🇬🇧 Beady Eye (ビーディ・アイ)

レビュー作品数: 2
  

スタジオ盤

Different Gear, Still Speeding (ディファレント・ギア、スティル・スピーディング)

2011年 1stアルバム

 「ノエルのいないオアシス」。2009年にオアシスのリーダー、ノエル・ギャラガーが脱退。弟のリアム・ギャラガー(Vo)はオアシスの解散を決め、残ったオアシスメンバーのゲム・アーチャー(Gt)とアンディ・ベル(BからGtへ転向)、クリス・シャーロック(Dr)の4人でビーディ・アイを結成しました。名プロデューサー、スティーヴ・リリーホワイトを招いて本作を制作、全英3位を記録しました。なお同年に発表されたノエルのソロアルバムは全英1位を獲得し、差を付けられてしまっています…。

 オープニング曲「Four Letter Word」から躍動感のあるロック曲。リアムの気だるげで吐き捨てるような歌声が、荒々しくダイナミックなサウンドにマッチして爽快です。そして不協和音気味の不穏な気配がスリリングです。続く「Millionaire」はアコギ主体のポップな楽曲ですが、どこかインド音楽っぽい雰囲気は中期ビートルズのようです。「The Roller」はリアムの敬愛するジョン・レノンのような素朴なサウンドに淡々としたメロディ、そしてジョン・レノンのようなリアムの歌声。自分なりに咀嚼せず、ダイレクトに好みを反映してますね。笑 「Beatles And Stones」は旧き良きロックンロール曲。ベースが強烈に効いていて音圧も分厚いですが、楽曲の雰囲気は1960年代頃のよう。ビートルズやローリング・ストーンズのようにロックンロールをやりたいんだっていう歌詞です。気だるげな「Wind Up Dream」を挟んで、「Bring The Light」はノリノリのロックンロール。40~50年くらい前の楽曲のカバー…ではなくリアム作曲のオリジナルです。続く「For Anyone」は甘くポップなメロディが印象的な1曲。リアムの歌声も優しいですね。「Kill For A Dream」はアコギ主体の優しい音色に乗せて、メロディアスな歌が魅力的です。躍動感のある楽曲が多いので、聴かせる歌が染みますね。「Standing On The Edge Of The Noise」でまた力強いロックンロールを展開したあとは、7分近い「Wigwam」は本作のハイライト。メロディアスな楽曲で、ゆったりとした音の海に浸らせてくれます。そしてクリスのダイナミックなドラムを中心に中盤から盛り上げていき、終盤はひたすら同じフレーズを反復しながら終焉。浸れる1曲です。続く「Three Ring Circus」では、リズミカルで気だるげなロックンロールを展開します。ブルージーなギターソロが渋い。「The Beat Goes On」はもろにビートルズ風のナンバー。甘く優しいメロディが、どこか懐かしい感じを抱きます。ラスト曲は6分に渡る「The Mornings Son」。アコギが優しい音色を奏で、気だるくゆったりとした雰囲気。中盤からは浮遊感を伴い、ひたすら同じフレーズを反復。最後にテンポアップして締め括ります。

 ロックンロールの躍動感に溢れた作品で、ビートルズやジョン・レノンを強く意識した作風です。「ノエルがいなくても俺達はやっていける」という強い意気込みで、メロディの若干の弱さをノリと勢いでカバーしている感じ。ノエルのソロがメロディの良さを活かした湿っぽい作風なので対照的ですね。

Different Gear, Still Speeding
Beady Eye
 
BE (ビー)

2013年 2ndアルバム

 リアム・ギャラガー(Vo)、ゲム・アーチャー(Gt)、アンディ・ベル(Gt)、クリス・シャーロック(Dr)に加えてジェフ・ウートン(B)を迎えています。デイヴ・シーテックのプロデュースとなる本作はビーディ・アイのラストアルバムになりました。タイトルは『Be』ではなく『BE』なので、バンド名の頭文字でしょう。ジャケットアートがエッチいです。

 オープニング曲「Flick Of The Finger」はイントロから緊迫感に満ちていて、重厚なホーンが楽曲を引き立てます。リアムは相変わらず気だるげな声で歌います。続く「Soul Love」は個人的に本作のハイライト。リアムの歌をフィーチャーした、素朴で少しダウナーなサウンド。そしてしゃがれた歌声が紡ぐ単調な歌は、どこか哀愁を感じさせます。シンプル故に結構印象に残ります。続く「Face The Crowd」はツインギターが爽快なイントロを刻むアップテンポ曲。鼻にかかった気だるげな歌声は、勢いのあるダイナミックな演奏とは対照的です。「Second Bite Of The Apple」はプリミティブなパーカッションをバックに、ポップなメロディをかったるそうに歌います。本作はキーを外している楽曲が多いのが気になりますが…。ジャジーでしっとりとした「Soon Come Tomorrow」を挟んで、「Iz Rite」はビートルズ風のポップな1曲。良い意味で古臭くて懐かしさを覚える楽曲ですが、これ2013年の新曲なんですよね。「I’m Just Saying」も旧き良きロックンロール。ノリ良く駆け抜けたあとは、7分半の「Don’t Brother Me」。前半はアコギ主体のしっとりとした雰囲気ですが、後半は幻覚的なインストゥルメンタル。サイケデリックな世界観を彷徨います。バタバタとしたドラムが印象的な「Shine A Light」を挟んで、リアムの歌をフィーチャーしたアコースティック曲「Ballroom Figured」が続きます。ラストの「Start Anew」はゆったりとした楽曲で、静かなサウンドを唐突に盛り上げるオーケストラに実験的なサイケの香りがします。

 前作に引き続き旧き良きロックンロールに回帰していますが、前作よりも地味な印象です。序盤は良いのですが、後半が全然響きません…。
 本作を最後に、2014年にビーディ・アイは解散。明確な理由は語られていませんが、リアムの心が離れたからだとか。オアシスにとらわれて、超えるどころかオアシスになり得なかったビーディ・アイ。リアムは2016年に音楽界引退を発表するも、翌年にはソロデビューして、混迷しています。

BE
Beady Eye
 
 

関連アーティスト

 ビーディ・アイの前身にして、英国の国民的ロックバンド。

 
 ビーディ・アイ解散後のリアム・ギャラガーのソロ活動。
 
 
 類似アーティストの開拓はこちらからどうぞ。