🇬🇧 Whitesnake (ホワイトスネイク)

ライブ盤

Live At Hammersmith (ライヴ・アット・ハマースミス)

1980年

 1978年の、英国ロンドンのハマースミス・オデオンでのライブを収録したライブ盤です。デヴィッド・カヴァーデイル(Vo)、ミッキー・ムーディ(Gt)、バーニー・マースデン(Gt)、ジョン・ロード(Key)、ニール・マーレイ(B)、デイヴ・ドウル(Dr)のラインナップ。日本では単品でリリースされましたが、英国では本作単品ではなく『ライヴ…イン・ザ・ハート・オブ・ザ・シティ』に組み込まれてリリースされたそうです。2007年には日英共通で『ライヴ…イン・ザ・ハート・オブ・ザ・シティ』に組み込まれた2枚組として再発されています。

 ライブのオープニングは「Come On」。スタジオ盤でのもさっとした感じはなくて、ライブだからか音が洗練されています。ブルージーだけどノリが良くて聴きやすくなっています。うねるベースがなかなか良い。「Might Just Take Your Life」ディープ・パープルのカバー曲。原曲はグレン・ヒューズのコーラスワークが特徴的でしたが、カヴァーデイルの歌をコーラスワークが彩ります(クレジットされてないようで…誰の声だろう?)。ロードのオルガンが盛り上げます。そして後半激しくなる展開もスリリング。続いて、カヴァーデイルが吠えるように楽曲名をコールして始まる「Lie Down」は、グルーヴ感抜群のロックンロール。縦横無尽に動き回るマーレイのベースが肝ですね。「Ain’t No Love In The Heart Of The City」はボビー・ブランドのカバーで、とても渋い楽曲です。ブルージーなサウンドに、哀愁漂うソウルフルなボーカルが、これでもかというほど渋さを演出します。「Trouble」も、ゆっくりと踏み締めるようなテンポで演じられる楽曲はブルージーです。ラスト曲「Mistreated」はディープ・パープルのカバーで、レインボーのライブでもよく演奏される、パープルファミリー御用達の名バラードです。カヴァーデイルの力強くて渋いボーカルは凄まじく、圧倒されます。

 Boxセットに付いてきたため手にした作品ですが、スタジオ盤よりライブの方が洗練されている印象があります。ホワイトスネイクの楽曲より、ディープ・パープルの楽曲の方が輝いているので、これからに期待と言ったところでしょうか。

ライヴ・アット・ハマースミス
Whitesnake
 
Live... In The Heart Of The City (ライヴ…イン・ザ・ハート・オブ・ザ・シティ)

1980年

 1980年のライブです。前のライブ盤同様に、ロンドンのハマースミス・オデオンでのライブを収録。デヴィッド・カヴァーデイル(Vo)、ミッキー・ムーディ(Gt)、バーニー・マースデン(Gt)、ジョン・ロード(Key)、ニール・マーレイ(B)、イアン・ペイス(Dr)のラインナップで、ディープ・パープルの元メンバーが3人揃っていた時期ですね。

 オープニング曲「Come On」からノリ良くスタート。会場の手拍子で臨場感があります。続く「Sweet Talker」はブルージーなイントロから一転、疾走して陽気で軽快なロックンロールを展開します。間奏ではオルガンやギターソロ等のパフォーマンスで魅せてくれる、楽しくスリリングな楽曲です。「Walking In The Shadow Of The Blues」ではペイスのドラムが踏み締めるようにリズムを刻みます。ブルージーな楽曲に、カヴァーデイルの渋いボーカルがよく似合います。メロディがキャッチーな「Love Hunter」は11分くらいに引き伸ばされていますが、ムーディのギターソロという即興パフォーマンスが主な要因。手拍子やギターとの掛け合いで、観客がとても盛り上がっています。でも長くて少し冗長かも。続いてボビー・ブランドのカバー「Ain’t No Love In The Heart Of The City」。渋くてブルージーで、観客も大合唱しています。続く「Fool For Your Loving」がカッコ良い。ブルージーさを残しつつもハードロックのヘヴィさやキャッチーさを兼ね備えています。口ずさみたくなる秀逸なメロディも聴きどころです。「Ain’t Gonna Cry No More」はシンプルな演奏に歌メロをフィーチャーした序盤。そこから楽器が増えて盛り上がっていきます。賑やかだけどやはり渋い…終盤のコーラスはR&B風味です。「Ready An’ Willing」もブルージーな演奏です。渋いけどキャッチーなメロディでカッコ良い。マーレイのベースが良い味を出しています。そしてライブのラスト曲「Take Me With You」。疾走感に溢れるロックンロールで、派手さもあって爽快にライブを締めます。

 『ライヴ・アット・ハマースミス』に比べるとオリジナル曲が格段に魅力的になりました。とは言え渋い楽曲が中心で、玄人好みの作品だと思います。
 なお2007年の再発時以降は『ライヴ・アット・ハマースミス』も組み込んだ1作品として販売されています。下記リンクは『ライヴ・アット・ハマースミス』もセットになったバージョンのようです。

Live… In The Heart Of The City
Whitesnake
 
 

Boxセット

Little Box 'O' Snake (The Sunburst Years 1978-1982)
2013年
外装:
内容:
価格:
総合:

収録作品

評 価 タイトル 商品情報
35点 Snakebite (スネイクバイト) 1978年 EP 2011年リマスター
60点 Trouble (トラブル) 1978年 1stアルバム 2011年リマスター
45点 Lovehunter (ラヴハンター) 1979年 2ndアルバム 2011年リマスター
75点 Ready An’ Willing (フール・フォー・ユア・ラヴィング) 1980年 3rdアルバム 2011年リマスター
60点 Come An’ Get It (カム・アンド・ゲット・イット) 1981年 4thアルバム 2011年リマスター
65点 Saints & Sinners (セインツ・アンド・シナーズ) 1982年 5thアルバム 2011年リマスター
55点 Live At Hammersmith (ライヴ・アット・ハマースミス) 1980年 ライブ盤 2011年リマスター
65点 Live… In The Heart Of The City (ライヴ…イン・ザ・ハート・オブ・ザ・シティ) 1980年 ライブ盤 2011年リマスター

 
 ホワイトスネイクの初期ブルースロック時代を纏めたBoxセットになります。元々2011年に発売した11枚組『Box ‘O’ Snake (The Sunburst Years 1978-1982)』からDVDを除いた新装版が本作です。

 コンパクトな外箱。各作品はペラいジャケットにCDが裸の状態で入っていて、仕様は廉価盤と大差ありません。気になる方は保護スリーブを別買いしても良いかも。一応歌詞カードは付いています。

 各作品のレビューは重複のため本項では割愛しますが、初期ブルースロック時代は個人的にはそこまで光るものは感じませんでした。時代の割に音が10年近く古いというか…。これに魅力を見出せば価格も安いと感じるのかもしれませんが、当たりが少なかったせいでかなり割高な買い物をした印象です。その価格ですが、2019年6月現在で安いところで3,100円弱程度。1作品あたり400円弱ですが、そこまでお買い得感はなかったり。

 気になる作品がいくつかあったので購入したものの、個人的には後のヘヴィメタル時代の方が魅力的だと気付かされた作品で、本Boxセットでは残念ながら心を打たれた作品が少なかったです。

Little Box ‘O’ Snake (The Sunburst Years 1978-1982)
Whitesnake
 
 

関連アーティスト

 デヴィッド・カヴァーデイルが名を上げた、古巣のバンド。

 
 デヴィッド・カヴァーデイルと、元レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジによる1作限りのコラボ。
 
 『スライド・イット・イン』に参加したコージー・パウエル(Dr)のソロ。
 
 『スライド・イット・イン』、『白蛇の紋章~サーペンス・アルバス』に貢献したジョン・サイクス(Gt)の古巣。
 
 ジョン・サイクス(Gt)の立ち上げたバンド。
 
 
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