🇬🇧 Discharge (ディスチャージ)

レビュー作品数: 2
  

スタジオ盤

Why

1981年 EP

 イングランド出身のハードコアパンクバンド、ディスチャージ。バンド名はセックス・ピストルズの「Bodies」の歌詞の一節より引用したのだとか。1977年に結成した当時はセックス・ピストルズやクラッシュ、ダムド等の影響を受けたパンクバンドでした。ドラマーが脱退してメンバー変更が入ると、D-BEATとも呼ばれる破壊的な音楽性へと変化し、ハードコアパンクを切り開きました。
 本作は10曲入りなのに僅か15分にも満たないミニアルバムで、デビューアルバムと混同されることも多いそうです。なおCD化に際して12曲が追加となり(オリジナルより多い)、トータル32分とようやくアルバムくらいの長さに。英国のインディーチャートで1位を獲得した、ハードコアパンクの名盤として知られる作品です。虐殺された死体が並ぶ凄惨なジャケットは、彼らの強い反戦姿勢を示しています。この時点のメンバーは、ケルヴィン・”キャル”・モリス(Vo)、アンソニー・”ボーンズ”・ロバーツ(Gt)、ロイ・”レイニー”・ワインライツ(B)、デイヴ・”バンビ”・エレスメア(Dr)。プロデューサーはマイク・ストーン。

 オープニング曲「Visions Of War」から衝撃。とてもノイジーなイントロから、攻撃的な疾走曲が始まります。キャルの歌声は歌ではなく常に怒鳴り散らすようなスタイルで、後のスレイヤーにも影響を与えていそう。そしてあっと言う間に終わります。「Does This System Work?」はバンビの強烈なドラムから勢いに満ちています。ダーティで超攻撃的。「A Look At Tomorrow」はリフがカッコ良いですね。ダークで鋭いリフに、キャルの怒鳴り散らすような歌声が強烈です。続いて表題曲「Why」。速すぎる…笑 とても攻撃的で、疾走感に満ち溢れています。「Maimed And Slaughtered」も前曲と同じくらい速いですね。途中ボーンズのギターがギュインギュインと唸りを上げています。そのまま「Mania For Conquest」。同じくらいの速さの短い楽曲が矢継ぎ早にどんどんと展開されます。「Ain’t No Feeble Bastard」は同じ疾走曲でも少し雰囲気が変わります。レイニーのベースが重低音を響かせ、グルーヴ感がありますね。そして「Is This To Be?」で更に加速。とても速いです。続く「Massacre Of Innocents (Air Attack)」でグルーヴ感を増し、より力強くてスピード感があります。音圧が凄まじい。ラスト曲は「Why (Reprise)」。最後まで全くスピードダウンしませんでした。笑 叫び散らすラストも強烈。いずれの楽曲も2分に満たないため15分足らずでさくっと終わりますが、短い時間にとても濃密に圧縮されており、これだけでも十分に聴きごたえがあります。

 ここからはCD化で追加になったボーナストラック。本編とは少しミックスが違いますね。「Realities Of War」はざらついたギターにバスドラの重低音が効いています。続く「They Declare It」は彼らにしては比較的ゆっくり(一般的なバンドだと疾走曲レベル。笑)。怒鳴っているもののラモーンズっぽい印象。「But After The Gig」はドコドコと鳴るドラムと適度な速度で、比較的ノリの良い1曲です。「Society’s Victim」も前曲の延長って感じ。ドコドコ鳴るドラムに、歪みまくったノイジーなギターが強烈。そして「Fight Back」で加速。鋭利なギターがザクザクと切り込んできます。「War’s No Fairytale」は雑音に近いざらついたギターが耳障り。しかしブンブン唸るベースと力強いドラムが気持ち良いグルーヴ感を生み出します。「Always Restrictions」は時折音が途絶えてキャルの叫びだけになる瞬間があり、怒鳴られているような印象を受けます。続く「You Take Part In Creating This System」、グルーヴィでカッコ良い。そして相変わらず速いです。ダイナミックなドラムが強烈な「Religion Instigates」を挟んで、初期パンクのような疾走ロックンロール曲「Decontrol」。攻撃的ですが、比較的親しみやすいサウンドでしょうか。そして「It’s No T.V. Sketcth」でまた突き放すかのような、とても攻撃的な疾走曲を披露します。最後に「Tomorrow Belongs To Us」ですが、これも速いし怒鳴りっぱなしのアグレッシブな楽曲です。

 とても強いインパクトを受けました。遅い楽曲が一切なく、超攻撃的で速い、とにかくぶっ飛んだ印象です。僅か15分足らずのオリジナル曲だけでも十分お腹いっぱいの濃密なサウンドです。ボートラまで聴くと少し疲れるかも。

Why
Discharge
 

Hear Nothing See Nothing Say Nothing

1982年 1stアルバム

 ミニアルバム『Why』も名盤と名高いですが、ディスチャージ初のフルアルバムは本作になります。邦題が見つからないので、そもそも国内盤が出ていないのかもしれませんね。メンバーはケルヴィン・”キャル”・モリス(Vo)、アンソニー・”ボーンズ”・ロバーツ(Gt)、ロイ・”レイニー”・ワインライツ(B)、そしてドラマーは交代があり、本作時点ではガリー・マロニー(Dr)が担当。プロデューサーにはマイク・ストーン。
 メタリカをはじめ後進のバンドに大きな影響を与えている彼ら。ハードコアパンクの第一人者ですが、後のスラッシュメタルにも通じる攻撃性です。特にスレイヤーがディスチャージっぽいですね。

 開幕、表題曲「Hear Nothing See Nothing Say Nothing」から圧倒します。バタバタと激しいドラムに、ダーティかつカミソリのような切れ味のギターとベース、そしてキャルの怒鳴り散らすかのような攻撃的な歌声。とてもパワフルかつアグレッシブで、そしてスパッと終わる潔さがあります。続く「The Nightmare Continues」も疾走していますね。重低音が鳴り響くリフがカッコ良いです。「The Final Blood Bath」も重くて鋭利なリフが超速で這うようです。特にレイニーのベースがゴリゴリ唸ります。「Protest And Survive」は少しだけテンポを落として(十分速いですが)、ヘヴィなりにもノリの良い1曲。グルーヴ感が心地良く、また歌も相変わらず攻撃的ながら、比較的キャッチーな印象です。続く「I Won’t Subscribe」はまた突き放すかのように超速で駆け抜けます。そして「Drunk With Power」で更にテンポを上げるという…。とにかく速くて笑ってしまうほどです。その後、ダーティなリフがカッコ良い疾走曲「Meanwhile」でアルバム前半を終えます。
 レコード時代はB面、アルバム後半に突入。ギューンとギターが鳴り始まる疾走曲「A Hell On Earth」。キャルが終始叫び散らします。続く「Cries Of Help」は本作最長の1曲(それでも僅か3分!)。それでもスピードは落とさず、相変わらず速い速い。攻撃的なサウンドと怒鳴り声で蹂躙していきます。終盤にはナレーションと、赤ん坊らの泣き声が…。そんな前曲のラストを受けてか「The Possibility Of Life’s Destruction」には強い怒りのような攻撃性を感じます。とてもカッコ良いですが1分強でスパッと終わってしまいます。「Q: And Children? A: And Children」もダーティで切れ味の鋭い疾走サウンドに乗せ、怒鳴るような攻撃的なシャウトで圧倒します。「The Blood Runs Red」はギター、ドラム、ベースと徐々に迫り来るかのようなイントロが印象的。攻撃的なサウンドは相変わらずですが、バックでギターソロを見せたりしています。続く「Free Speech For The Dumb」は終盤に入るタイトルの連呼を除けばほぼインストゥルメンタル。ガリーのドコドコ鳴るドラムが強烈。ラストは「The End」。超速でアグレッシブな、スリリングな楽曲です。最後まで一切のスローテンポ曲なし。笑

 14曲入りなのに27分半という短い作品です。ですがどれも超が付くほどの疾走曲ばかりで、とても濃密。この長さでも全く物足りなさが残りません。語彙のない頭の悪いレビューになりますが笑、とにかく衝撃的な作品です。

Hear Nothing See Nothing Say Nothing
Discharge
 
 
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