🇬🇧 Au Pairs (オー・ペアーズ)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

Playing With A Different Sex (プレイング・ウィズ・ディファレント・セックス)

1981年 1stアルバム

 オー・ペアーズは英国バーミンガム出身のポストパンクバンドです。1978年にレズリー・ウッズ(Gt/Vo)、ポール・フォード(Gt/Vo)、ジェーン・ムンロ(B)、ピート・ハモンド(Dr)の4人で結成しました。
 モンゴルの女性兵士ジャケが印象的な本作は女性版ギャング・オブ・フォーとも呼ばれるように切れ味鋭いギターとファンキーなリズムを展開し、レズリーの力強いボーカルも魅力的。そして元祖フェミニズムバンドとも評されるようで、性に関する政治的な主張を歌詞に取り入れているそうです。ケン・トーマス、マーティン・カルヴァウェル、オー・ペアーズの共同プロデュース。

 オープニング曲は「We’re So Cool」。切れ味鋭いギターは確かにギャング・オブ・フォーっぽいところもありますね。ですがそれ以上にファンキーでグルーヴ感抜群のジェーンのベースが強烈なインパクトを放ちます。レズリーのボーカルはブロンディのデボラ・ハリーにも似た声質で、これが中々魅力的なのです。続く「Love Song」はノリが良く、グルーヴィで躍動感のある演奏を繰り広げます。レズリーをメインボーカルに、ポールが合いの手を入れる男女混声ボーカルを展開します。「Set-Up」は疾走感のある楽曲で、ダイナミックに唸るベースにピートの細かく刻むハイハットがスリリングな演奏を展開。レズリーの歌は気だるげでアンニュイな雰囲気ですが、勢いに満ちた演奏がぐいぐいとリスナーを牽引します。ファンキーな演奏はトーキング・ヘッズにも通じるかも。「Repetition」デヴィッド・ボウイのカバー。結構マイナーな楽曲なので原曲が中々思い出せないのですが、こちらのカバーもテンション高めの他の楽曲群に比べるとやや低血圧気味の、淡々とした雰囲気で進行します。「Headache For Michelle」はポールがリードボーカルを担当し、甘い歌声を聴かせます。ドラムがレゲエっぽいリズムを刻みますが、ギターはメロウな雰囲気を演出。同じフレーズを反復して起伏も少ないし、歌も時折同じワードを連呼したりと冗長なうえに6分半も続くのですが、心地良さもあったりします。
 レコード時代のB面「Come Again」は勢いと緊張感のある楽曲です。レズリーの歌声はドスが利いていてとてもブロンディっぽいですね。そして大音量のベースを中心にしたノリノリのファンキーな演奏はスリリングでカッコ良いです。「Armagh」はイントロから焦燥感を煽ってきますね。躍動感のあるリズム隊とカミソリギターが、時折野性味のあるサウンドを放ちます。ファンキーでグルーヴィですが歌は少しダークな印象。「Unfinished Business」はジェーンのベースが際立ちます。リズミカルでノリノリの演奏はスリリングで楽しめます。レズリーの歌唱はパティ・スミスっぽいですね。続く「Dear John」もリズム隊がノリノリで楽しげ。メロディの起伏がないのかレズリーが上手くないのか同じようなキーが続きますが、ドスの利いた歌は感情たっぷりで有機的な印象。そしてラスト曲は「It’s Obvious」。スッカスカな音はダンサブルなビートが効いていて爽快。同じようなビートが続き、淡々としているのに中毒性を生み出します。終盤は金属質な不協和音も響いてノイジー。

 ギャング・オブ・フォーをはじめ同時代の有名どころを想起させるような要素に溢れています。ポストパンク/ニューウェイヴフリークには刺さりますね。

 オー・ペアーズは翌年2ndアルバムをリリースした後、ジェーンの脱退を機に1983年に解散しました。その後レズリーは弁護士、ジェーンは代替療法士として、ポールとピートはそれぞれミュージシャンとしての道を歩んでいるようです。

Playing With A Different Sex
Au Pairs
 
 
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