアレンジ曲「Graceful Mid-night」は、まったりとリラックスした雰囲気が漂い、ヴァイオリン(ヴィオラ?)が優雅なムードを演出します。
 「月まで届け、不死の煙」をアレンジした「Burn out the time」では一転して、躍動感のあるジャズに仕上がっています。そして華やかな演奏の中にあっても、A~YAの歌は引き立っています。オルガンが活躍する中盤も好みです。
 「エクステンドアッシュ ~ 蓬莱人」をアレンジした「Smoke and Ash」はフルートとサックスがリードしますが、フルートが加わったことで(良い意味で)プログレ感があります。
 そして、「Letter -never to arrive-」のボーカルアレンジ「竹取飛翔 ~ Lunatic Princess」。まったりとしたアコースティックギターを軸に、ピアノが静かに装飾します。そして、甘美で大人びた歌声に魅せられます。
 「Playin’ in Asia」は「プレインエイジア」のアレンジで、シンセや打ち込みを用いることでシティポップ的な雰囲気があります。優しいギターが演奏の主軸ですが、時折オーボエが顔を出します。
 続いて、「千年幻想郷 ~ History of the Moon」をアレンジした「City on the moon」。跳ねるようなドラムが、ダンサブルで魅力たっぷりです。ボーカルは全体的に低めのトーンですが、サビ部分は天に登るかのよう。
 「Dawn of Eastern Dreams」は「恋色マスタースパーク」のアレンジです。まったりとして渋みのある演奏で、木管のようなキーボードの音色のせいか寂寥感が混じります。聴いていると込み上げてくるものがあります。
 「妖怪宇宙旅行」のアレンジ「Over the moon light higher」は躍動感あるリズム隊、特にパワフルなドラムが強烈ですが、歌やヴァイオリンなども負けず劣らず存在感を示します。ジャズ感は薄めですが、カッコ良いです。
 ラストの「Fruity High Life」は唯一のオリジナル曲。パーカッションやクラップがリズミカルで気持ち良く、多重コーラスに包まれた歌をはじめ、優しくドリーミーな雰囲気に包まれています。

 前作までにあった電波ソング(?)はなく、ボーカリストも統一されていることからアルバムの雰囲気が一貫しています。個人的に好みの作風です。

VOL.03
SWING HOLIC
 
VOL.04

2009年 4thアルバム

 本作は『東方紅魔郷』(ほぼ)オンリーのジャズアレンジアルバムです。個人的に『東方紅魔郷』楽曲が大好きということもありますが、日本語詞で歌われる楽曲がこれまでより多めだからか、個々の楽曲が引き立っていて、個人的にはSWING HOLICの「VOL.**」シリーズで一番好みです。
 東方オンリーの同人即売会、東方崇敬祭で頒布されました。

 「赤より紅い夢」をアレンジした「Swing in the Scarlet Dream」は、これまでのシリーズ作品に倣って、がやついた店内で始まる…というような演出がなされています。ご機嫌なウッドベースに、ハンドクラップを交えてノリノリです。
 続いて、「おてんば恋娘」をアレンジした名曲「冷たい湖畔のシンフォニア」。「One time! …Three time!」という掛け声に合わせて指定回数を鳴らす演奏に、冒頭から惹き込まれます。踊りたくなるような気持ちの良い演奏に、A~YAの大人びた歌唱がオシャレで魅力的です。
 「上海紅茶館 ~ Chinese Tea」をアレンジした「Shanghai Chinese Girl」は、テンポ速めで疾走感に溢れています。トランペットとサックスのユニゾンパートが爽快ですが、ソロパートもカッコ良く聴かせてくれます。
 「NEW LOCKED CITY」は「ラクトガール ~ 少女密室」のアレンジ。ベースが低音で存在感を示し、渋いトランペットにドリーミーなビブラフォンなど、夜のジャズバーが似合いそうなメロウな楽曲を展開します。
 続く「Devils’ dining」は「メイドと血の懐中時計」のボーカルアレンジ。ローファイなサウンドのリズムトラックがインパクト大ですが、キャッチーなメロディラインを艶っぽく歌うボーカルも好みです。
 「ほおずきみたいに紅い魂」をアレンジした「Mystic Flier」は、シンセサイザーの導入によってアーバンな楽曲に仕上がっています。
 そして、「U.N.オーエンは彼女なのか?」のアレンジ「The fifth man, last man (is you)」。躍動感があって賑やかなイントロから惹き込まれます。英語詞ということもあってか、A~YAの歌はやや早口気味な印象で、中毒性がありますね。そして中盤はトリッキーなリズムや目まぐるしい場面転換で魅せてくれます。
 「Crescent Moon」は「ルーネイトエルフ」のアレンジで、アコギとチェロ(?)を中心としたアコースティック感のある演奏です。オルガンが楽曲を静かに引き立てています。
 続いて名曲「Luna on Ritardando」。「月時計 ~ ルナ・ダイアル」のボーカルアレンジで、本楽曲のみSYOが歌い、かつ日本語詞です。焦がれるような歌唱をフィーチャーして、演奏は比較的静かですが、ややトリッキーな跳ねるようなリズム隊は爽快です。
 そして「亡き王女の為のセプテット」をアレンジした「My life as like the shade」。ボサノバのようなまったりムードに、トランペットとサックスの奏でる主旋律が染みます。演奏を引き立てているからか、A~YAの囁くような歌は楽器のように溶け込んでいます。
 そして最後に「Gonna Getta Way!」。オリジナル曲で、ジャズ感の薄いアッパーなダンスチューンです。A~YAのオシャレな歌声と英語詞のおかげか、時折入るサックスのおかげか、ダンスチューンと言えどアルバムの雰囲気はそこまで崩しておらず、馴染んでいる気がします。

 「冷たい湖畔のシンフォニア」と「Luna on Ritardando」という名曲をはじめ、単曲でも存在感のある楽曲が多いです。SWING HOLIC入門にどうぞ。

VOL.04
SWING HOLIC
 
 

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