🇬🇧 Ringo Starr (リンゴ・スター)
レビュー作品数: 1
スタジオ盤
1973年 3rdアルバム
ビートルズのドラマーとして活躍した、ミュージシャン兼俳優のリンゴ・スター。1940年7月7日生まれで、他のビートルズメンバー同様にイングランドのリヴァプール出身。本名はリチャード・スターキーと言い、指輪(Rings)が好きだったこととリンゴ・キッド(米国西部開拓時代のガンマン)への憧れから「リンゴ」の芸名になりました。ちなみにリンゴの息子ザック・スターキーもドラマーで、息子はザ・フーやオアシスのサポートドラマーを務めました。
ビートルズ解散と前後して1970年にソロ作品(カバー曲集)を発表。そして本作はソロ3作目となりますが、オリジナル楽曲を纏めた本作は実質的な1stと見なされることもあります。本作はビートルズ解散後初めて元ビートルズの4人全員が参加したことでも話題になりました。ジョージ・ハリスンとの共作となる「Photograph」やカバー曲「You’re Sixteen」が全米1位獲得シングルとなったほか、本アルバムも全米2位の大ヒット。ビートルズのメンバー以外にも豪華面々が参加しています。リチャード・ペリーのプロデュース。
オープニングを飾る「I’m The Greatest」はジョン・レノンが作曲し、ジョージもギターで参加しています。ゆったりとした気だるい楽曲で、オルガンの音色が心地良い。歓声の効果音で盛り上がっている感じ。「Have You Seen My Baby」はT・レックスのマーク・ボランが参加。グルーヴが心地良いロックンロールで、ピアノやホーンが賑やかに盛り上げます。連呼する「Hold on」が耳に残ります。続いて全米1位獲得シングル「Photograph」。「想い出のフォトグラフ」の邦題で知られます。ジョージ節の溢れる、どこか憂いを帯びつつも優しいメロディは温もりを感じますね。良い楽曲ですが、メロディのせいかコーラスに加わっているからか、リンゴよりもジョージの色合いを強く感じます。メロウなサックスやストリングスがメロディを引き立てます。「Down And Out」はオリジナルのレコードには無く、CD化に際して追加された1曲です。イントロからジョージがスライドギターを弾き、そしてノリの良いロックンロールを展開。リンゴの程よく気の抜けたボーカルが癒やしてくれます。「Sunshine Life For Me (Sail Away Raymond)」もジョージ作。牧歌的な1曲で、フィドルやマンドリン、バンジョーといった楽器が田舎な雰囲気を醸し出します。「You’re Sixteen」はジョニー・バーネットのカバー曲で、演奏にはポール・マッカートニーが参加。リズミカルでノリの良い演奏に乗せて、リンゴが甘い歌メロを披露します。
レコード時代のB面は「Oh My My」で幕開け。カウントともにノリの良い演奏が繰り広げられ、賑やかなホーンが楽曲を盛り上げます。ゴスペルっぽいコーラスなども加わって楽しい雰囲気。「Step Lightly」は本作唯一のリンゴ単独作曲です。素朴で緩く穏やかな楽曲で、大きな盛り上がりはありませんが癒やされますね。続く「Six O’Clock」はポールとリンダ・マッカートニー夫妻の作曲で、演奏にも参加しています。ピアノ主体の演奏にメロディアスな歌が乗ります。「Devil Woman」はパタパタとドラムが目立ち、ギターも若干ささくれだっています。でも攻撃的かといえばそうでもなく、ホーンやピアノが加わって賑やかなロックンロールを展開。「You And Me (Babe)」はレコード時代のラスト曲。バンド演奏に加えてホーンやマリンバなど楽器は華やかですが、派手派手な感じではなくゆったりとした空気が流れます。そしてここからCD化に際して追加された楽曲で、「It Don’t Come Easy」はポップな歌をホーンが賑やかに飾ります。リンゴのキャラなのか、派手に飾っても素朴な雰囲気が漂いますね。ジョージの弾くギターも良い。「Early 1970」はジョージのスライドギターがご機嫌。リズミカルな演奏に乗せて、気の抜けたリンゴのボーカルが心地良く、ほのぼのとした気分になります。
ホーンで賑やかに彩った楽曲もありますが、リンゴの穏やかな人柄か気の抜けたボーカル故か、リラックスできて癒やされます。
関連アーティスト
ビートルズではドラマーとして活躍。
ビートルズのバンドメイトたち。
類似アーティストの開拓はこちらからどうぞ。