🇦🇷 Karen Souza (カレン・ソウサ)

レビュー作品数: 1
  

スタジオ盤

Essentials (エッセンシャルズ)

2011年 1stアルバム

 アルゼンチン出身のジャズシンガー、カレン・ソウサ。1984年1月10日生まれ。エレクトロやハウスの企画アルバムに匿名シンガーとして参加していたそうですが、2006年に発表された、ロック曲をジャズアレンジしたコンピレーション作品『Jazz And ’80s』が話題になったことを契機にジャズへ転向したそうです。
 本作は1980~90年代ロック曲のボサノバアレンジが中心で、個人的にはポリスU2といったニューウェイヴ中心の選曲が気に入って本作を手にしました。…とは言うものの半分くらい知らないんですけどね。笑 スモーキーで色気のある歌声で、名曲の数々をカバーしています。妖艶なジャケット写真も目を惹きますね。

 まずはカルチャー・クラブの「Do You Really Want To Hurt Me?」。幻想的なサウンドに囁くような低音ボイスが響きます。そして落ち着いたドラムに乗せてメロディを展開。「Creep」レディオヘッドのカバー。円熟味のあるピアノや色気のあるトランペットを中心にまったりとしたサウンドで、カレンは妖艶な歌声で魅了します。喫茶店やバーでかかっていそうなジャズ曲で聴きやすいですね。続いてビートルズ「Strawberry Fields Forever」。ゆったりとしたテンポのボサノバサウンドに乗せて、耳元で囁くかのような色気たっぷりの歌声で聴かせます。またギターやピアノも音数少ないながら魅せられます。続いてソフト・セルの「Tainted Love」。指パッチンでリズムを取りながら、メロウなジャズサウンドを披露。演奏が魅力的です。そして「Corcovado (Quiet Nights Of Quiet Stars)」はボサノバの定番曲。憂いのある気だるげな歌に癒されます。後半からリズムが強調され、まったりムードの中にノリの良さを見いだせます。続いて本作のハイライトとなる「Every Breath You Take」。ポリスの名曲ですね。原曲に比べるとベースラインは控えめで、カレンの歌をフィーチャーしたボサノバアレンジになっています。本作においては、彼女のハスキーな高音を楽しめる1曲だったりします。続いてデペッシュ・モード「Personal Jesus」。前曲はカレンの歌をフィーチャーしていましたが、こちらはジャジーな演奏を楽しむ1曲でしょう。円熟味のある大人びたサウンドに、アクセントとして彼女の歌声が映えます。「New Year’s Day」はU2のカバー。原曲は冷たく鋭利なサウンドですが、(イントロのピアノに冷たさが残るものの)ギターをはじめ温もりを感じられるアレンジに仕上がっています。そしてマイケル・ジャクソンの名曲「Billie Jean」。ポップなアレンジがジャズに変わると原曲が分からないくらい、まるで印象が変わります。続いてブロックヘッズの「Wake Up And Make Love With Me」。妖艶な低音を聴かせる渋い1曲です。ギターもブルージーですね。「Have You Ever Seen The Rain」はクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの名曲。原曲の泥臭さはギターに残っているものの、円熟味のあるお洒落なサウンドで洗練されている印象です。メロディアスな歌が良いですね。そして最後はキム・カーンズの「Bette Davis Eyes」。ゆったりとしたジャズサウンドに乗せて、感情豊かな歌をじっくり聴かせます。

 原曲を知っているとより楽しめるでしょうが、半分くらい知らない私でも愛聴しているので、原曲を知らなくてもボサノバが好きな人には向いているでしょう。キャッチーなメロディのおかげで聴きやすいです。部屋でBGMとして流すのが好みです。

Essentials
Karen Souza
 
 
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