🇺🇸 Vanilla Fudge (ヴァニラ・ファッジ)

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スタジオ盤

Vanilla Fudge (ヴァニラ・ファッジ)

1967年 1stアルバム

 ヴァニラ・ファッジは米国ニューヨーク州出身のロックバンドで、ヘヴィなサイケデリックサウンドを展開してハードロック/ヘヴィメタルの基礎を作りました。アートロックにも位置づけられますね。オリジナルのラインナップはマーク・スタイン(Vo/Key)、ヴィンス・マーテル(Gt/Vo)、ティム・ボガート(B/Vo)、カーマイン・アピス(Dr/Vo)。特にボガートとアピスのリズム隊が強烈で、この2人は後にカクタスやベック・ボガート&アピスを結成して活躍することになります。
 メンバーはビートルズのファンで、本作においても「Ticket To Ride」や「Eleanor Rigby」をカバーしています。他の楽曲もほとんどカバー曲らしいです。

 オープニング曲はビートルズのカバー「Ticket To Ride」。引きずるような重たい楽曲にアレンジされています。ディープ・パープルやユーライア・ヒープ等にも影響を与えたであろうヘヴィなオルガンが主張し、それこそギター以上に目立っています。時折マシンガンのような連打をするアピスのドラムがスリリング。「People Get Ready」はオルガンによって厳かな雰囲気を醸し出します。終盤は盛り上がって神々しい雰囲気。続く「She’s Not There」はまるで歌っているかのように縦横無尽に動き回るベースが聴きどころ。激しい歌ですが、負けじと主張の激しいベースの方に意識がいきます。「Bang Bang」は実験的な楽曲で、場面展開の激しい黎明期のプログレのようです。哀愁の歌メロとヘヴィなサウンドが入り混じります。
 ここからはレコード時代のB面、アルバム後半に入ります。手持ちの音源は「Illusions Of My Childhood, Pt. 1」、「You Keep Me Hangin’ On」、「Illusions Of My Childhood, Pt. 2」で分かれていますが、ものによってはメドレーで1曲に纏まっているようです。まあ「Illusion Of~」は僅か数十秒のイントロ・アウトロなので纏めてもほとんど影響ありません。本丸はヒットシングルとなったシュープリームスのカバー曲「You Keep Me Hangin’ On」。非常にパワフルなドラムに圧倒されたのち、哀愁たっぷりのソウルフルな歌と、それを彩るオルガン&ベースに魅了されます。とても荒々しくてドロドロなサウンドを、メロディアスな歌でうまく和らげていますが、歌が終わると再びぶっ飛ばされます。続く「Take Me For A Little While」も、30秒に満たない次曲「Illusions Of My Childhood, Pt. 3」とセットになっていたりします。メロディアスな歌ですが、リズム隊は強烈なグルーヴ感を生み出し、オルガンはヘヴィに唸ります。最後に「Eleanor Rigby」。インプロヴィゼーションを展開し、原形をとどめないアレンジで8分半にも及びます。歌も恨めしい感じがします。

 ハードロックに通じるヘヴィなサウンドが展開されます。ボガートのベースとアピスのドラムは強烈でとてもスリリング。ジェフ・ベックが欲したのも納得です。しかし、いかんせん音が古いため個人的にはそこまで惹かれる作品ではなかったり…。「You Keep Me Hangin’ On」は魅力的なので、この楽曲は聴いておいても損はありません。

Vanilla Fudge
Vanilla Fudge
 
 
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