🇬🇧 Black Sabbath (ブラック・サバス)

レビュー作品数: 7
  

スタジオ盤

オジー・オズボーン在籍時

Black Sabbath (黒い安息日)

1970年 1stアルバム

 ブラック・サバスは1968年に英国バーミンガムで結成しました。ヘヴィメタルバンドの元祖とも呼ばれます(楽曲としてはステッペン・ウルフ「Born To Be Wild」やビートルズ「Helter Skelter」がヘヴィメタル元祖と呼ばれていますね)。またレッド・ツェッペリンディープ・パープルとともに三大ハードロックバンドにも位置づけられます。メンバーはオジー・オズボーン(Vo)、トニー・アイオミ(Gt)、ギーザー・バトラー(B)、ビル・ワード(Dr)の4人。
 ロジャー・ベインによってプロデュースされた本作は、1970年2月13日(金)に発売されました。13日の金曜日です。ジャケットアートも不気味ですよね。ちなみに英国盤(Universal/Sanctuary)と北米盤(Warner/Rhino)では曲目が違うみたいで、私が手に取ったのは英国盤です。

 オープニング曲はバンド名とアルバムタイトルを背負った「Black Sabbath」。雨、そして雷が轟く中で鳴る鐘の音が不気味さを演出し、トニーの重いギターリフと音数の少ないサウンドが恐怖感を助長します。オジーの、ヘタでキャッチーさとは程遠いボーカルもこの雰囲気に非常にマッチします。初めて聴いたときに恐怖感にゾクッとした記憶があり、今でも鳥肌が立つほどカッコいい曲だと思っています。夜道にこれを聴いて歩いていると殺されるんじゃないかという感覚に陥ります。笑 続く「The Wizard」ではハーモニカを鳴らしてブルージーな雰囲気。でもギターの重低音が重たくて、そしてカッコいい。「Behind The Wall Of Sleep」は比較的明るい楽曲ですが、不気味さを纏っています。そして「N.I.B.」が非常にカッコいい。イントロのベースソロも素晴らしいのですが、ギターリフがとにかく強烈なインパクト。このギターリフは耳に残る中毒性があります。
 レコードでいうB面、アルバム後半1曲目は「Evil Woman」。やけにノリが良いのですが、なんとなく不気味な感じは払拭していません。「Sleeping Village」では陰鬱ながらも美しいアルペジオに始まり、途中から重苦しいギターリフが響きます。10分に渡る「The Warning」はメンバーの演奏を重視した楽曲です。オジーのボーカルもあるものの、大半は演奏だけのパートで、重くて強烈なギターは言うまでもなく、唸るベースやドラムもスリリングです。「Wicked World」はレコードにはなかった1曲だそうです。ブルージーな楽曲で、ノリが良いです。

 ブルースを基調にし、音数が少ないながらも引きずるように重たいギターリフを軸に、不気味なサウンドを作り出しています。

 本項のレビューは英国盤ですが、ユーザーレビューだと2016年ライノ(北米)盤の評判が良さそうなので、Amazonはライノ盤をリンクにしています。

Black Sabbath
Black Sabbath
 
Paranoid (パラノイド)

1970年 2ndアルバム

 次作と並んでオジー・オズボーン時代の最高傑作に挙げられることも多い作品です。個人的に最高傑作の座は次作に譲りますが、本作はキャッチーなギターリフの宝庫で、インパクトの強い楽曲が並びます。
 ジャケットアートで戦士の幻影が見えますが、『機動戦士ガンダム』に出てくるジェットストリームアタックみたいにも見えます。

 前作に引き続きロジャー・ベインがプロデューサーに就き、この体制は次作まで続きます。
 オープニング曲「War Pigs」は8分に渡る楽曲です。イントロから引きずるように重いギターリフに圧倒されます。そしてデデッというギターリフを皮切りにスピードを少し上げます。音数の少なさもありますが、一度聴いたら忘れられない強烈なインパクトを持つギターリフ。手数の多いドラムもカッコいい。オジーの独特な歌もやけに耳に残ります。続く表題曲「Paranoid」は本作のハイライト。ギターリフが非常に強烈なインパクトを持っていてとてもカッコ良く、そしてノリの良い1曲です。どことなくレッド・ツェッペリンにも似てる気がしますが、どちらもブルースをヘヴィに奏でたバンドなので、根幹が同じなので出来上がる楽曲も似るのかもしれません。続いて穏やかな「Planet Caravan」で一旦休息を与えたあと、「Iron Man」という強烈なギターリフを持つ楽曲が続きます。どうしてこうも印象的なギターリフを量産できるのでしょうか。トニー・アイオミは天才だと思います。中盤の加速する展開等も含めてスリリングな1曲です。
 アルバム後半に入り「Electric Funeral」は怪しい1曲。これも鈍重なギターが強烈です。中盤の疾走パートで存在感を放つベースがカッコいい。7分に渡る「Hand Of Doom」は静と動の対比が強烈。静寂の中で唸るベースを聴いていると一気に畳み掛けてきます。続く「Rat Salad」はインストゥルメンタル。ビル・ワードのドラムをフィーチャーしたスリリングな演奏を聴かせます。渋くてカッコいい。ラスト曲「Fairies Wear Boots」はギーザー・バトラーのバキバキのベースが聴きどころでしょうか。スリリングなドラムも捨てがたい。

 全英1位を獲得した作品で、代表曲が多いです。ブラック・サバス入門には本作か次作をどうぞ。

Paranoid
Black Sabbath
 
Master Of Reality (マスター・オブ・リアリティ)

1971年 3rdアルバム

 前作と並びオジー・オズボーン時代の名盤と名高い作品で、個人的にはブラック・サバスのオリジナルアルバム最高傑作です。トニー・アイオミがギターのチューニングを1音半下げるという試みをしているそうで、引きずるように重い重低音を響かせます。

 プロデューサーのロジャー・ベインは本作をもって降板しました。
 アルバムは「Sweet Leaf」で開幕。いきなり咳払いのエコーで始まり、すかさず始まる鈍重なギターリフが非常に強烈なインパクトを残します。引きずるような重さで、このギターリフだけでも永遠浸っていたくなるような中毒性があります。更にこの楽曲は、中盤突如狂ったかのように暴走する疾走パートを持っていて、これがまた鳥肌ものなのです。ドラムとか凄まじい迫力です。続く「After Forever」はヘヴィなギターよりも目立つグルーヴィなベースが高揚感を煽ります。サウンドは重いですがノリが良く、なんとなく明るい雰囲気を感じる1曲です。30秒に満たないエスニックな雰囲気のインストゥルメンタル「Embryo」を挟んで始まる名曲「Children Of The Grave」。徐々に迫り来るイントロが強烈。ギターとベースが重苦しいサウンドを奏でるのに、ドタバタと疾走するビル・ワードのドラムによってしてちぐはぐな疾走感を生み出します。これが心地よいのです。中盤はダークな雰囲気だし、ラストの余韻も非常におどろおどろしい。
 アルバム後半の始まりは短いインストゥルメンタル「Orchid」。アコギによる演奏が美しく、全体的に重苦しいアルバムの中にあってこの1曲は癒しです。「Lord Of This World」は鈍重なギターとベースが重苦しい雰囲気を作ります。耳に残るギターリフ以上に、ボゥンボゥンと強烈に唸るギーザー・バトラーのベースに耳がいきます。続く「Solitude」は哀愁漂うメロディアスな1曲。とても切ない雰囲気です。オジーはかなり癖の強いボーカリストですが、この楽曲においてはしっとりとした歌を聴かせてくれます。意外です。笑 そしてラスト曲「Into The Void」は個人的にはブラック・サバスで一番の楽曲だと思っています。イントロのギターリフが鳥肌が立つほどカッコ良くて、そこにベースとドラムが加わったらもう最高です。引きずるように重たい楽曲で、歌に入る直前で変わるフレーズもやはり印象的。オジーの独特な歌はおどろおどろしい雰囲気を助長しますね。中盤の疾走パートも待ってましたって感じ。ドタバタ暴れるドラムが強烈。そしてまたスピードダウンが、終始鳥肌が立ちっぱなしです。

 ブラック・サバスはドゥームメタルと呼ばれるジャンルの元祖に位置づけられますが、本作はドゥームメタルの持つ遅くて重たいサウンドがかなり色濃く出ている作品だと思います。
 いくつかの楽曲が非常にカッコよくて鳥肌ものです。

Master Of Reality
Black Sabbath
 
Black Sabbath Vol.4 (ブラック・サバス4)

1972年 4thアルバム

 ブラック・サバスのセルフプロデュース1作目。薬物問題を抱えて制作された本作は、コカインをテーマにした楽曲「Snowblind」をアルバムタイトルに据える予定だったとか。

 オープニング曲「Wheels Of Confusion/The Straightener」は8分に渡る大作です。メロウな演奏からゆったりとした楽曲が始まりますが、中盤にはノリの良い疾走パートが。5分を過ぎた辺りで後半パートの「The Straightener」に入りますが、こちらはテンポの速い、哀愁漂うインストゥルメンタルです。ヘヴィで渋い演奏の「Tomorrow’s Dream」を挟んで、ブラック・サバスの新しい試みが見られる「Changes」。ピアノとメロトロンをバックに、オジー・オズボーンがしっとりとしたメロディアスな歌を披露します。ギターとドラムは不在で重苦しさがなく、美しくも哀愁が漂う名バラードです。ガンガンにエコーを効かせた短いインストゥルメンタル「FX」に続いて、明るい雰囲気のアップテンポ曲「Supernaut」。途中からラテン風味が加わって賑やかな楽曲です。
 アルバム後半は「Snowblind」で始まります。引きずるように重たいギターリフはトニー・アイオミの十八番ですね。3連のリズムで重低音を響かせる「Cornucopia」を挟み、「Laguna Sunrise」はアコギが中心となってしっとりとした音を奏でます。美しいインストゥルメンタルです。続く「St. Vitus Dance」は比較的ストレートなロックンロールで、音は重いですが、ノリは明るい。ラスト曲「Under The Sun/Every Day Comes And Goes」はこの世の絶望のような重苦しいイントロで始まります。中盤での疾走はお得意のパターンですね。

 全体的にバラエティ豊富な作品ですが、散漫な印象も受けます。

Black Sabbath Vol.4
Black Sabbath
 
Sabbath Bloody Sabbath (血まみれの安息日)

1973年 5thアルバム

 前作に引き続きバラエティ豊富な路線を突き進んだ本作。ジャケットはブラック・サバスで一番カッコいいと思っています。

 「Sabbath Bloody Sabbath」で開幕。これがブラック・サバス屈指の名曲なのです。トニー・アイオミの鈍重なギターリフは非常にカッコ良くて、オジー・オズボーンの歌もやけに耳に残ります。ヘヴィなサウンドにふと美しい音色を奏でるアコギがアクセントになっていたり、後半のドロドロと重たいサウンドをバックに苦しそうな高音を聴かせるオジーの歌も含めて鳥肌ものの1曲です。「A National Acrobat」もリフが強烈。前半はギーザー・バトラーのうねるベースと、ビル・ワードのドラムが良い味を出しています。後半は粘っこいギターが主導。終盤のメロディアスなギターからの複雑な曲展開はスリリングです。一転して「Fluff」ではアコギがとても美しく響くインストゥルメンタル。毒気がない極上の癒し曲で救われます。続いて「Sabbra Cadabra」はノリの良いロックンロール。中盤のシンセとピアノはイエスのリック・ウェイクマンが弾いています。ドラムとキーボードが作り出す陽気な雰囲気とオジーの灰汁の強い歌声、ヘヴィなギターとベースの対比がなかなか良いです。
 哀愁漂うダークなヘヴィロック「Killing Yourself To Live」で後半の幕開け。渋い1曲ですが、終盤はダークながらノリの良さというギャップも見せます。「Who Are You?」はシンセサイザー全開の1曲。スペイシーなサウンドは何か気持ち悪さを感じます。明るい雰囲気の「Looking For Today」を挟んで、ラスト曲「Spiral Architect」。これがイントロから何か明るい未来を感じさせる高揚感を煽る1曲で、後半はストリングスに彩られてとても華やか。歌もメロディアスですが、メロディは前作の「Wheels Of Confusion」に似つつも洗練された感じです。

 表題曲はブラック・サバス屈指の名曲です。この1曲がアルバムを大きく牽引している感はありますが、他も粒揃いで悪くはありません。

Sabbath Bloody Sabbath
Black Sabbath
 

トニー・アイオミ主導期

Heaven And Hell (ヘヴン&ヘル)

1980年 9thアルバム

 アルコール問題を抱えていたオジー・オズボーンは解雇され、代わりにレインボーを脱退したロニー・ジェイムス・ディオが加入。灰汁の強い声で邪悪な雰囲気を作り出すオジーとは異なり、ロニーは抜群の歌唱力を武器に、惚れ惚れする歌を聴かせるタイプのボーカリスト。更にロニーの持ち込んだ様式美メタルという音楽趣味が化学反応を起こして、ブラック・サバスとしては異色ながらも、奇跡的な名盤を作り上げました。ロニーの関わった作品では、正直レインボーで残した作品よりも本作の方が優れた出来だと思っています。そのレインボーを手掛けたマーティン・バーチのプロデュース。

 オープニング曲「Neon Knights」からヘヴィながらも小気味良いトニー・アイオミのギターとギーザー・バトラーのベース、そしてノリの良いビル・ワードのドラムが疾走曲を作り出します。これまでのブラック・サバスにはなかった色合いですが、これがまたカッコ良いこと。ロニーの歌声はとてもメロディアス。「Children Of The Sea」はアコギの哀愁漂うアルペジオから始まるダークなサウンド。続く「Lady Evil」はベースのグルーヴ感がたまらない1曲です。これに力強いドラムが加わってスリルを生み出しています。ロニーの声によって荘厳なヘヴィメタルに仕立て上げていますが、サウンドだけなら後のグランジにも通じるような気がします。そして表題曲「Heaven And Hell」は7分に渡る大作。イントロの重厚なギターリフから鳥肌ものですが、全体的にベースラインが魅力的です。序盤の歌メロパートでは静かなサウンドをバックに聴かせる歌を展開しますが、ロニーの歌唱力あってのものでしょう。後半の疾走パートもスリリングでたまりません。終盤静かになり、しっとりと鳴るアルペジオも良いです。
 アルバム後半に入り「Wishing Well」は軽快なロックンロール。哀愁が漂っているのはロニーのメロディアスな歌唱によるものでしょう。続いて本作のハイライト「Die Young」。シンセサイザーによる神秘的なイントロにレインボー時代の「Tarot Woman」あたりを想起させますが、その後に強烈なパンチをぶちこまれます。重いんだけれども速い。歌メロも哀愁を纏いながらもキャッチーで、「ダイヨンダイヨン…」の連呼が耳に残りますね。ラストの速弾きも驚異的です。そして「Walk Away」は明るい雰囲気の1曲です。ベースのうねりが凄まじい迫力です。ラスト曲は「Lonely Is The World」。しっとりとメロディアスな歌を聴かせてくれます。終盤のシンセが哀愁を助長しますが、そこに張り合う速弾きギターと、テクニカルなドラムも素晴らしい。

 個人的な好みではオジー時代に軍配が上がりますが、純粋に作品のクオリティとしてはオジー時代に一切劣らない傑作です。オジー時代のブラック・サバスよりも取っつきやすく、これからブラック・サバスを聴く人は本作から入るのも良いと思います。

Heaven And Hell
Black Sabbath
 
 

ライブ盤

Reunion (リユニオン)

1998年

 ブラック・サバスは8thアルバム以降、リーダーのトニー・アイオミを中心にメンバーが流動的となりますが、1997年にはオリジナルメンバーのオジー・オズボーン、トニー・アイオミ、ギーザー・バトラー、ビル・ワードでの再結成を果たします。本作は再結成ライブに2曲の新曲を加えたものです。プロデューサーはライブパートをトム・パヌンツィオ、スタジオパートをボブ・マーレットが担当。

 2枚組CDの1枚目、「War Pigs」でライブが始まります。引きずるように重たいギターリフ、バキバキのベース、力強いドラム。そこに灰汁の強い呪術的な歌声が乗っかり、ブラック・サバスの世界を展開します。決して速いわけではないし音数もそこまで多くないですが、強烈なインパクトがあります。1曲目から会場の熱気も凄まじい。2曲目「Behind The Wall Of Sleep」で少しだけテンポアップ。ベースが唸りますが、終盤にはベースソロを披露します。そのまま続く「N.I.B.」はリフが強烈なインパクトを放つ名曲です。淡々と同じフレーズが繰り返されますが、中毒性があり耳に残ります。哀愁あるメロディも良いですね。楽曲のあとメンバー紹介を挟んで「Fairies Wears Boots」。これも同じフレーズの反復てて印象づけてきます。「Electric Funeral」でおどろおどろしいダークな雰囲気に。この重苦しくて粘っこい感じがあるからこそ、中盤の疾走パートが映えるのでしょう。「Sweet Leaf」が痺れるほどのヘヴィなサウンド。イントロの咳払いはライブではありませんが笑、金属バットを引きずっていく殺人鬼のような重苦しさは健在です。これも疾走パートが凄まじくカッコいい。オジーの紹介のあと始まるトニーの速弾きギターが強烈。重苦しい楽曲から一転して、「Spiral Architect」では明るく希望に満ちたイントロから、キャッチーな歌が始まります。オジーの不安定な歌もまたご愛嬌。そして「Into The Void」でまた重苦しい楽曲に逆戻り。個人的に一番好きな楽曲ですが、ライブによって重さと迫力に磨きがかかっていて痺れます。非常にカッコいい。続く「Snowblind」も重く暗い楽曲で、どこか憂いを帯びています。

 2枚組CDの2枚目は「Sabbath Bloody Sabbath」で開幕。オジーは高音は出ていませんが、あまりに強烈なギターリフありきの楽曲なので、歌メロはさほど気になりません。ギターが強烈なのは勿論ですが、パワフルなドラムも印象的です。「Orchid/Lord Of This World」ではトニーによる美しいアルペジオの「Orchid」から続けざまにヘヴィな「Lord Of This World」に流れ込みます。鈍重なのにリズミカルというか、妙なノリの良さを感じます。間奏がスリリングな「Dirty Women」を挟んで、バンド名を冠した「Black Sabbath」。雷雨のSEも再現されていて、静寂の中に響く鐘の音があまりにも不気味。音数の少なさが恐怖感を煽ります。オジーの歌声も、このおどろおどろしい雰囲気を助長しています。「Iron Man」では観客を煽り、会場が盛り上がってきたところで始まります。歌メロを観客が大合唱。会場がアツいのにダウナーな楽曲というギャップに面白さを感じていると、不意討ちのような疾走パートのカッコよさに圧倒されます。「Children Of The Grave」で会場の熱気は最高潮。およそ跳ねられないような鈍重さを感じながらも、ドラムが刻むリズムは跳ねたくなるようなノリの良さ。ライブならではの楽しさを感じさせてくれる素晴らしい1曲です。ラストにぶちかます「Paranoid」は疾走曲。鈍重な楽曲続きの中、数少ないアップテンポ曲で盛り上げます。間奏ではオジーが観客を煽り、とても賑やかです。終わったあとの歓声に臨場感があります。
 そしてライブパートの後にスタジオ録音の新曲が2つ。「Psycho Man」は非常に力強いドラムとザクザクと切り込むギター、ダークな雰囲気を演出するベース。オジーの歌声は低いトーンで、救いのない暗さを感じます。後半テンポアップしてブラック・サバスらしさを感じます。「Selling My Soul」は印象的なギターリフが聴けます。バキバキ唸るベースも良いですね。

 非常に聴きごたえのあるライブ盤です。オジー時代の名曲が奥行きのある迫力のサウンドで聴くことができ、オジー時代のベスト盤的な作品に仕上がっています。個人的にはブラック・サバスで一番よく聴く作品はこれですね。 

Reunion
Black Sabbath
 
 

関連アーティスト

 ボーカリスト、オジー・オズボーンのソロ活動。

 
 二代目ボーカリスト、ロニー・ジェイムス・ディオがブラック・サバス加入前に在籍していたハードロックバンド。
 
 ロニー・ジェイムス・ディオがブラック・サバス脱退後に結成したヘヴィメタルバンド。
 
 
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