🇮🇪 U2

レビュー作品数: 11
  

スタジオ盤①

ポストパンク期

Boy (ボーイ)

1980年 1stアルバム

 アイルランドの地から登場したバンドU2(ユートゥー)。メンバーはボノ(Vo)、ジ・エッジ(Gt)、アダム・クレイトン(B)、ラリー・マレン・ジュニア(Dr)の4人組で、現在に至るまで不動のメンバーです。ポストパンクバンドとしてデビューしましたが、今やポストパンクに収まらない世界的なロックバンドとして活躍し、2010年代の今なお第一線で大きな影響力を与えています。先日、1980年代、1990年代、2000年代、2010年代の4つの年代で全米1位を獲得するという、ロックバンドでは史上初の偉業を成し遂げました(ソロアーティスト含めてもバーブラ・ストライサンド、ブルース・スプリングスティーン、ジャネット・ジャクソンに次ぐ4組目)。
 そんな彼らの1stアルバムが本作になります。ジャケット写真に写された少年ピーター・ローウェンは、後に『WAR(闘)』やベスト盤などにも登場します。本作では純粋無垢な感じですが、『WAR(闘)』だと凛々しい少年に成長するんですよね。

 さて楽曲はと言えば、荒削りな作風ながらも、この時点でメロディセンスなど既に一定水準のクオリティが備わっております。
 オープニング曲「I Will Follow」は初期の名曲として人気の高い楽曲です。冷たく鋭利で緊張感を煽るギターが小気味良く、ドラムが力強く支えます。グロッケンシュピールはスティーヴ・リリーホワイトによるもので、冷たい雰囲気を助長していますね。ボノの歌は熱量があって、「if you walk away walk away~」とサビの連呼が妙に耳に残ります。続く「Twilight」は影のある雰囲気で、緊張感のある演奏をバックに歌うボノの歌唱は切羽詰まった状況を感じさせます。グルーヴ感のあるベースがカッコいい。「An Cat Dubh」はとてもシリアスで重苦しい楽曲。サウンドが重くて冷たいのですが、鳥肌ものの緊張感で個人的に好みです。前曲から途切れず続く「Into The Heart」は長い前奏を持つ1曲。静かなサウンドは寒々しくも美しく広大な景色を感じさせます。歌が始まるとテンポアップし、寒さの中にアツさを感じます。そして「Out Of Control」はアグレッシブな疾走曲。切れ味は鋭くも、ノリが良くて気持ちの良い楽曲です。
 アルバム後半は「Stories For Boys」で幕開け。これも憂いを帯びつつピンと張りつめた疾走曲で、ダイナミックなドラムが躍動感を生み出しています。「The Ocean」は1分半の短い楽曲。静かな海に身を任せているかのような雰囲気があります。「A Day Without Me」はギターの音色が独特で、明るくも、冷たさや憂いを合わせ持っています。3連を刻むリズム隊も耳に残ります。続く「Another Time, Another Place」では再び影のある楽曲で、後半に向かうにつれて緊張感を高めていきます。そして「The Electric Co.」でその緊張感はピークに達します。疾走感があるのですが、それ以上に感じるのは尋常ではない緊張感。細かく刻むギターのカッティングとダイナミックなドラムがこの空気を作り出しているのでしょう。ベースも結構唸っていますね。そしてラストの「Shadows And Tall Trees」は、アルバム全体に冷たく攻撃的な楽曲ばかり並ぶ中で、数少ない温もりや優しさを感じる1曲です。…が、エコー処理の施されたドラムによって、この楽曲もまた冷たい雰囲気を合わせ持っている印象を受けます。

 プロデューサーであるスティーヴ・リリーホワイトの特色でもありますが、エコー処理のせいか、冷徹なグロッケンシュピールの音色か、時代特有のひんやりした空気感や憂いがアルバム全体を支配しています。冷たく切れ味の鋭いサウンドとは対照的に、ボノの歌唱は熱がこもった咆哮といった感じです。
 粗削りながらも、緊張感に満ちた魅力的な作品となっています。

Boy
U2
 

October (アイリッシュ・オクトーバー)

1981年 2ndアルバム

 『ボーイ』と『WAR(闘)』の両名盤に挟まれて印象の薄い2ndアルバム。これら前後の作品のように、尖っていて攻撃的な楽曲もあり「Rejoice」なんかはアップテンポ楽曲の中で一際鋭く尖ってます。しかし全体的には攻撃性が薄れたような、バラエティに富みつつも散漫になったような印象です。メンバー写真のジャケットは、『ボーイ』や『WAR(闘)』に比べるとイマイチ…。一聴するとぱっとしないんですが、よくよく聴くといい曲だという気づきはあったりします。

 1曲目の「Gloria」は女性ではなく神について歌った楽曲で、グレゴリオ聖歌に影響を受けた楽曲だそうです。ジ・エッジの荒々しいギターが高らかに鳴るアップテンポ曲で、終盤の分厚いコーラスワークで聖歌のような神々しさを演出しているようですが、ボノのボーカルのせいかアツいロック曲になっています。「I Fall Down」はアコギとピアノが主体の楽曲です。でもサビではエレキとドラムによって音が割れんばかりの轟音。続く「I Think A Brick Through A Window」はラリー・マレン・ジュニアの強烈なドラムによって開幕。本編はギターソロとドラムソロに重点を置いている感じです。続く疾走曲「Rejoice」がカッコいい。粗削りですが勢い良く、パンチ力があります。間奏のドラムが強烈なインパクト。3連のリズムで独特のノリを作り出す「Fire」でアルバム前半終了。
 アルバム後半は「Tomorrow」で幕開け。アイルランドの要素を感じさせるイーリアン・パイプスと呼ばれる民族楽器が鳴り響き、ボノの歌とアダム・クレイトンのベースだけで組み立てられますが、メロディラインが美しい。後半に向けて楽器が増え、ドラマチックに盛り上がっていく名曲です。続く表題曲「October」は美しくも儚げなピアノをバックにしっとりとした歌を聴かせます。前曲と対照的に「With A Shout (Jerusalem)」は熱気のある疾走曲です。焦燥感を掻き立てるドラムに、ボノの叫びに満ちたU2らしい1曲です。ゴリゴリ唸るベースがカッコいい「Stranger In A Strange Land」、しっとりとした「Scarlet」と続いた後は、目の覚めるような疾走曲「Is That All?」で締めます。こういう尖った疾走曲は初期U2の魅力だと思います。

 楽曲のクオリティはそこまで低いわけではないものの、名盤に挟まれた立ち位置と一見目を引く楽曲が少ないことから、相対的に低い評価になってしまっています。

October
U2
 

War (WAR(闘))

1983年 3rdアルバム

 冷たく攻撃性の強いサウンドが特徴的なポストパンク時代の最高傑作にして、個人的にはU2で最もお気に入りの1枚です。
 ジャケットの少年ピーター・ローウェンは『ボーイ』にも登場しましたが、『ボーイ』と同じ構図で少年の凛々しさが増しているのが印象的です。音楽の方も、荒削りだった『ボーイ』から実力もつけ、切れ味は鋭さを増しています。本作までスティーヴ・リリーホワイトのプロデュースとなっています。

 1972年に北アイルランドで起きた、英国軍がデモ中の市民に発砲し多くの犠牲者を出した血の日曜日事件。この事件を題材とした「Sunday Bloody Sunday」は、事件への怒りがメッセージに込められています。ボノのボーカルは力強くも切なげで、怒りと悲しみを表明しているかのようです。イントロからラリー・マレン・ジュニアの力強いドラムがあまりに強烈ですが、デモ行進のようでもあり発砲音のようでもあります。そしてジ・エッジのギターは冷たく鋭利。また、サポートのスティーヴ・ウィッカムによる電子ヴァイオリンもこの楽曲を印象づけています。続く「Seconds」はどっしりとしたリズム隊が特徴の楽曲で、ジ・エッジが一部リードボーカルを取っています。アダム・クレイトンのベースラインがカッコ良いですね。そして本作のハイライトは「New Year’s Day」でしょう。ジ・エッジによるピアノとギターが作り出すひんやりした空気の中で、ボノの叫びが鋭く突き刺さる、素晴らしい名曲です。吹雪の中で歌うPVがとても印象的な楽曲で、寒々しいサウンドによく合っています。シングルとして1983å¹´1月1日リリースされ、まさに「New Year’s Day」ですね。続いて「Like A Song…」は尋常ではない緊張が張り詰めた楽曲です。一撃一撃が銃声のように重たいドラムが強烈で、ボノの叫びも切羽詰まった感じを生み出すのに一役買っています。とてもスリリングで、鳥肌ものの1曲です。そして「Drowning Man」では音像のぼやけた柔らかなエレキギターと、鋭いアコースティックギターが絡み合って幻想的な世界観を作り出しています。そこに乗るボノの歌は危機感を訴えるようで強いインパクト。
 アルバム後半の開幕は「The Refugee」。野性的な叫びとパーカッション主体のリズムで、野性味溢れるプリミティブな印象を受けます。続く「Two Hearts Beat As One」は細かなカッティングが強烈な疾走曲。ボノがハネムーン中に作ったラブソングだとか。サビでは雄大な景色を連想します。「Red Light」ではトランペットにケニー・フラッドリーを招いています。次曲「Surrender」と合わせて女性コーラス隊が印象的です。ラスト曲「”40″」ではしっとりとした歌を聴かせて締めます。

 凄まじい緊張感に満ちたポストパンクの傑作です。楽曲のクオリティが総じて高くアルバム全体のバランスが良いので、U2の入門盤としても最適な作品です。 個人的には最高傑作。
 図らずもこれを聴いた日に大雪が降ったので、吹雪く帰り道「New Year’s Day」を聴きながら、しかし盛大にずっこけるというオチがつくという。U2みたいにカッコ良くはいきませんねえ。

War
U2
 

ルーツ・ミュージックへの接近

The Unforgettable Fire (焔)

1984年 4thアルバム

 『WAR(闘)』のツアーでアメリカの空気や音楽に触れたU2が、アメリカンロックへアプローチした作品が本作です。楽曲についてもアルバム全編を通してアメリカがテーマとして歌われております。
 本作よりスティーヴ・リリーホワイトの手を離れ、プロデューサーにブライアン・イーノとダニエル・ラノワを迎えて制作されました。初期3作のような鋭利なナイフのような攻撃性は薄れ、ブライアン・イーノお得意の空間の広がりを手にした本作は、バンドの転換期となる作品だと思います。

 オープニング曲は「A Sort Of Homecoming」。ジ・エッジのギターのカッティングは心地よさを提供し、ボノの力強い歌唱も優しさというか温もりを感じられるようになりました。続いて屈指の名曲「Pride (In The Name Of Love)」。クリーンで心地良いギターとメロディアスな歌、コーラスワークによって、とにかく美しい1曲に仕上がっています。この1曲のためにも本作を聴く価値があると思います。ラリー・マレン・ジュニアのドラムも、歌メロを引き立てる良い演奏です。ラスト曲「MLK」とともにキング牧師に捧げられました。続いて「Wire」は小気味良いギターが特徴的な疾走曲。アダム・クレイトンの、メタリックでファンキーなベースがカッコ良い。野性味溢れ、攻撃的な1曲です。続く表題曲「The Unforgettable Fire」は広島・長崎の原爆被爆者が描いた絵画作品のタイトルから取ったのだそうです。シンセサイザーが美しくも哀しい音色を奏でます。ジャズミュージシャンのノエル・ケレハンのサポートもあって、アンビエント風の楽曲になりました。間奏のダークな雰囲気が鳥肌もので、ドラマチックな楽曲です。優しい雰囲気の「Promenade」、浮遊感のあるインストゥルメンタル「4th Of July」と、アンビエント風の楽曲が並びます。続く「Bad」も「Pride (In The Name Of Love)」と同様、美しい歌と綺麗なギターが主導する素晴らしい名曲です。包み込むような優しさがあり、美しい1曲です。「Indian Summer Sky」は小気味良いカッティングとファンキーなベースが特徴的な疾走曲です。でも攻撃性はなくて、雰囲気は内省的です。アコギでゆったりとした雰囲気を持つ「Elvis Presley And America」、そしてほぼアカペラに近いラスト曲「MLK」で、雄大さと優しさをもってこのアルバムを締めます。

 エコー&ザ・バニーメンを想起させる表題曲や「Wire」等にはポストパンク的な要素を感じますが、アメリカンロックにアプローチしたことで、より大衆的なロックへと近づきます。そのアプローチは次作で完成を見ます。
 ちなみにかつてはエコー&ザ・バニーメンの前座だったU2。彼らのような楽曲もあるものの、たぶん本作あたりで形勢逆転したことでしょう。

The Unforgettable Fire
U2
 

The Joshua Tree (ヨシュア・トゥリー)

1987年 5thアルバム

 U2を世界的なバンドに押し上げた大出世作で、全世界で2500万枚以上を売り上げました。U2の最高傑作に挙げる人も多い作品です。
 前作から始まったアメリカのルーツミュージックへのアプローチを更に磨きあげました。プロデューサーは前作に引き続きブライアン・イーノとダニエル・ラノワ。

 高らかな始まりを告げる「Where The Streets Have No Name」、邦題「約束の地」。オープニングに相応しい名曲です。神聖な雰囲気のキーボードの中から登場するジ・エッジのギターが気持ち良く、そこにアダム・クレイトンのベースが入ってくるといきなり気分は最高潮。加えて、ボノの雄大な歌唱に圧倒されます。何度聴いても、初めて聴いたかのようなワクワク感が湧き上がってくる超名曲です。ゲリラライブの模様を映したPVも良いですね。ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアに影響を受けたであろう本楽曲のギタースタイルは、後のロックシーンに多大な影響を与えました。そのピンク・フロイドも、『対』においてもろにU2な楽曲を作ってますが…。そして続く「I Still Haven’t Found What I’m Looking For」は「終りなき旅」の邦題で知られる全米1位を獲得したシングル。ラリー・マレン・ジュニアの、ゆったりとして、しかし力強く踏みしめるようなドラムがリズミカルで心地良い。温もりを感じる1曲です。そして「With Or Without You」も超名曲です。U2が全米で初めて1位を取ったシングルで、ボレロのようにシンプルなメロディを淡々と歌いながら徐々に盛り上がっていきます。派手さはないけどじわじわと浸み渡るボノの歌唱が素晴らしく、サビでノックアウトされます。「君がいても、君なしでも生きられない」と歌う歌詞は、アーティストとして自由気ままに生きようとする自分と、所帯を持った保守的で誠実な自分という2つの側面の葛藤を表現したのだそうです。
 アルバム冒頭に並ぶ圧倒的な名曲群に続くのは「Bullet The Blue Sky」。引きずるように重たいサウンドと攻撃性で、初期3作にも通じます。続いて「Running To Stand Still」は優しく囁くような楽曲で、泥臭さのないブルース。こじんまりとした感じはあるものの、温もりを感じる1曲です。ボーカルをフィーチャーし、雄大な雰囲気を醸し出す「Red Hill Mining Town」を挟み、アップテンポ曲「In God’s Country」。高揚感を煽るギターのカッティングと、グルーヴィなベースが良い感じです。ブルージーな「Trip Through Your Wires」に続いて、比較的シンプルなアレンジの「One Tree Hill」はメロディが魅力的で印象に残ります。終盤のボノの歌唱はとてもアツい。「Exit」は静かに始まって徐々に盛り上がっていく楽曲でベースラインが魅力的です。珍しくギターが歪みまくっていてノイジー。そしてラスト曲「Mothers Of The Disappeared」はしっとりとした優しいメロディと、包み込むような温もりに溢れた歌が魅力です。

 冒頭3曲に関してはロック史トップクラスの名曲で、この3曲のクオリティで後半も続けば、本作はどんな作品にも負けないロック史トップの名盤にもなりえたのではないかと思っています。しかしながら正直、最初の3曲の流れがあまりに突出していて、他にも良い曲はあるけど、どれも凡庸に感じてしまうという印象も否めません。以降の楽曲も「Bullet The Blue Sky」とかいい曲はあるし、決してクオリティが低いわけではないんですが、どうしても冒頭3曲と比較するとその落差でどれも平凡な印象になってしまいます。
 手にすべき名盤ではありますが、冒頭の比重が大きい、少し頭でっかちなアルバムになっている印象があります。

The Joshua Tree: 30th Anniversary Edition (Deluxe Edition)
U2
The Joshua Tree: 30th Anniversary Edition
U2
 

Rattle And Hum (魂の叫び)

1988年 6thアルバム

 U2のドキュメンタリー映画のサウンドトラック。ライブとスタジオ録音の新作が混在した変則的な作品ですが、一応スタジオ盤扱いのようです。ライブについてはアツい演奏を聴くことができますが、ぶつ切りなのが残念。プロデューサーはジミー・アイオヴィン。
 ビートルズやボブ・ディランのカバー曲を披露したり、そのボブ・ディランやブルースギタリストのB.B.キングと共演を果たすなど、先代の偉大なロックレジェンドへのアプローチも見られます。それがレジェンドへの敬意なのか、あるいは自身もそういった存在になったという慢心なのか、批評家によって解釈が分かれるそうです。

 ビートルズのカバー曲「Helter Skelter」で激しい幕開け。原曲がかなりメタリックなので、U2の演奏は荒いようでいてこれでも大人しいアレンジに感じます。ボノだけは原曲に匹敵するくらいアツいですが。笑 続く「Van Diemen’s Land」では珍しくジ・エッジによる弾き語りを聴くことができます。優しくて聴き惚れます。続く「Desire」はハンドクラップも入ってノリの良い1曲。ハーモニカが吹き荒れます。「Hawkmoon 269」はボブ・ディランがオルガンを奏でる1曲。力強いリズム隊と、終盤のゴスペル風コーラスが印象的です。続いてボブ・ディランのカバー曲「All Along The Watchtower」はグルーヴ感のあるベースがカッコいい。「I Still Haven’t Found What I’m Looking For」は手拍子に女性コーラス隊など、ゴスペル風にアレンジされています。賑やかでアメリカンな雰囲気全開です。40秒ほどの小曲「Freedom For My People」、カッティングが心地良い「Silver And Gold」を挟んで、本作のハイライト「Pride (In The Name Of Love)」。元々美しい楽曲ですが、ライブだと歌メロをコーラス隊や観客の大合唱が支え、よりドラマチックになっています。あまりに感動的で、目頭が熱くなります。
 ここからは旧き良きアメリカンロック風の楽曲が続きます。でもU2のオリジナル曲なんですよね。「Angel Of Harlem」はホーンが鳴る楽曲。U2のオリジナル曲ですが、昔の楽曲のカバーかのように聞こえます。フォークソング風で1970年くらいの雰囲気の「Love rescuers Me」はボノとボブ・ディランの共作で、共演も果たしています。しっとりとした雰囲気をぶち破る「When Love Comes To Town」ではブルースギタリストのB.B.キングと共演。ブルース全開で泥臭く渋い1曲です。これまでのU2らしい「Heartland」を挟んで、ジョン・レノンへの経緯を表した「God Part II」。ロックンローラーのジョン・レノンのようにアツい歌唱が聴けます。ジミ・ヘンドリックスの演じる「The Star Spangled Bunner」を引用した後、ライブ録音の「Bullet The Blue Sky」。原曲もヘヴィですが、それ以上に引きずるように重く、迫力ある演奏を繰り広げます。アコギで温もりを感じさせる「All I Want Is You」で終了。ストリングスアレンジはヴァン・ダイク・パークス。

 トータル70分強の作品ですが、ライブとスタジオ録音が入り乱れ、多少だれる部分もあります。
 U2の中でも屈指で泥臭い本作は、『焔』から始まったルーツミュージックへのアプローチを極めた作品です。そして次作『アクトン・ベイビー』では方向性を大きく変えることになります。

Rattle And Hum
U2